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11/4【大日本】大地男泣き 両国で“兄貴分"耕平を真っ向撃破、ストロング王座返り咲き

『両極譚〜RYOGOKUTAN〜2019』東京・両国国技館(2019年11月4日)
BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合 ○橋本大地vs佐藤耕平×

 大地が“兄貴分"耕平を両国の大舞台で破って、大日本へのストロングヘビー級王座奪回に成功。二人をつなぐ“破壊王"故・橋本真也さんの技を互いに繰り出しあった末に真っ向撃破し、試合後は男泣きに暮れた。

 かつて破壊王の付け人を務めた耕平と、破壊王ジュニアの大地が両国王座戦を舞台に激突。耕平の指名によって実現する一戦となったが、“ZERO1"の耕平に流出したストロング王座を、“大日本"の大地が奪回に向かうシチュエーションは、時の流れを感じさせた。

 のっけから、かつての“兄貴分"耕平が立ちふさがった。徹底した左足攻めで大地の生命線を破壊しにかかって10分過ぎまで圧倒。大地もパイルドライバーはかろうじてリバースしたものの、止まらない耕平は、重いニーリフトや右ミドルキックで反攻を簡単に跳ね除けていった。

 それでもパイルドライバーだけは2度に渡って踏ん張り通した大地は、ファルコンアローで耕平の巨体を投げきって力で戦況を五分に。エルボーで気持ちをぶつけ合い、左ミドルとエルボーの交互乱打、ローからのヒザ蹴りと打撃コンボのラッシュで前に出た。

 耕平もあえて全て受け止めて倒れない。逆にカウンターの裏投げで落差十分に破壊王ジュニアをマットに叩きつけると、破壊王の得意技・三角絞めで絞め落としにかかる。力が抜けかけた大地もかろうじて足をロープへ届かせたものの、ならばと耕平は今度こそのドリルアホール・パイルドライバーで完璧に突き刺してニアフォールまで追い込むと、ぶっこ抜きジャーマンでフィニッシュを狙った。

 だが、大地も必死にロープをつかんで踏ん張ると、逆に追撃を避けてのジャーマンで耕平を投げきってホールド。肩を上げた耕平も猛烈な頭突きをぶち込んでロープに走ったものの、大地も鋭角的なエルボーをカウンターで叩き込むや、父を想起させる“溜め"のあるこん身左ミドルをズバリ。たまらずヒザを突いた耕平の後頭部にシャイニング・ウィザードを叩き込み、ジャンピングDDTで突き刺した。続く正調シャイニング・ウィザードもギリギリでキックアウトされたが、最後は雄たけびとともに父譲りのライジングDDT(変型垂直落下式DDT)で突き刺し、完璧な3カウントが数えられた。

 勝利の瞬間、大地は天を仰いで万感の表情。そして耕平から勝利を讃えられると、こらえていた涙がこぼれ落ち、ひと目もはばからず男泣きに暮れた。

 自身デビューの地でもあり、かつて父も幾多の熱闘をつむいだ両国の大舞台で、破壊王の得意技を互いに出し合った末に、かつての兄貴分を真っ向から撃破。あらゆる感情がこみ上げた。「全部受けてくれた気がした」と感謝し、いつの日かの再戦も思い描いた。

 ともあれ、“大日本の大地"として“ZERO1の耕平"からストロングヘビー級王座を奪回。自身としては約1年7ヵ月ぶり2度目の戴冠で、「2年前の俺と違うところを、これから頭を張って見せていかなきゃいけないし。そこはもう、ちゃんと別だから。ちゃんと(ベルトを)守って。佐藤耕平に笑われないようにしたいです」。そう気合を入れ直して前を見据えた。

【試合後の大地】
――耕平選手からベルトを奪った今の心境は?

▼大地「俺、奪ったのかな、本当に。なんか試合をしてて、あの人は俺の全部を受けてくれているような気がして。確かにエルボーも蹴りも強烈だったし。でも、試合をやって、肌を触れ合わせて、結果、あの人が俺の全部を受けてくれてる、そんな気がして。だから、俺はもう一度、もう一度佐藤耕平と試合がしたい。今すぐじゃなくてもいい。このベルトが懸かっててもいいし、もっとの先の話になるかもしれないから、その時まで持ってたいって言いたいけど、俺はメチャクチャ防衛戦をやりたいし。チャンピオンになったからには、あの人から獲ったからには、メチャクチャ防衛したいし。だから、タイミング的にこのベルトを持っている時にできればいいけど、もしかしたら持ってないかもしれない。でも、とりあえずなんでももう1回あの人と試合がしたいんですよ」

――それだけ耕平選手は特別な選手?

▼大地「俺にとってはね。柄にもなく泣いちまったよ」

――それはどういう涙?

▼大地「そんなもん、全部だよね。獲った瞬間に全部…。こらえようと思ったけど。ベルトを獲れたことが嬉しかったけど、ベルトより先に耕平さんに…試合をしてて(ベルトを)獲ったのにありがとうと言いたくて。ベルトより佐藤耕平を優先して、そっちにいっちゃって。思いを伝えて、抱きしめられた瞬間にもうダメだったな。そのぐらい俺にとって佐藤耕平ってデカいものだったし。節々がメチャクチャ痛いけど、そう考えると自分も受けきれてるのかな? 佐藤耕平の全部を受けきれたのかなって思う反面、俺がZERO1の時に火祭りとかで見てた佐藤耕平はもっと怖いものがあったし。それこそね、相手の感情を揺さぶってさ。後ろに父への重さを見て。そういうところで、俺の全部を受けきってくれたのかもしれないしさ。いろいろわからないけど、そういうのを全部抜きにして、もっとしばき合うっていうか。いやあ、きつかったよ。きつかった」

――これから層の厚いストロングBJでトップを張っていく気持ちは?

▼大地「どんな形であれ、佐藤耕平から獲ったんだから、それはやらなきゃいけないでしょ? 昔より、一番最初に獲った時より、2年前よりもっと落ち着いて試合ができてたし。2年前の俺と違うところを、これから頭を張って見せていかなきゃいけないし。そこはもう、ちゃんと別だから。ちゃんと(ベルトを)守って。佐藤耕平に笑われないようにしたいです」

【耕平の話】「なんだろう? 結果はもちろんスゲエ悔しいですけど、あいつだからかな? 終わって、あいつがベルトを持って立っているのを見て、ちょっと嬉しくなっちゃった。後輩として言うつもりも全然なかったんですけど、親父じゃないのに、親心みたいなもんが出てきちゃいました。でも今日、大日本プロレスの橋本大地を堪能した結果的には悔しい思いをしたので。もちろんあいつもZERO1という団体がどんだけしつこい団体か、どういうコンセプトか、わかっていると思うので。大日本プロレス、ストロングチャンピオンの橋本大地に改めてちょっかいかけさせてもらいにいきます。これ以上なんか喋ろうとすると、親心が爆発しちゃいそうなんで、新チャンピオンに話を聞いてください。ありがとうございました」

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