プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

7/5【2AW】岡林陥落 吉田が2AW1周年興行で無差別級王座奪還 「真のエースへの道」へ

『2AW旗揚げ1周年記念大会 GRANDSLAM in TKPガーデンシティ千葉』TKPガーデンシティ千葉4Fコンチェルト(カンデオホテルズ千葉内)(2020年7月5日)
2AW無差別級選手権試合 ○吉田綾斗vs岡林裕二×

 大日本・岡林との激闘を制した吉田が2AW無差別級王座を奪還し、「真のエースへの道」を突き進むことを宣言した。

 大日本・岡林は3・25後楽園大会で浅川を破って2AW王座を奪取。以来、滝澤(4・29TVマッチ)、タンク(5・23TVマッチ)を退けてきた。主力勢が岡林の軍門に下ってきた中、挑戦の名乗りを上げたのが吉田だった。「俺がこの団体を代表してついに動く時や。失敗は許されへんからな」と至宝ベルト奪還の重責を担って団体1周年興行のメインに出陣した。

 まずは両者とも慎重。吉田がヘッドシザースで絞め上げれば、岡林もヘッドロックで絞め返す。ロープに振った吉田がフロントハイキックを見舞い、岡林が逆水平で応戦しても、ジャンピングネックブリーカーで飛びついて先手を取った。ここから吉田は岡林の怪力を封じるべく左腕に照準。アームロックで絞め上げたり、サッカーボールキックで蹴りつけたりと狙い撃ちし、NO WAY OUTへ向けた布石を打った。

 流れをつかんだ吉田は串刺しジャンピングバックエルボーやサッカーボールキックで追撃。岡林が逆水平で反撃しても、チョップで真っ向からやり返してラリーで渡り合ったが、岡林はボディスラムを連発して逆転。サーフボードで絞め上げてスタミナを奪い、吉田をコーナーに追い込んで逆水平を打ち込む。吉田も再び打ち合いに持ち込んだが、岡林は串刺しラリアットで返り討ち。フライングボディプレスを投下し、逆エビ固めで捕らえた。

 守勢に回った吉田だったが、脇固めで再び左腕を絞め上げて反撃ののろしを上げた。足を預けてのジャンピングスピンキックをさく裂させると、引かない岡林も逆水平で吉田の攻勢を力ずくで止め、アバランシュホールド、ブレーンバスターを敢行。アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げたが、吉田はスリーパーで絞め返して脱出。ロックアウト(クラッチ式DDT)で突き刺し、トラースキック、顔面蹴り、ロックアウトの波状攻撃で一気に巻き返す。勝利を確信したように拳を握ってバックドロップの体勢に入ったが、岡林は首根っこをつかんで振り回すように逃れ、ジャーマン、ラリアットで怒とうの逆襲。吉田がハイキックを繰り出してもラリアットで刈り取り、ラリアットが2発もうなりを上げた。

 着実に追い込まれつつあった吉田だが、ゴーレムスプラッシュを両ヒザで迎撃。NO WAY OUTで捕らえて絞め上げる。苦痛に顔をゆがめながらもロープに逃れた岡林が逆水平とチョップのラリーに持ち込み、何発も打ち合う意地の攻防に突入。連打で競り勝った岡林は、垂直落下式ブレーンバスター、延髄ラリアットでたたみかけたが、吉田はカウンターのトラースキックで寸断。起き上がろうとする岡林の側頭部をトラースキックで射抜くと、満を持してのバックドロップが火を噴いて3カウントを奪った。

 22分27秒の激闘を制したのは吉田。岡林政権に引導を渡し、通常興行再開のメインで2AWの至宝ベルト奪還の大役を果たしてみせた。「正直ね、しんどい、強い、ホンマね、やりたくもなかった。岡林裕二ってそういう存在。今日は勝ったから、ちょっとぐらい文句言わせてよ」と冗談交じりに切り出した新王者は「このまま勝ち逃げなんてプロレス界におる以上、たぶんできんから、またいずれ、岡林さん、その時はまた今日みたいに正面からガッチリぶつかってやり合いましょう」と呼びかけた。すると岡林も吉田の胸に手を当てて地声で何やら語りかけてから退場。花道を下がる岡林に向かって温かい拍手が贈られた。

