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3/17【全日本】秋山「川田さんの記録抜かれたくない」、大森「勢いと地力で諏訪魔選手有利」 元王者二人が3・23三冠戦を予想

 3・23後楽園大会の三冠ヘビー級選手権試合「宮原健斗vs諏訪魔」が6日後に迫った。「全日本の顔」決定戦と定められたこの一戦を制した者がこれからの全日本を中心となってけん引していくことは間違いない。そこで両者と三冠戦を戦ったこともあり、歴代王者の秋山準(第44代、第53代)、大森隆男(第48代)にこの天下分け目の大一番を占ってもらった。「諏訪魔選手の動きとかみてると、まだ気持ちと体がピッタリ合ってる」と評価した秋山は王者・宮原が川田利明と並ぶ最多防衛記録V10を達成したばかりとあって、「川田さんの記録は抜かれたくない」との願望込みで諏訪魔勝利を予想。大森は「紙一重」としながらも、「勢い」と「地力」を評価し、こちらも諏訪魔勝利を予想した。

【秋山の話】
――3・23後楽園大会の三冠戦が迫った来ました。秋山選手は両者とも三冠ベルトをかけて戦ったことがありますが、まず三冠王者・宮原健斗はどのように映っていますか?

▼秋山「10回も防衛してますしね、わりとひょうひょうとしてますけど、プレッシャーというのは大変だったと思うし、十二分に頑張ってくれてると思いますね」

――秋山選手は三沢さん、小橋さんらと三冠戦を戦ってきましたが、偉大な先輩たちの三冠戦と比較して、宮原選手の繰り広げてきた三冠戦をどのように評価していますか?

▼秋山「昔とはまたスタイルが違うと思いますけど、いい試合ばっかりなんでね。比較はできないですけどね。今に合ったプロレスをしてると思うんで」

――三冠王者としてふさわしい戦いをしてきていると?

▼秋山「そうですね。それは皆さんがわかってることだと思いますよ」

――秋山選手が三冠初戴冠時の相手が諏訪魔選手でした。三冠王者時代の諏訪魔選手の戦いぶりについてはいかがですか?

▼秋山「最近、タッグの色の方が強かったですけど、ついにきたかという感じでね。今回、川田さんとチャンピオン宮原選手が並んでるということで、そのへんの意識が諏訪魔選手にあるのかどうか。もし俺だったら、いやいや、それは抜かせないよってなるけどね。俺は川田さんと一緒に試合してるから思うけど、それが諏訪魔選手にあるのかどうか。そこが大切なところかなと思いますね」

――諏訪魔選手は今回勝てば最多戴冠記録(7度目)を更新することになりますが、本人は記録にこだわっていないようです。

▼秋山「といっても、やっぱり頭の中のどっかにあるでしょうしね。いろんなものが今回、要素というか内容の中に入ってるんで、見てる人にとっては面白いと思いますけどね」

――諏訪魔選手は「全盛期」を掲げていますが、秋山選手もベテランの域に達した時にそのような意識はありました?

▼秋山「意識はたぶんみんなあると思いますね。俺よりも上の先輩でもたぶんあると思うんですね、気持ちだけは。ただ、気持ちと体の状態がだんだん離れてきてね。いい時は気持ちと体がピタッとひっついてるからいいけど、だんだん体力が落ちてくるから。でも諏訪魔選手の動きとかみてると、まだそれはピッタリ合ってるんで。面白い戦いになるんじゃないかなと思いますね」

――暴走っぷりに磨きがかかっている諏訪魔選手が三冠王者に返り咲いたら面白い展開になりそうです。

▼秋山「どうなるんでしょうね。ちょっとまとまりかけてた形が、彼が獲ったらどういうふうに暴れるのか。それはそれで宮原とはまた違った面白さが出るんじゃないかなと思いますけどね」

――当日、三冠戦はどんな戦い模様になると予想しますか?

▼秋山「それは別に俺がどうのこうの言わなくてもね。頂上決戦ということなので、僕も期待してますし、ファンも期待してもらいたいし、喜んでもらえる試合に必ずなると思うんで、僕も楽しみにしてます」

――全日本の歴史というキーワードが強調されていますが、過去の三冠戦との勝負というのもテーマとなりそうです。

▼秋山「そうですね。記録という意味ではそういうのもあると思いますけどね。でも実際、ゴングが鳴れば、そこは頭から離れるんじゃないかなと思いますけどね。注目はされてるんじゃないですかね。僕もいろいろ見て、あぁ、そういう感じで今、歴史が動くのか、止めるのかと楽しみです。あと諏訪魔選手が勝ったら5冠になるんですよね。本来は世界タッグがあって、宮原もそのチャンスがあったんだけど。だからどちらも記録か。5冠を阻止するか、最多防衛記録を阻止するか。それも面白いと思いますね」

――ズバリ勝敗を予想すると?

▼秋山「難しいですね。これはホント難しい。四天王時代の歴史を知ってる僕としては、川田さんの記録は抜かれたくないなという思いはありますけどね(苦笑) 今、一緒なんでね。そこは僕も楽しみに。気持ち的にはそこがちょっとあるかなと」

――どちらが勝ってもおかしくないと

▼秋山「ですね。差があるとしたら、当日お互いどういうコンディションで迎えてるかぐらいの感じじゃないですかね。どちらが劣ってるってこともないし、当日までの調整でどうなるかという部分かなと思いますね」

――勝者が「全日本の顔」となりますが、三冠戦後の王者に望むことは?

