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1/22【全日本】青柳が三冠ベルト初挑戦・初戴冠へ師匠・北原光騎氏直伝の新兵器・スピンキックに磨き

 青柳優馬が22日、神奈川県内のキャプチャー・インターナショナル道場で練習を公開。2・11後楽園大会での三冠ヘビー級王座初挑戦へ向けた新兵器として、師と仰ぐ北原光騎氏から伝授されたスピンキックに磨きをかけ、「エンドゲームもあるんですけど、あれも決まれば間違いなく獲れる確信があります」との感触を得た。

 2・11後楽園大会での三冠王座初挑戦が決まってからというもの、青柳は絶好調。王者・宮原健斗に負けたらNEXTREAM追放と最高マイク封印を迫り、エンドゲーム葬を予告。1・19春日部大会における前哨戦ではエンドゲームで宮原からギブアップ勝ちを奪い、有言実行をやってのけた。

 完全に追い風を味方につけた感があるが、欲張りの青柳は「もっともっと宮原健斗を追い込むために、ある武器を一つ用意しとこうと思う」とさらなる一手を予告していた。それは師匠・北原氏直伝のスピンキックだった。

 北原氏は全日本でデビューした元プロレスラー。プロレス入り前は佐山聡(初代タイガーマスク)が主宰したシューティング(のちの修斗)の初期に参加。打・投・極の技術を叩き込まれた。現在は神奈川県内でキャプチャー・インターナショナルを主宰。多くのプロレスラーに技術指導を施している。

 青柳もその一人。三冠初挑戦が決まってから師・北原氏の現役時代の試合映像を研究している時、新兵器として目をつけたのがスピンキックだった。北原氏のそれは速い回転で相手のアゴを射抜くもので、WAR時代の新日本との対抗戦でも猛威を振るった。セコンドとして眼前で目の当たりにしたこともある青柳は「威力を間近で見ていたので、あれは間違いなく次の三冠奪取に使える」と確信。この日の公開練習よりも以前から、その極意を伝授されてきた。

 公開練習でさっそく青柳はスピンキックを披露。U-FILE CAMP出身の大久保一樹が持ったミットに何発も打ち込んだ。が、回転のモーションが大きく、実戦で確実にヒットできそうにない。そこで北原氏が「間合いを詰めて突く!」、「蹴るふりして回る!」といったアドバイスを送り、手本を示してみせると、青柳も徐々にコツと感触がつかめてきたようで修正に成功。北原氏からも合格をもらった。

 公開練習では北原氏夫人から指導を受けている体操トレーニングも披露。最近、肉体の厚みが目立ってきた青柳だが、これこそがフィジカル面強化の要因だった。さらに北原氏からはエンドゲームの入り方もアドバイスされた。いきなりエンドゲームに持ち込むのではなく、チキンウイングアームロックで相手の動きを止めておいてから移行していくものだ。相手が逃れようとする動きを追いかけるように決めるので、より脱出を困難にすることができる。

 「いろいろな自分が知らない知識を北原さん、たくさん持ってますので、そういう知識も武器にできれば」と言うように、北原氏の指導によって攻撃力と幅がさらに広がった。青柳は「エンドゲームもあるんですけど、あれも決まれば間違いなく獲れる確信があります」とスピンキックを三冠戦での有効打とするつもり。北原氏も「(有効打に)なるでしょうね。回ってくる蹴りって結構対処できるんですけど、突かれる蹴りって逃げられないんですね。、思いきりここ(アゴ)に入れてやればいい」と助言。三冠戦まで時間もあり、青柳は「完成度をもっと高めて本番に臨みたい」とさらに磨きをかける構えをみせた。

 スピンキックの完成度を高め、威力を増すことができた時、青柳の三冠ベルト初挑戦・初戴冠の可能性は間違いなく高まる。

【公開練習後の青柳、北原氏】
――北原さんから見て青柳選手のスピンキックの筋は?

