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8/30【全日本】岩本が初挑戦・田村返り討ちで世界ジュニア初防衛 日高来場で挑戦表明

『2020 SUMMER ACTION SERIES 2』東京・後楽園ホール(2020年8月30日)
世界ジュニアヘビー級選手権試合 ○岩本煌史vs田村男児×

 岩本が初挑戦の田村を返り討ちにし、世界ジュニア王座初防衛に成功。試合後、全日ジュニア勢が挑戦の名乗りを上げた中、来場を予告していたジュニアのベテラン選手=日高郁人の挑戦を受けて立った。

 7・25後楽園大会で横須賀ススムから奪還し、3度目の戴冠を果たした岩本がこの日、初防衛戦に出陣した。挑戦者はあすなろ杯で全勝優勝を果たし、ベルト初挑戦を決めた田村だ。

 両者は開始早々、ショルダータックルでなぎ倒し合うなどエンジン全開。場外戦でも田村がタックルをぶちかませば、岩本は一本背負いで投げて譲らない。すかさずエプロンに乗せての場外ネックスクリューを敢行し、DDTで突き刺すなど首攻めでペースを握ったが、田村も引かない。タックルを連発し、ブレーンバスター、俵返しで王者を投げまくった。

 ダンロックを阻止した岩本が雪崩式ブレーンバスターで叩き落としたが、孤高の芸術は田村が決めさせない。ラリアットを連発し、ダイビングショルダーを放つと、岩本のワンツーエルボーを食らっても、バックフリップで叩きつけてすぐさま反撃。シュミット流バックブリーカーでもん絶させると、ダンロックで絞め上げた。

 岩本は王者の意地でギブアップしない。田村が狙ったパワーボムを食い止めると、ラリアットで鎮圧。垂直落下式ブレーンバスター、ジャーマン、ハリケーンドライバーと大技を重ねて田村にダメージを与えると、最後は孤高の芸術を鮮やかに決めて3カウントを奪った。

 初挑戦の田村が大いに善戦したが、岩本が貫録勝ちで世界ジュニアV1。ジュニアの頂点の座を守り抜いた。試合後、「今月も来月も今まで通り試合は多くない。だから今ここで次の挑戦者決めましょう。挑戦したい奴はここに来い」と募ると、全日ジュニア勢が次々にやってきて挑戦を意思表示。期せずして岩本包囲網が出来上がった。

 この中から挑戦者を選ぶかと思いきや、岩本は「何かSNSでみたぞ。某ベテランが今日視察しに来てるって。いないのか? ドタキャンしたのか? いるなら出てこいよ」と呼びかけた。この日、世界ジュニアに照準を絞ったジュニアのベテラン選手が視察のため来場を予告していたが、現れたのは元ZERO1の日高だった。

 すると岩本は「今日は申し訳ないですけど、お引き取り下さい。必ず日高郁人の挑戦を決定して、防衛して、そしたらひとり残らずお前ら全員やってやるよ」と全日ジュニア勢を下がらせ、日高と対峙した。日高が「先ほどおっしゃったとおり、私の挑戦受けていただけるということでよろしいですか?」と確認すると、岩本も「望むところですよ。やりましょうよ」と即答。これで両者による世界ジュニア戦が決定的となった。

 日高は7月1日付でZERO1を退団し、フリーとなったばかり。ベルト挑戦が実現濃厚となり、「私、正直、全日本ジュニアがよくわからない。なので、公平を期す意味でも、次期シリーズ、先ほどいた、ここにもいる全日本ジュニアの選手たちと組んだり戦ったりして、全日本ジュニアをよく知ったうえでタイトルマッチに臨みたい。そしてもちろん岩本煌史君、あなたとは毎試合、顔を合わせて、お互いを深く知り合ったうえでタイトルマッチを迎えたい」と希望。日高の次期シリーズ参戦も浮上した。

 リング上で日高と握手を交わした岩本は「日高さん、岩本君じゃなくて、岩本選手またはチャンピオンだ。それは次期シリーズ終わっても変わらないぞ。楽しみにしとけ」と通告してみせた。「5、6年前に6人タッグで当たっただけなんでね。お互いの記憶もたぶんあいまいだと思うんで、じっくりと前哨戦もやって、じっくりと防衛戦を堪能したいと思います。堪能したうえでしっかり防衛します」と誓うと、「そして防衛したうえで、今日上がってきてくれたみんな全員相手して、全員に防衛します」とその先を見据えた。