▼秋山「どちらも記録というか、片や5冠、片や全日本の歴史を塗り替える。どっちにしてもプレッシャーがかかってくると思うんで、先頭に立ってしっかり…お互いそれは今でもやってると思いますよ」

――二人とも全日本を任せられるということですね。

▼秋山「それはもちろん。今でも全日本を引っ張ってますから。だから勝った方が全てにおいて全日本を引っ張る存在になるんでしょうね」


【大森の話】
――大森選手はこれまで何度も三冠戦を経験し、一度は腰に巻いていますが、三冠戦はこういう戦いであるべきという考えはありますか?

▼大森「三冠に挑戦するだけの技量だとか、ふさわしいというのは、自分の意思よりか周りの人が決めることだと僕は思うんですよ。まず、その舞台に立てる資格があるかどうかは周りの評価だと思うんですね。お客さんの反応だとか、マスコミの声がついてきてない時ってあるじゃないですか。期待感を背負うっていうのはそれだけ大変なことだと思いますね」

――三冠ベルトを巻いた時は重圧を感じましたか?

▼大森「重圧も当然、最初はありましたけど、それに勝るだけの責任感だとか重みというのは凄く心地よかったですね。僕、三冠を巻いてる期間って物凄く短かったですからね。10日ぐらいだと思います。あの時はちょうど所属選手も抜けたあとで厳しい状況だったんで、よけいに重みがあったんじゃないかなと思ってましたけどね。でもやりがいはありましたね。ベルトの権威は絶対落としちゃいけないって気持ちもありましたからね」

――チャンピオン宮原選手とは2度三冠戦を戦っていますが、どのように評価していますか?

▼大森「期間が経てば経つほど重みがついてきて、貫禄を増してきてるなと思いますね。ベルトの権威と宮原選手の重みというか、そういうものが凄く今ピタッと一致してるんじゃないかなと思いますね。ベルトの価値も上げて自分の価値も上がってる。そういう相乗効果があって、僕にはベルトと本人の二人三脚のように見えますね」

――宮原選手の強みはどこにあると思いますか?

▼大森「ベルト獲ってからの一発一発の重みだとか、凄くそれは感じましたね。もうだいぶ前になりますけど。沖縄と博多で挑戦しましたけど、特に沖縄(2016年3月21日)のことはよく覚えてますよ。彼自身の覚悟を感じましたしね。大量離脱後のさらに離脱の中でね。周りの期待感も凄く大きかったと思いますね。プレッシャーも当然あったと思うんだけど、やりがいを感じてるのは凄く伝わってきましたね」

――諏訪魔選手は最近、暴走ぶりに磨きがかかってきていますが、どのように映っていますか?

▼大森「まだ年齢的に全然ピークに持っていける年だと思うんですね。だから本人もたぶん年齢的に下降線と感じてないんじゃないかなと思いますね。またひと花、ふた花咲かせてやろうという気概を感じますよ」

――自ら「全盛期」を掲げて自分を鼓舞しているように感じます。

▼大森「鼓舞してるところもあるのかもわからないけど、それだけの自信もあるんじゃないかなと思いますね。やっぱり諏訪魔選手が暴れてくれないと面白くないですよ絶対に。それはみんな感じていることだと思います」

――三冠王者時代の戦いぶりはいかがですか?

▼大森「諏訪魔選手とはチャンピオン・カーニバルでも三冠戦でも試合してるんですけど、時間が長く感じるんですよ。試合がもつれ込んでくると、そこから彼の伸びしろが凄いんですよ。長い勝負になると、もちろん体力が消耗してくるわけなんで、普通は間が出てきたりとか、ペースがだんだん落ちてくるんだけど、彼は上がってくるんですよね。どこにまだこんな力があったんだと思いますよ。地力が凄いと思います」

――短い勝負でも長い勝負でも対応できると?

▼大森「オールラウンドだと思います。宮原選手もそうですけどね。でも宮原選手の短い試合ってあんまり記憶にないですね。だいたい三冠戦で25分以上の試合をやってますよね」

――では、ズバリ勝敗を予想すると?

▼大森「諏訪魔選手有利じゃないかなと思いますね。年齢的なものじゃなくて、勢いというものが諏訪魔選手に今、あるんじゃないかなと思います。さっき言われた暴走もそうですし、去年、世界タッグを獲り返して最強タッグも優勝して、その勢いを持続していると思いますよ。だから、とんでもない戦いになると思いますよ。ホント紙一重の差でそんな気がしますけど、こればっかりはわからないですよ。じゃないかなぐらいしか言えないです」

――勝敗を分けるポイントはどこになると思いますか?

▼大森「どうでしょうね。フィニッシュにもっていくための過程というか、それが理にかなってるかかなってないかじゃないかな。お互いに首狙いでいくと思うんですよね。ラストライド、シャットダウンを決めるために。だから序盤から中盤にかけて、どっちがリードできるかじゃないかなって気がします。ただ、諏訪魔選手の場合は首狙いだったらスリーパーでもラストライドでもバックドロップでも、フィニッシュになるパターンがいくつもありますからね。バックドロップも最近また爆発力が増してますからね。宮原選手の場合、シャットダウンを決めるにも、もし首にダメージがあったらブリッジできなくなるかもしれないですからね。首を制する者が試合を制すると思います」

――「全日本の顔」決定戦となるこの一戦の勝者に期待することはありますか?

▼大森「それぞれ諏訪魔選手も宮原選手もベルトを持っていた時は自分の色に全日本を染めてきたと思うんですよ。だから特段、こうしてほしい、ああしてほしいというのはないですね。諏訪魔選手が自分の色、宮原選手が自分の色に染めていけば、自ずと全日本を引っ張っていく形になると思いますよ。またカラーが違うからいいですね。諏訪魔選手は無骨な感じがしますし、宮原選手も明るいんだけど、風格ももちろん増してきてるんで、ここで諏訪魔選手に勝ったら、またひと皮もふた皮も変わってくると思いますよ」

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