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12/28【DDT】遠藤を熱戦撃破で田中がD王GP初制覇、1・26後楽園でKO-D王者HARASHIMAに挑戦

『D王 GRAND PRIX 2020 the FINAL!!』東京・後楽園ホール(2019年12月28日)
「D王 GRAND PRIX 2020」優勝決定戦 ○田中将斗vs遠藤哲哉×

 遠藤を熱戦の末に撃破し、ZERO1の田中がD王GPを初制覇。リーグ戦で引き分けに終わったKO-D王者・HARASHIMAに1・26後楽園で挑むことが決定した。

 DDT最強を決めるリーグ戦・D王GPに外敵として出場した田中はBブロックにエントリー。HARASHIMAとは引き分けに終わったものの、5勝1分の無敗で優勝決定戦に進出し、Aブロックから勝ち上がってきた遠藤と激突した。

 どちらが勝利しても初制覇となる優勝決定戦はDDT年内最終試合にふさわしい激闘となった。一進一退の攻防が続く中、試合が大きく動いたのは5分過ぎ。場外戦で遠藤が持ち込んだテーブルを利用した田中が、その上に寝かせてコーナーからスーパーフライを投下。テーブルがへし折れるほど強烈な一撃で流れを引き寄せると、テーブルの破片で遠藤を何度も痛打し、主導権を握った。

 遠藤も奮起し、スイング式DDTを踏ん張ってコーナーへのブレーンバスターで切り返すと、サスケスペシャルは失敗したものの、スライディングキックからケブラータで飛翔する。リングに戻ると、スワンダイブエルボーを一閃。スリーパーで絡みついた。が、田中は豪快なバックドロップで引っこ抜いて大攻勢に転じ、コーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスター、垂直落下式ブレーンバスターを立て続けに繰り出す。ダイヤモンドダストもさく裂。遠藤は即座に動いてジャーマンを決めたものの、田中はラリアットで振り払った。

 勝負を捨てない遠藤はスライディングDを間一髪で回避すると、変型ゆりかもめに捕らえてギブアップを迫る。エルボー合戦で競り負けて腰砕けになってしまったものの、オーバーヘッドキック、顔面頭突き、ハンドスプリングエルボー、ライガーボムと怒とうの猛攻。シューティングスタープレスで勝負に出る。田中はヒザを突き立てて迎撃し、スーパーフライで突っ込むが、今度は遠藤が剣山で撃墜。互いに脇腹を押さえてダブルダウンとなったところで20分が経過した。

 先に動いた遠藤はカナディアンデストロイヤーを敢行するが、止まらない田中はそのまま起き上がってスライディングDをグサリ。両者への声援が交錯する。サポーターを投げ捨ててラリアットを狙った田中だったが、遠藤はその場飛びスパニッシュフライで逆転。旋回式トーチャーラックボムで追い詰めると、シューティングスタープレスを投下する。田中がこれでも沈まないとみるや、変型ゆりかもめに再捕獲。DAMNATIONのカリスマ・佐々木大輔の得意技であるクロスフェイスロックも披露した。

 だが、田中は手に噛みついてなりふり構わず脱出。左手で遠藤の左手を掴むと、右のエルボーでメッタ打ちに。アクセル全開の田中はさらに左右のエルボーを猛連打。遠藤もトラースキックを返すが、田中も裏拳でヒザ立ちにさせると、ショートレンジ式のスライディングDをぶち込んだ。遠藤はフォールを返し、場内は遠藤コールに包まれたものの、田中は延髄に、そして正面からスライディングDを連射し、熱戦に終止符を打った。

 田中が初出場でD王GPを制覇。マイクを持った田中は「遠藤、そしてDAMNATION、お前らの戦い、メッチャ面白かった。おい、遠藤。やっぱね、俺はもう26年やってきて。でもね、まだ全盛期でいるというのはリング上でやるしかないねん。その中で、若い中でもトップを張っている遠藤、今日メインのリングで戦えて…ありがとうございました」と遠藤に感謝のメッセージを伝える。そして、トロフィーを受け取り、勝ち名乗りを受けると、大歓声に包まれた。

 そんなリーグ戦覇者を花道奥で見つめていたのがKO-D王者のHARASHIMAだ。リングに上がると、「田中さん、D王GP優勝おめでとうございます。僕は約束を守ります。1月26日、後楽園ホール大会でこのKO-D無差別級のベルトを懸けて戦いましょう」と表明した。「ありがとう。その言葉を待ってたんや」と快諾した田中は「リーグ戦でHARASHIMA君と引き分けてね。D王を獲っても、DDTの一番のベルトを持っているのはあなたです。そのあなたからベルトを引っぺがして、俺がDDTの一番になってやる」と宣戦布告した。

