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1/13【大日本】阿部がジュニア王座前哨戦で青木撃破 TAJIRI、リンダマンら集結で戦線激化

『BJW WORLD IS NOT ENOUGH〜6人タッグトーナメント準決勝&決勝戦』東京・後楽園ホール(2020年1月13日)
ジュニアヘビー級王座前哨戦 ○阿部史典&吉野達彦&関札皓太vs橋本和樹&忍&青木優也×

 阿部がジュニア王座前哨戦で王者・青木を撃破。試合後、TAJIRIがグリーンミストで阿部襲撃を試みるも未遂に終わると、次々期挑戦者にエル・リンダマンが名乗り。さらに、元王者の橋本和樹や若手の佐藤孝亮らまでリングに集結し、ジュニア戦線に大きなうねりが生まれ始めた。

 ジュニア王者の青木は昨年の12・18横浜文体で2度目の防衛に成功。リング上で次期挑戦者に阿部を指名した。阿部は背後から伊良部パンチ(振りかぶり式ナックルパート)で襲撃して返答し、2・11後楽園でのタイトル戦が決定した。今大会では前哨戦で青木と阿部が火花。青木が先発したものの、あえて阿部はスカして直接対決を避ける。反対に阿部が登場すると、青木がサッと控えに下がり、心理戦が続いた。

 挑戦者・阿部が先に仕掛けた。隙を突いて控えに回っていた青木をフロントハイキックで奇襲。場外に蹴落とすと、エプロンからサッカーボールキックを放つ。だが、これをキャッチして転倒させた青木はプランチャでお返しする。その後、試合権のある形でも2人は向かい合うと、頭突き合戦を展開。ここでは王者の青木が意地を見せて、サマーソルトドロップを投下し、そのまま阿部をローンバトルに追い込んでみせた。

 他の4選手も青木たちに負けてなるものかと奮戦し、試合はヒートアップ。大日本ジュニアの戦いがさらに熱を帯びた中で、再び青木と阿部が対峙する。阿部はハンドスプリング攻撃を伊良部パンチで撃墜し、お卍固めを狙うが、割り込んだ和樹が頭突きで阻止。これを合図に両軍の大技が連鎖し、リング上には青木と阿部だけが残された。気持ちのこもった打撃戦が続いたが、青木は伊良部パンチにカウンターのアッパー掌底を合わせる。阿部もフランケンシュタイナーで抵抗したものの、すぐさま立ち上がった青木は投げ捨てタイガースープレックスで鎮圧。後頭部にスワンダイブミサイルキックを突き刺すと、再びタイガースープレックスの構えに。しかし、かいくぐった阿部はお卍固めに移行。気迫全開で絞めに絞めて、王者からギブアップを奪い取った。

 前哨戦を制して、タイトル戦に弾みを付けた阿部だったが、背後から忍び寄る影が…。“大日ジュニアの神"を自称するTAJIRIだ。SNSで阿部と舌戦を繰り広げていたTAJIRIが襲撃に動いたのだ。しかし、阿部は伊良部パンチで返り討ち。TAJIRIはグリーンミストを上空に吹き上げながらリング上で大の字に。

 「これからは仏様の時代になるんで、1回神様は置いておきましょう」とTAJIRIを放置した阿部は「青木。俺はな、もうエンジン全開、フルスロットルで来てるよ。2月11日の後楽園ホールでの…」と青木を挑発しようとしたが、今度はリングサイドを走り去る人影が…。#STRONG HEARTSのリンダマンだ。リングに滑り込んだリンダマンは「お前ら、2月11日後楽園でタイトルマッチをやるみたいだけど、今日の最後の攻防を見てたら、楽しみになってきたよ。それと同時に、お前らの勝ったほうとこの俺がタイトルマッチをさせてもらうぞ。いいな?」と勝手に挑戦決定を断言。「俺のファンはそれだけじゃ満足しないんだよ。もし、青木が俺とタイトルマッチをやる場合、俺が勝ったら、お前のトレードマークのその黒い眉毛、全剃りだ。阿部が俺と戦った場合、髪の毛はないから、10年間髪を切るな」と無理難題を要求すると、挑戦の舞台を2・24大阪に指名した。

