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10/18【新日本】飯伏が史上3人目のG1連覇! SANADA激闘粉砕、秋の頂で「本当の神になる!」

『レック Presents G1 CLIMAX 30』東京・両国国技館(2020年10月18日)
「G1 CLIMAX 30」優勝決定戦 ○飯伏幸太vsSANADA×

 飯伏が激闘の末にSANADAを粉砕し、史上3人の目のG1連覇を達成。初めての秋開催となった過酷なリーグ戦の頂に立ち、「本当の神になる!」と高らかに宣言した。

 30回目にして初の秋開催となった今年のG1。優勝決定戦はAブロックを7勝2敗で勝ち上がった飯伏と、Bブロックを6勝3敗で勝ち上がったSANADAによって争われた。

 頂上決戦の前に、"G1男"蝶野正洋がリングであいさつ。「今日の決勝戦は特別な試合です。2020年、新型コロナウイルスでみんなが苦しんでます。新日本プロレスはウィズ・コロナ。行動と勇気を教えてくれました。新日本プロレスOBを代表し、そしてG1・OBを代表して、感謝します。ありがとうございます。ガッデムG1、今日の決勝戦に勝ち残った2人の選手に勇気を」と激励すると、いやが上にも決戦ムードが高まった。

 飯伏は10・16両国でのタイチ戦におけるローキック合戦のダメージを引きずり、左モモにテーピングを巻いて試合に臨んだ。優勝戦らしく静かな立ち上がりとなったが、エルボー合戦に発展すると、リング上は一気に熱を帯びる。ここまでは足のダメージを感じさせなかった飯伏だったが、SANADAは見逃さずに足攻めに着手。ニークラッシャーから足4の字固めに捕らえた。

 飯伏は足をかばいながらもプランチャやスワンダイブ式ミサイルキックなどで気持ちを見せるが、SANADAもプランチャでやり返し、空中戦の様相に。飯伏の変型キリモミプレス、SANADAのラウンディングボディプレスはどちらも不発。飯伏の三角飛び式ケブラーダを防いだSANADAが場外ネックスクリューで流れに乗ったものの、飯伏もスワンダイブ式ミサイルキックをキャッチしてシットダウンパワーボムで撃墜してみせた。

 その後も戦いは一進一退。飯伏がシットダウン式ラストライド、ラリアットと攻め立てれば、SANADAもタイガースープレックス、TKOと大技ラッシュで猛追。ドラゴンスリーパーの体勢からぶん回して、Skull Endに捕獲して絞めに絞めると、ラウンディングボディプレスを落とすが、飯伏が間一髪で避けて自爆を誘い、ここで30分経過となった。

 気合いを入れた飯伏は右ハイキックから猛攻に打って出る。体をたぎらせ、ボマイェを放つと、カミゴェの構えに。その瞬間、ゴールデン☆スターの体を上空に投げ飛ばして、TKOを決めたSANADAはラウンディングボディプレス連発の必勝パターンに持ち込むも、飯伏はヒザを突き立てて撃墜。しつこくSkull Endを狙うSANADAをひとでなしドライバーでマットに突き刺した。

 初優勝を諦めないSANADAもこのG1で猛威を振るったオコーナーブリッジで大逆転勝利を狙ったが、飯伏はギリギリでキックアウト。なおも抵抗するSANADAをハイキックで棒立ちにさせると、飛びヒザ蹴り、カミゴェと猛ラッシュを浴びせる。SANADAも肩を上げて意地を見せたが、最後は飯伏が生ヒザ式のカミゴェで激闘に終止符を打った。

 35分を超すG1史上最長となった優勝決定戦を制し、飯伏が蝶野、天山広吉に続き、史上3人目のG12連覇を達成。蝶野からトロフィーを贈呈されて祝福された飯伏はマイクを持つと、「本当にありがとうございます。蝶野さん、天山さん以来の2連続G1連覇を果たしました。3年連続この優勝決定戦に名前を残しました飯伏幸太です」と両国の観客に感謝の意を表した。

 「こういう時代にこんなにたくさん集まってくれて、本当に…本当にありがとうございます。僕は早く前みたいなプロレスの時代が来ることを願っているので、一刻も早くこのG1をIWGPヘビー級のベルトに変えたいと思います」とIWGPヘビー級王座獲りに照準。「そして、いつも言ってますけど、僕は逃げない、負けない、諦めない。そして、裏切らなかった。僕は本当の神になる!」と高らかに宣言した。

 飯伏は例年同様に東京ドームでのIWGPヘビー級王座挑戦権利証を手にするのが確実となったが、バックステージでは早くもG1公式戦で敗れているジェイ・ホワイトから挑戦表明を受けた。飯伏自身も「彼がやりたいなら、いつでもやっていいですよ」と口にしており、まずは権利証争奪戦に身を投じることになりそうだ。

 その先には今日発表になった東京ドーム2連戦が待ち受けている。「このコロナウイルスという時代に東京ドーム2連戦できるというイベントごとはないと思うんですよ。それをプロレスが実現できているんで。人の前でイベントができる。これは最高に嬉しいことなんで。どんどんどんどん僕は発信できる力を得たんで。あとはIWGPヘビー級のベルトを獲るだけ。そうしたらもっと僕が言っていた神に近づけると思います」。飯伏は本当の神になるべく、来年の新春まで走り続ける。

【試合後の飯伏、ジェイ】
※トロフィーと優勝旗を手に、ヨロヨロと会見場にたどり着くと、イスに座って深くため息。机に覆い被さるようにして、しばらく呼吸を整える)