 リングに残った吉田は「自分はこの自粛期間中、当たり前の日常を当たり前と思うな。よくこの言葉を見たんですけど、正直、個人的にはあんまり好きじゃなくて、やっぱり当たり前と思えるぐらい平和な日常を取り戻せるのが一番やと思ってるので、皆さん、今はルールを守って、前と同じように戻れる、当たり前の日々が戻ってこれるように皆さん努力していきましょう」とファンへ向けてメッセージを送る。そして「皆さんに一番伝えたいのは、この自粛期間中、この2AWを支えてくださって、本当にありがとうございました!」と感謝を伝えた。

 「この試合のあとに先のことなんて全然考えたくない」としながらも、吉田は「チャンピオンってそういうのしていかなアカンと思ってるから、チャンピオンになったからには俺はこの2AWでやりたいことが一つある」と責任感をあらわに宣言した。これまで2AWの次期エース候補と称され続けてきたが、「もうね、変えていきたいと思ってるんです」とキッパリ。「このベルトかけて、強い相手バンバン倒して、今後の防衛ロードは吉田綾斗の真のエースへの道とさせていただきます」とぶち上げてみせた。新王者・吉田は2AWの至宝ベルトとともに本当の意味で頂点へと上り詰める覚悟を決めている。

【試合後の吉田】
▼吉田「正直ね、ただただ岡林裕二はやっぱ強かった。でもわかってたことやから。その上をいくための準備はしてきたから。その結果が出たかなと。こんな形でチャンピオンになれたのはうれしいし、いろんなことが混ざってたから。外敵に獲られてる、初代のトーナメントで負けてる、1周年記念、有観客興行復活、全てにおいてね、ハッピーエンドで終われたんじゃないかなと。ただね、もちろん、これが一つの終わりであって、ここから吉田綾斗のチャンピオンロードが始まるわけやから。今後の吉田綾斗に期待しててください」

――1周年、興行復活、相手が岡林選手といろんな要素が重なったうえで獲ったベルトの重みをこれから感じていくことになりそうだが?

▼吉田「まぁね、重みはもちろん凄く感じるんですけど、この重みをさらに増していくのが真のエースになるには必要やと思ってるんで。ただただ防衛戦を繰り返す、それだけじゃたぶん全然足りないと思うんで、より強い相手を求めていきたいなと思ってます」

――それは団体内外問わず?

▼吉田「とりあえず自分は2AWでいろいろ残してる人間がいっぱいいるんで、そういう人たちからですね。今イメージしてるのは」

――チャンピオンとして2年目の2AWをどうしていきたい?

▼吉田「2AWせっかくこの期間を得たからこそ、今回の即完売につながったと思うんでね。これを絶やさないようにするには、チャンピオン吉田の力が絶対必要だと思うんで。自分の行動を見極め直そうかなと。もっともっとね。2AW全体でっていうのももちろん自分が引っ張っていけたらいいなと思ってます」

――初めて肩にしたベルトの感触は?

▼吉田「いいですね。まだまだ新しい感じもいいし。このベルトを見るたびに思い出すものもあるんで、そういうのをね、一つ一つ自分は消化していかないといけないかなと思ってます」

――それは浅川選手?

▼吉田「どうなんですかね。いろいろです(笑)」


【岡林の話】「気持ちが凄かった。気持ちが技に乗ってた。俺が最強チャンピオンとして、この2AWに乗り込んだ時、ホント全員倒してやってやろうと思ったけど、何ていうんですかね。この時勢でどこの団体も状況は一緒やと思う。その中でみんな頑張ってやってきた。俺の団体もそう。他の団体もそうや。気持ちも乗って、ガーっと上にそれぞれがいってる。俺は気持ちも技も力も充実してるし、絶対自信があった。でもやっぱり、いつでも俺は思うんですけど、気持ちというものは、その状況によって変わるんやなと改めて今日思いました。気持ち、心です。この気持ちがあれば、気持ちが乗ってれば、何だって乗り切れるんだなと、そう感じました。それが今日の吉田ですね。ホントにあいつの今日のあの立ち姿をみて思いました。気持ちが強かったら何でもできるんですよ。今日は気持ちで負けました。まぁ、これからあいつが2AWのチャンピオンとして防衛していくでしょう。そのままの気持ちでたぶんいくでしょう。でも俺も負けてられん。これからやらなアカン。まだまだ挑戦したいし、あのベルトに挑戦したいし、あのベルトだけじゃない。自分の団体にもベルトはある。まだまだ上を目指していかないかん。これからいきますよ。どんどん上を目指して、今日は負けたけど、このままじゃ終わらん。まぁ、みててください。そして、これからまた2AWと大日本の対抗戦も始まるし、絶対負けんぞ。それだけです。ありがとうございました」

プロ格 情報局