▼北原氏「いいと思いますよ」

▼青柳「ありがとうございます」

▼北原氏「別に今日が初めてじゃないからね。ずっとキックを教えてくれって言ってたんだけど、キックってじゃあ教えるよ、すぐってできないんですよ。やっぱりああいう形に持っていくのに時間がかかるし、僕はピンポイントで狙うから、ここ(アゴ)を。そこを狙うって大変なんですよね。それがよくこっちにスコっと抜けたり、相手がよけたりもあるし、さっきも言ったように一回止めて蹴るとか、蹴るふりして回るとかね。ああいうのができれば結構入るんじゃないですか」

▼青柳「はい。極めさせていただきます」

▼北原氏「それはわからないけど」

▼青柳「(苦笑) 練習します」

▼北原氏「僕はね、プロレスやってる以上、キックってあまりいらないと思ってたんですね。それだったら違う競技になっていくかなみたいなね。でも本人が蹴りやりたいって言うし、(大久保に向かって)結構ズドーンときてたよな?」

▼大久保「はい、きてます。フォーム直すと」

▼北原氏「回すとダメなんです。蹴りってやっぱり突かないと」

――スピンキックの練習はいつから始めた?

▼北原氏「いつだ?」

▼青柳「先週とか先々週ぐらいですね。三冠が決まってから映像とかをみるようになって、これいいかなと。すいません、本人の前で言うのも何ですけど、パクらせてもらおうかなと思いまして」

▼北原氏「全然いいんだけど、それは」

――映像というのは北原さんの試合の?

▼青柳「はい、そうですね。あと一度、引退試合の時に僕、セコンドつかせてもらって、威力を間近で見ていたので、あれは間違いなく次の三冠奪取に使えるなと思いました」

▼北原氏「スーパー・タイガーに入れたやつか。モロ入れて、あれ2、3分立てなかったもんな」

▼青柳「死んだと思いました」

――北原さんからご覧になってスピンキックは三冠戦の有効打になる?

▼北原氏「なるでしょうね。あれ、ホント入ったら前に出るの嫌ですからね。回ってくる蹴りって結構対処できるんですけど、突かれる蹴りって逃げられないんですね。回ってくるとバックステップとかやればいいけど、こうくるやつって、さっき言ったでしょ。間合いが広いって。あれを詰めるともう逃げられないですよ。そこが回んなければいいんじゃないですか。思いきりここ(アゴ)に入れてやればいい。カポーン!って」

▼青柳「はい」

▼北原氏「大丈夫。チャンピオンは壊れないですよね?」

――宮原は前に出る動きが多く、カウンターで入れるのが有効となりそうだが?

▼北原氏「彼の何だっけ? ブラックアウト? あれも正面からきてるでしょ。あれじゃ逃げられないですよね。それ食らわないようにしないとな」

▼青柳「そうですね。それに対抗するって意味でも今の僕のスピンキックを決定打にできて、三冠奪取につなげられたらなと。エンドゲームもあるんですけど、あれも決まれば間違いなく獲れる確信があります。ただ、完成度をもっと高めて本番に臨みたいなと思います」

――北原さんからも高い評価をいただき、感触をつかめたのでは?

▼青柳「そうですね。いいって言っていただければ、感触というか、こういう感覚なんだなっていうのがわかるんですけど、まだつかみきれてない部分があるので、これから詰めて詰めて、自分の一番の武器にできればと思いますね。(宮原は)どっかで俳優業やりたいとか言ってましたけど、もしかしたら僕の蹴りでできない顔になっちゃうかもしれないです。それだけはすいませんと言っておきます」

▼北原氏「俳優?」

▼青柳「俳優やりたいって何かで言ってたんです」

▼北原氏「ガバっと入ったらもっといい顔になるかもしれない」

▼青柳「俳優向きの顔になるかもしれないですね」

▼北原氏「そのぐらい言わないと」

▼青柳「勉強させていただきます(笑) ひどいっすね(笑)」

▼北原氏「俺も天龍さんに教わった」

――先日、王者から獲ったエンドゲームの入り方もアドバイスされたが?

▼青柳「いろいろな自分が知らない知識を北原さん、たくさん持ってますので、そういう知識も武器にできれば」

▼北原氏「ああいう技って隅っこでやってもね。真ん中に持っていってクルクルクルって、ああやって回ると別の意味でお客さん全部にみえるよね。相手が逃げようとする方に追いかけていって決めるから。回るというのもいいんじゃないの華があって。お客さん全部に見えるし。あれ、コーナーでやったらパッとロープに逃げられるし。真ん中でやるんだよ」

▼青柳「はい」

▼北原氏「見に行きたいんだよな」

▼青柳「ぜひお待ちしてます。ご家族でぜひ」

▼北原氏「中西みにいこ」

▼青柳「(苦笑) ついででいいんで、ぜひ」

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