──連覇おめでとうございます

▼飯伏「ありがとうございます」

──改めて、今のお気持ち聞かせてください

▼飯伏「もう一回、いや、何度でも言います。僕は逃げない、負けない、諦めない。そして裏切らない。最後まで諦めなかったから(優勝できました)。いやー、メチャクチャうれしいですよ。でも体はね、ボロボロですよ。ボロボロ。みんなに、ホントに……」

※通路の奥から拍手をしながらジェイ・ホワイトが現れる。ジェイは飯伏の前にまで来る

▼ジェイ「カッコいい優勝旗にトロフィーだなぁ。おめでとう」

▼飯伏「ありがとう」

▼ジェイ「いつも椅子を持ってくるあの女はどこだ? 俺に椅子はないのか?」

※ジェイはイスを探し、会見場の片隅に見つけるとそれを飯伏が座る机の前まで運び、座り込む

▼ジェイ「オーケー。座って話そうじゃないか。おめでとう。お前が『G1 CLIMAX』覇者だ。本当にG1覇者って気分か?」

※飯伏は優勝者のために用意されていたドリンクを一本、ジェイに渡して乾杯

▼ジェイ「カンパイ。でもお前も俺も本当のところはわかってる。お前は真のG1覇者なんかじゃない。何故ならお前は(このG1で)俺に勝っていない」

▼飯伏「俺の勝ちだ」

▼ジェイ「黙れ。俺が話してるんだ。今までもこれからもお前は俺に勝てない。挑戦権利証の入ったブリーフケースが贈呈されるんだろ? でも俺がお前から奪ってやる。今日の所はトロフィーと一緒に楽しめよ」

▼飯伏「いつでもいいよ。いつでも」

▼ジェイ「じゃあな。楽しめ」

※ジェイ立ち去る

▼飯伏「(※報道陣に)落ち着きましょう。今は、うれしい時間だから。邪魔されたくない。これは僕の時間だから。もう一回言います。僕は3年連続、この優勝決定戦に出場。これは史上初だと思います。そして、2年連続優勝。これは蝶野さん、天山さん以来3人目。これは間違いない事実。次、彼(ジェイ)が言ったように、いつでもやっていいよ」

──優勝決定戦は35分12秒、優勝決定戦史上最長記録を樹立したんですが、そのことに関してはどうですか? SANADA選手との対戦ということも踏まえて

▼飯伏「しばらく……去年ぶりですかね、(SANADAと)対戦するのは。僕は去年、言ったと思います。やっぱり彼は“こっち側"だと思います。と、僕は思います。そう思いました。これは改めて言いたいと思います」

──リング上では「この優勝をIWGPにつなげたい」という発言がありました。その思いは?

▼飯伏「『G1 CLIMAX』優勝っていうのは、IWGPへのチャンスを掴むことだと思います。チャンスは得たかなと。(※ドームまでの)期間がいつもより短いので、チャンスはいつも以上にあるんじゃないかなと。ちょっと怖いのは、今まで権利証があったとして、それが挑戦されて奪われた場合、これは分からないですよ。このテンションを、キープしていきたいと思います。東京ドームにつなぎます」

──去年は『G1 CLIMAX』に優勝しましたが、IWGPは獲れませんでした。そこにかける思いというのもありますよね

▼飯伏「それはもちろんです。前回、彼(ジェイ)に負けてるんで。彼と次にやってもいいし、もし権利証があるならやってもいいし、いつでもいいですよ。リベンジしますよ。リベンジした上で、俺がベルトを巻きますよ。あとはやるのみですよ。何も残ってない。これが本心。これが全てです」

──偉大な大先輩、蝶野正洋さんからトロフィーを受け取った気持ちは?

▼飯伏「(※うれしそうに笑顔で)正直、僕が見てた頃の『G1 CLIMAX』の覇者といえば、蝶野さん。不思議ですよね。不思議な感覚になりました。あの蝶野さんから……(※優勝旗とトロフィーに目をやる)あのトロフィーと、旗をもらうっていう。ファンに戻った気持ちですね。非常にうれしいです(※ニッコリ)。ホントに……でも僕はプロレスラーなんで、そこは捨てて、もう一度原点に戻って、プロレスを頑張りたいと思います。来年も再来年もずっとプロレスをやり続けて、また優勝したいと思いますよ。何回でも」

──今日、1・4&5東京ドーム大会が発表されましたが

▼飯伏「このコロナの時代に東京ドームでイベントができるっていう。イベントごとが、たぶんあまりない中、それをプロレスが実現できている、人の前でイベントができる。これは最高にうれしいことなんで。どんどんどんどん、僕は発信できる力を得たんで、あとはIWGPヘビー級を獲るだけ。そしたらもっと僕の言っていた“神"に近づけると思います」

──リング上も今も、「2冠」ではなく「IWGP」という発言がありました。現状、2冠ではなくIWGPということですか?

▼飯伏「そうですね。IWGPも強いし、僕の中ではこの2連覇というのもあり得ないことなので。実現したなという気持ちですね。そう思わないですか? これは夢なんじゃないかって」

──まだ達成してないことというとIWGP?

▼飯伏「そうです。僕はジュニアからやってきて、ジュニアのタイトルも全部獲って、ヘビー級に挑戦して、ヘビー級に転向して、それからここまでたどり着いて。あと残るは、IWGPヘビー級。これだけだと思うんで」

──それを東京ドームで?

▼飯伏「成し遂げたいと思います」

※SANADAはノーコメント