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1/12【WRESTLE-1】圧勝・中嶋がW-1王座強奪 ベルト投げ捨て&踏みつけの暴挙に芦野が奪還名乗り

『WRESTLE-1 TOUR 2020 SUNRISE』東京・後楽園ホール(2020年1月12日)
WRESTLE-1チャンピオンシップ ○中嶋勝彦vs稲葉大樹×

 中嶋が稲葉に圧勝し、W-1王座を強奪。ベルトを投げ捨て&踏みつけの暴挙を見かねた芦野祥太郎が至宝奪還に名乗りをあげ、2・12後楽園でのタイトル戦が決定的となった。

 ノアの中嶋は昨年大みそ日の大阪大会でW-1王者・稲葉と遭遇。試合後、「ベルトを持ってたんだね。あなたと同じでくすんじゃってるよ。なおさら今日で興味がなくなったよ」と王者を酷評した。これに怒った稲葉が中嶋を次期挑戦者に指名。中嶋はあくまでベルトに興味を示さなかったが、最終的に「俺は優しい男だからさ。稲葉選手潰しちゃうけど、行ってあげてもいいよ」と受諾し、両者の対戦が決定した。

 試合は中嶋の予告通りとなった。序盤から中嶋ペース。ゴング直後から不遜な態度を取り、稲葉コールを送るファンを「もっともっと」と煽る。得意の蹴りを活かして先制すると、稲葉のフライングショルダー狙いをミドルキックで撃墜。たまらず場外に転落した王者をエプロンからのランニングローキックで射抜くと、場内は「勝彦」コールに包まれた。リングに戻ると、中嶋は首筋を両足で踏みつけて観客の撮影タイムを作り、不敵な笑みを浮かべる。

 流れを変えたい稲葉は今度こそフライングショルダーを浴びせると、感情的になってエルボーをぶち込み、顔面ウォッシュやフィッシャーマンバスターをお見舞いする。しかし、コーナーに上がったところで中嶋がR-15をズバリ。雪崩式ブレーンバスターで投げ飛ばすと、ターンバックルごと顔面を蹴り上げ、ミドルキックで蹴り倒した。稲葉は意地になってエルボー合戦にこだわったものの、中嶋はそのたびにねじ伏せ、バックドロップで3回も引っこ抜いた。ランニングローキックもさく裂する。

 中嶋はヴァーティカルスパイクで仕留めにかかるも、稲葉は卍固めに捕獲して決死の反撃へ。脱出した中嶋のトラースキック連打に被弾したものの、垂直落下式ブレーンバスターで活路を開く。延髄斬り3連発で中嶋を棒立ちにさせると、タイガースープレックスをズバリ。キックアウトされると、タイガースープレックス178(2段階式タイガースープレックス)の構えに。

 しかし、余力を残す中嶋はクラッチを振り払うと、ラリアットを空転させた直後に右ハイキックを一閃。王者が前のめりに崩れ落ちると、止めるレフェリーを振り払い、前後からサッカーボールキックを乱射した。そして、もはや虫の息の稲葉にヴァーティカルスパイクを敢行。完勝となる3カウントを奪い取った。

 中嶋が圧巻の勝利でW-1王座を強奪。W-1の至宝が他団体に流出する結末となった。ベルトにまったく興味がない中嶋は、レフェリーから受け取ってもマットに放り投げ、さらには場外に投げ捨てた。ブーイングと歓声が交錯すると、リングサイドに転がったW-1王座のベルトを踏みつけて、満足げな表情を見せる。

 リング上に座り込んだ中嶋はマイクを持つと、「ちょっと待て。声援なのかブーイングなのか、どっちなんだよ?」と観客まで挑発し、「ああ、だるいね、このリング。こんなにヌルいリングに浸かってると、そりゃあんなんもできるわ。よくあれでベルトを持ってたもんだ。ノアの中嶋勝彦がW-1のベルトを持っているのに、見てみろ? 誰も来ねえじゃん」と稲葉どころかW-1全体をバッサリと斬り捨てた。