 田中は「今日、俺が勝ったから、あなたはサッと帰りなさいって言いたいところやけど、チャンピオンがこうしてリングに上がってきたんや。ここは敬意を表して僕が帰ります」とHARASHIMAを残してリングをあとに。HARASHIMAはリング内に所属選手たちを呼び集め、三本締めで2019年のDDT締めくくり、改めてタイトル防衛を誓った。

 田中はベルト獲りのみならず、その先に「順に全ての選手、上から下までチャレンジャーとして迎えてもいいし。それが後楽園とか、DDTさんがやる大箱以外のところであったら、別に若いクリクリ坊主のヤツでも別にやってもいいし。本当に真のDDTのトップに立つというのは、全ての人を倒してだと思うんで」とDDT全選手撃破まで視野に入れている。第一関門にして、最大の敵であるHARASHIMAとの決着戦を制し、至宝を奪い取ることができるのだろうか。

【試合後の田中】
▼田中「試合を終えてね、今は本当にホッとしてます。出るにあたって、よそのリーグ戦に上がるにあたって、初めて対戦する人ばっかりやったんで、そこで優勝するのはやっぱ厳しいと思いましたけど。でも、いろんなこと言いましたけど、それは自分に対して発破をかけることであって、自分に対していいプレッシャーを与えられたんじゃないかなと。HARASHIMA君にリーグ戦で負けはしなかったけど、勝てなかったんで。D王GPというのはDDTの一番を決めるリーグ戦でしょ? でも、その中で1つ引き分けがあるってことはまだトップではないってことなんで。彼の持つベルトを引っぺがして、そこでDDTのトップに立つんじゃないですかね。試合後にHARASHIMA君がああいう風に出てきてくれたんで、助かりました。リーグ戦で試合が終わったあとに、優勝した時には対戦しましょうという言葉があったんで。彼が有言実行してくれたんで。僕は獲るというのが有言実行なんで。ベルトを巻いた時点で有言実行にさせてもらいます」

――優勝決定戦で対戦した遠藤選手については?

▼田中「若いっていうのは僕にはない最大の武器なんで。その彼にリング上の動きとか、そういうもの全てで負けたら、田中将斗の存在価値というのはないというか、薄れていくと思うんでね。やっぱ対等に戦う。それ以上のもので上回っていくというのが田中将斗だと思っているんで。でも、彼はああいうようなスタイルでやってますけど、凄く素晴らしいし、技の1つ1つ綺麗に決めてくるしね。途中、飛んでくる時に、技の失敗かなにかわからないですけど、そこで足を引っ張ってやろうかなと思っていったんですけど、そこで上手く蹴散らされたんで。そういうところは素晴らしいなと。技1つをミスったところで、そこからへこんで動けなくなる選手もいますけど、あそこでリカバリーしてくるというのは、どこか1つのなにかでしょうね」

――このDDTでベルトを獲ったあかつきにやりたいことは?

▼田中「それはベルトを獲ってからの発言になるかもしれないですけど、聞かれたんで言いますけど、順に全ての選手、上から下までチャレンジャーとして迎えてもいいし。それが後楽園とか、DDTさんがやる大箱以外のところであったら、別に若いクリクリ坊主のヤツでも別にやってもいいし。本当に真のDDTのトップに立つというのは、全ての人を倒してだと思うんで。手っ取り早いのはこのリーグ戦で優勝するっていうのと、ベルトを持っているヤツからベルトを引っぺがすというのが一番わかりやすいことですけど、本当に全てを倒さないと。若いヤツが僕にコロッと勝つかもしれんし。それで金星を与えるつもりはないけど、そういうことだってあるかもしれんからね」

――遠藤選手はハヤブサ選手に似ていると言っていたが、実際に戦ってみてどうだった?

▼田中「見栄えも均整の取れた身体で、上背がありながらああいう風に綺麗に飛んでくるというのは、やっぱハヤブサさんに似たところがあるしね。上からと取られるかもしれないですけど、いろんなところに出たり、いろんなタイプと戦うことによって、彼は凄い成長するんじゃないかなと思いますね。ハヤブサさんだって、全日本さんに出させてもらって、いろんなタイプとやって、グーンと名前も売れたんで。遠藤君もいろんなところに出たら、もっと凄くなると思うし。DDTで普段戦っているタイプとだったら、ある程度はどういうことをしてくるかわかると思うんで、凄い試合になるかもしれないけど、よそからポッと来た選手とやることによって、また彼のプロレスに対する幅が凄く広がると思うんで。僕がいろんな団体に上がって、いろんなタイプとやってきたから、そういうのが言えるんじゃないかなと思いますけど。僕は別にどこの団体にポッと出て、どこの海外の選手とやっても、ある程度対応できるものは身に付けていると思うんで」

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