 和樹や吉野、関札も引き下がらず、青木と阿部を取り囲む。元王者の和樹は「お前らリング上で好き勝手なこと言ってんじゃねえよ。だけどよ、これが大日本のストロングJだよ」と混乱を歓迎し、「青木、俺は前回文体で負けた。でも、俺は最後尾で待っているつもりはねえ。いつでも一番前でこのベルトを狙っている。みんなそのベルトを狙ってんだよ」とベルト狙いを改めて表明した。さらに、デビュー1年目の若手・佐藤は大胆にも阿部を張り倒すと、「ちょっと待て! 俺抜きでジュニアの話をするな、お前ら。俺がいつまでもこのリングの下で、紙テープだけ集めていると思うなよ。俺はお前ら全員の首を狙ってるからな!」と先輩たちに宣戦布告した。

 それでも阿部には青木だけしか見えていない。他の選手をリングから下がらせると、倒れたままのTAJIRIの真上で、青木と視殺戦を繰り広げる。阿部は「青木、お前、一言だけ言っておくぞ。端からヘビー級転向を目指してジュニアのチャンピオンをやっているヤツよりもな、生涯ジュニアヘビーでやっていこうと決めている俺の覚悟は負けない。俺はお前に負けないし、負けるわけないだろう」と強調し、動かないTAJIRIを踏みつけながら、青木をにらみつけた。

 阿部の挑戦が決まったことで、図らずも大きなうねりが生まれた大日本ジュニア。そんな状況を歓迎した阿部は「盛り上がってきたでしょ? ワクワクしてきたでしょ? ジュニア。これを一過性のものにしないで、ずっと続けていけるようになりたいですね」と目標を掲げ、「いつも後楽園の第2試合で終わっているようなジュニアじゃなくて、休憩前とか、できれば休憩後とか、そういうところに食い込めるような。ヘビーを待ってるようなお客さんに、ジュニアが来たなと思わせるようなジュニアに俺がしていきます」と誓った。

【試合後の阿部】
▼阿部「今日はちょっと登場人物が多かったですね。でも、大日本にはジュニアっていうカテゴリーがあって。デスマッチだけじゃないし、ヘビーだけじゃない。ジュニアは身体が大きくないけど、その中でジュニアにしかないような戦いをやっていきたいと思ってるし。2年前、『小さなBのメロディ』って書かれたけど、今日は大きかったと思うんで。大きなBのメロディを奏でて、チャンピオンからあのベルトを獲って、俺が大日本のジュニアを活性化させようと思ってます。ただ、青木は凄いから。今日やってて、物凄く楽しかったし、和樹さんも楽しかったです。先代の歴史の人たちもいるから…歴史じゃないな。まだ生きているから。でも、やりたい人はたくさんいる。とりあえず、今一番強いのは青木だから。青木を倒して、俺が一番強いってことを認めさせないといけないですから。ただワクワクしますね。この期間でジュニアをグッと盛り上げたいなと思います。BJWのBはバチバチのB。バチバチっていうのは、自分が一番適しているものだと思っているので。自分の専売特許だと思っているので。それを自分が形付けて、『1、2、3、ナーシャ』で締めたいと思っています。ナーシャです。許可は取ってません」

――今のジュニアで一番強いという青木選手を仕留めた手応えは?

▼阿部「凄くありましたね。お卍固め。貴婦人はおにぎりとか、お紅茶とか、お布施とか、素敵なものには『お』をつけるでしょ? 卍固めも先祖代々の技なんで、これに尊敬をつけて、『お卍固め』という名前なんですね。決して卑猥な意味じゃなくて、これはもう超強烈な技で。お卍固めというのは自分しか使い手がいないと思っているんで、タイトルマッチもお卍固めで必ず青木から。言い訳できないですからね、ギブアップというのは。ギブアップで取りたいと思います。それで、『1、2、3、ナーシャ』で締めますよ。すいませんね、長くなっちゃって。登場人物が多かったから。盛り上がってきたでしょ? ワクワクしてきたでしょ? ジュニア。これを一過性のものにしないで、ずっと続けていけるようになりたいですね。いつも後楽園の第2試合で終わっているようなジュニアじゃなくて、休憩前とか、できれば休憩後とか、そういうところに食い込めるような。ヘビーを待ってるようなお客さんに、ジュニアが来たなと思わせるようなジュニアに俺がしていきます」

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