 この言葉に反応したのが元W-1王者でもある団体の中心的存在・芦野だ。大声援を浴びて姿を現すと、中嶋の前に立ち、「お前のその態度、大みそ日でやってもクソほど気にくわねえんだよ。中嶋勝彦と組んだって、何も作り出せなかったよ。だからよ、こうやって戦えばスゲエもんを作り出せると思うんだよ」と対戦を迫った。

 しかし、中嶋は聴く耳を持たない。芦野を「ベルトを取りにいけよ。取りにいってから、話を聞いてやる。取りにいかないなら、話は聞かない」と挑発すると、芦野が仕方なくベルトを回収してきても、またも場外に投げ捨て、再び取ってくるように命令した。その後も舌鋒は収まらず、「お前たちが一生懸命に作り上げてきたこれまでの歴史を俺は一瞬にして奪っちゃったんだよな」と余裕の宣言。爆発寸前の芦野は「一瞬で奪った? お前、まだ俺と戦ってねえだろ?」と言い返し、「ベルトを持ってきたんだからよ。2月12日、後楽園でこのベルトを懸けて俺とやれ」と挑戦表明をぶち上げた。

 「ちょっと俺の予定もあるからよ。わからねえけど、どうせお前たちは勝手に決めて、やるんだろ?」とどこまでも不遜な中嶋は、芦野が「ここでイエスか、ノーか言えよ」と迫っても、「そうだなあ、イエスかノーかで言えばノーだ」と一旦拒否。その後もしつこくW-1のファンからの声援が小さいことを糾弾したものの、最終的に「忙しいけど、俺は優しいから。しょうがねえ。やってやる」と挑戦を受諾した。

 「これだけは忘れるな。現W-1の無差別のチャンピオンはノアの中嶋勝彦、この俺だ」と捨てセリフを残すと、「これ、いらないから、保管しといて」とベルトをまたも投げ捨ててリングをあとに。残された芦野は怒りを必死に抑えながら、「W-1に入って、一番腹立ってます…。とにかくこのベルト、俺たちが作り上げてきたこの歴史。あの中嶋勝彦がクソみたいに踏みにじったので、必ず2月、俺がタイトルマッチでこのベルトを取り返します。それができるのはW-1で俺しかいないです」とベルト奪還を誓った。

【試合後の中嶋】
▼中嶋「ああ、やべえ、獲っちゃった…。W-1がこれまで一生懸命作り上げてきたあのベルトの価値。興味がないのに、獲ってしまっちゃったよ。どうしようかと思ったよ、マジで。まあ、芦野選手が挑戦表明というのかな? 面倒臭いけど、やってあげるよ。これ、W-1のカメラ? じゃあ、このカメラでW-1を一生懸命応援してきたんでしょ。今、どういう気持ちよ? 俺なんかに獲られて。それを見てるお前たちも。まあ、選手とスタッフとファンのみんなで一生懸命一丸となって、W-1を作り上げてきたんでしょ? なんだよ、あの声援。W-1の選手もしょぼければ、ファンもしょぼいな。しょっぱいよ。応援してやってくれよ。俺はやり甲斐がないからさ。次は頼むよ、W-1のファンの皆さん。次はいつだか聞いてなかったけど…いつだっけ? なんか言ってたのはいつだ? 2月12日? うんって言っちゃったからな。しょうがねえ。また来てやるよ」

――ベルトは持って帰らない?

▼中嶋「いらない。邪魔だもん。保管しといてね、ベルト。俺がまた来るまで、ちゃんと綺麗に磨いておくんだよ。ゲストだから。チャンピオンだから。頼むよ。よし帰る。次、試合なんだよ」

【芦野の話】「リング上でもそうですし、大みそ日もそうですけど、完全に中嶋勝彦ペースだなと自分でも思います。ただ、俺と中嶋勝彦はまだ1回も戦ってないんで。戦って、プロレスのリングの上で証明するしかないんですよ。俺があのベルトを取り返すしかないんです。W-1の選手も会社もファンも全員でバカにされているんでね。それを俺が全部覆します。2月12日の後楽園、タイトルマッチ。俺が中嶋勝彦からベルトを必ず取り返します」

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