 岩本の戴冠と日高の参戦によって全日ジュニアがにわかに活気づいてきた。

【岩本の話】「初防衛戦、無事に防衛することができました。何だかんだね、3回戴冠して一回目、初防衛戦で陥落。2度目も2度防衛して3度目で陥落。結構、初防衛戦って俺、苦手意識がちょっとあったんで、無事初防衛できてホッとしてますよ。それから試合後…いや、ちょっと待て。田村男児だな。田村男児、まだまだだけど、このまだまだはプラス思考のまだまだだ。伸びしろたくさんあるだろ、あれ。あいつがまた伸びてきた時に、俺がまだチャンピオンでいられるように、俺も強さを磨いていきますよ。それから試合後、俺の発言でみんな上がってきてくれた。全日本のジュニアが。今日防衛したばかりの、オーストリアのベルトを防衛したばっかのTAJIRIさんまでも上がってきた。そしてセコンドにいた佐藤光留選手も上がってきた。みんな上がってきた。本当にありがたいし、みんなとやりたい。みんなとやりたいけど、某ベテランこと日高郁人が視察に来てたでしょ。見捨てるわけにいかないし、ぜひとも上がってもらいたい。俺、5、6年前に6人タッグで当たっただけなんでね。お互いの記憶もたぶんあいまいだと思うんで、じっくりと前哨戦もやって、じっくりと防衛戦を堪能したいと思います。堪能したうえでしっかり防衛します。そして防衛したうえで、今日上がってきてくれたみんな全員相手して、全員に防衛します」

【日高の話】
▼日高「ありがとうございます。唯一、上がってないメジャー団体、そこでやっぱり全日本プロレスさんに上がりたいって気持ちがずっとありましたね。以前、ZERO1にいた頃に対抗戦があったりはしたんですけど、その時も自分は全日本さんのリングで試合をすることはなかったので、ロープをまたいだのは本当に初めてです。なので次はスーツじゃない。コスチュームを着て、しっかりと自分のリングシューズでロープをまたいで、この全日本プロレスのリングを踏みしめたいと思います」

――前哨戦を希望していたが?

▼日高「そうですね。自分の方からもリングで提案させてもらったんですけど、そうはいっても自分も全日本ジュニアはよくわかってないので、パッといきなりタイトルマッチ。これは公平じゃないと。なのでいろんな選手と組んだり、戦ったりして、全日本ジュニアをしっかり体感したうえでタイトルマッチに臨みたいと思います。岩本選手…岩本君がそういうふうに言ってくれた、彼がその場で決めて、チャンピオンとしての度量の大きさを感じました。なんですけど、僕が調べたら30歳ですか。ベテランにはね、経験があります。なのでタイトルマッチを見据えたうえで、その経験を使って、深く深くチャンピオンを追い込んで当日を迎えたいと思います」

――世界ジュニアについては?

▼日高「子供の頃に見てたイメージなんですけど、マイティ井上さんとかですね。マイティ井上さんがオースイスープレックスで防衛するというのをですね、雑誌で見て、その雑誌を通してみてた印象が一番強いです」

――そのベルトに礼を尽くした?

▼日高「そうですね。もちろんチャレンジャーとして、世界ジュニアのベルト生で見ると全然違いますね。僕もさっそく全日本プロレスTVを契約したんですけど、それで見るのと全然違う。より近くでベルトを見て本当にほしくなりましたね。今の世界ジュニアのベルトのあの輝き、素晴らしかったです。どうしても獲りたい。なので。こうしてスーツを着て、世界ジュニアに失礼のないようにやってきました」

――世界ジュニアを狙う一番の理由は?

▼日高「先ほども申しましたけど、一度も上がったことのないメジャー団体、そして、そこのジュニアの象徴ですから。自分もずっとジュニアでやってきて今23年。全日本プロレスに上がる以上、そこの頂点、ジュニアの頂点のベルトを獲りたい。ただ単純な理由です。本当に自分は子供の頃から見てきたベルトなんで、ベルトが違うとかは関係ないです。その歴史を背負う覚悟もできてます」

【光留の話】「面白くないですね。何にも面白くないですね。並びますよ。でもよ、割り込みは違うんじゃない? 他人が貯めた貯金さ、てめぇが降ろしてんじゃねぇよって気持ちはありますよ。ただ、言ったでしょ、日高さん。毎日全日本ジュニアとって。それは受けて立ちますよ。ただ、後悔して辞めたくなったらいつでも言ってくれ。全日本ジュニア知らないんだったら教えてやりますよ。あなたが思ってるほどゆるくも甘くもない。体で教えてやりますよ。(初挑戦となった田村については?)Evolutionは結果が全てなんで。それだけですね」

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