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9/24【新日本】目隠しで「手探り状態」も矢野連勝 棚橋まさかの連敗も「みんなにしてあげたいことがある」

『レックPresents G1 CLIMAX 30』北海道立総合体育センター 北海きたえーる(札幌)(2020年9月24日)
「G1 CLIMAX 30」Bブロック公式戦 ○矢野通vs棚橋弘至×

 テーピングで目隠しされながらも矢野が「手探り状態」で棚橋を料理して2連勝。開幕2連敗となった棚橋だが、「ちょっくら、みんなにしてあげたいことがある」と2年ぶりV4にかける覚悟を口にした。

 2年ぶり4度目の優勝を狙う棚橋だが、初戦で二冠王者・内藤の軍門に下り、黒星スタートとなった。続くこの日の2戦目の相手は曲者・矢野。同ブロックとなるのは2度目の優勝を遂げた2015年以来、5年ぶり8度目。棚橋が4勝1敗2分の戦績が残っている。

 試合前、レフェリーのボディチェックに「何もないよ!」と主張した矢野は登別市観光大使らしく北海道でのクリーンファイトを強調した。が、ゴングが鳴ると場外に出て「こっちでやろうよ!」と呼びかける。リング上の棚橋は「ここ!」と譲らず。エアギターで待ち受ける。場外カウントが数えられると、矢野は渋々リングに戻り、意外にもレスリング勝負を展開してみせた。

 かと思えば矢野はコーナーマットを外して棚橋に投げつける。すると逸材はそれでエアギターを披露。返された矢野は「やるわけねぇだろ!」と殴りかかったが、回避した棚橋はドラゴンスクリューで吹き飛ばした。だが、矢野は場外戦に持ち込んで棚橋を花道へと連行。プラ柵に叩きつけ、ついには入場ゲート前へ。棚橋がエルボー合戦に持ち込んでも、矢野はサミングで制して先にリングイン。棚橋も必死に追いかけて生還した。

 すると矢野は息つく間も与えず、ローブローからの丸め込みでニアフォールに追い込む。棚橋もフライングフォーアーム、ダイビングサマーソルトドロップ、ドラゴンスクリューと得意技を連発し、場外に転落した矢野にプランチャを放ったものの自爆に終わった。ここで矢野はテーピングを持ち出したが、阻止した棚橋はテーピングをぐるぐる巻きにして矢野に目隠しした。

 視界を奪われた矢野はカウント19で辛うじてリングイン。すかさず棚橋はツイストアンドシャウトで追い討ちをかけたが、目が見えないはずの矢野がレフェリーを盾にしてスリングブレイドを阻止。急所蹴りからの裏霞で丸め込んで3カウントを奪った。

 2011年以来9年ぶりにまんまと棚橋狩り。矢野が開幕2連勝を決めた。テーピングを利した目隠しでお株を奪われた矢野は恐る恐るバックステージへと引き揚げると、「手探り状態だけど勝った! 勝ったのは私!」と会心の勝利を誇った。次戦は9・29後楽園大会のEVIL戦だ。

 一方、棚橋はまさかの2連敗で勝ち星なし。過去18度の出場で1勝の重みを嫌というほど知っているだけに、悔やんでも悔やみきれない。それでも「まだまだこっから」と前向きさを失わない逸材は「ちょっくら、みんなにしてあげたいことがあるから」と言い切った。

 3戦目となる後楽園大会では対照的に2連勝中のジュースと対決。2年ぶりV4への道は険しいものとなりそうだが、「みんなにしてあげたいこと」の実現をモチベーションに棚橋は捲土重来を図る。

【矢野の話】「(※テーピングで頭部をぐるぐる巻きにされ、目隠しされた状態のままスタッフに手を引かれながら戻ってくる)見えない! こっち? 先導して誰か。(※コメントスペース内をふらふらさまよいながら)まさに、まさに……大丈夫? (こっちで)合ってるか? まさに手探り、手探りで少しの光しか見えない。少しの光しか見えないけど、手探り状態。わからない。(控室は)どっちだ、お前ら? 声出さなきゃわかんないよ! 手探り状態だけど勝った! 勝ったのは私! (※控室の戻ろうとするが)こっちか? どっちだよ? どっち? 手を引っぱってくれないとわからない! こっち? (※スタッフに手を引かれて)こっち? どっち? こっち?(※と叫びながら控室へ向かう)」

【棚橋の話】「(※股間を押さえながら引き揚げてきて苦しそうな声で)ああ、痛え……。ハア……。G1、19回目だよ。勝ち星、1点、2点の大切さ……。ああ……。まだまだ、こっから。俺はさ、ちょっくら、みんなに、してあげたいことがあるから」

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