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11/29【新日本】イーグルスと25分超激闘…ヒロム5勝目、石森と首位並走

『WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27』東京・後楽園ホール(2020年11月29日)
「BEST OF THE SUPER Jr.27」公式戦 ○高橋ヒロムvsロビー・イーグルス×

 25分超えの激闘の末にイーグルスを下して、ヒロムがスーパージュニア5勝目。IWGPジュニア王者の石森と並ぶ首位タイを死守した。

 11・18後楽園でデスペラードに左ヒザを破壊され、不安を残しながらも懸命に勝ち星を重ねているヒロムがイーグルスを迎え撃った。2人には因縁がある。ヒロムは昨年12月に首の怪我から復帰したが、初戦のタッグマッチでイーグルスに敗戦。今年2月の後楽園大会で6人タッグマッチながら雪辱を果たしたが、「リベンジ成功…なわけねえよ、ロビー。シングルでやろうぜ」と呼びかけていた。コロナ禍の影響で、イーグルスは来日から遠ざかっていたが、スーパー・ジュニアの舞台で、9ヶ月越しのその言葉が現実のものになった。

 序盤からイーグルスがトペコンヒーロ、ヒロムがエプロンへのパワーボムをそれぞれ繰り出すなどアグレッシブにせめぎ合う。そんな中で、ヒロムが揺さぶりをかけた。キャメルクラッチに捕らえると、イーグルスの出身地・オーストラリア伝統の応援方法を拝借し、「ロビー、ロビ、ーロビー!オイ、オイ、オイ!」と名前を叫びながら後頭部を殴りつけたのだ。

 この挑発にイーグルスが怒った。ヒロムが痛めている左ヒザを狙い撃ち。スワンダイブ式低空ドロップキックや立った状態からのスピニングレッグブリーカーなどを見舞った。450°スプラッシュは剣山で撃墜されてしまったものの、結果的にヒロムのヒザにさらなるダメージを与える。ヒロムが怒とうの大技攻勢に出ても、TIME BOMBは不発。ならばとサンセットフリップパワーボムを仕掛けるも、ヒザのダメージがたたり、自ら倒れ込んでしまう。すかさずイーグルスはエプロンでターボバックパックを繰り出して、大チャンスを掴んだ。

 リングアウト寸前にヒロムは滑り込んだものの、イーグルスの猛攻は止まらない。雪崩式アサイDDTを敢行すると、うつぶせのヒロムに450°スプラッシュを投下した。抵抗するヒロムをローキックで黙らせ、ヒザ攻めの総仕上げとばかりにロン・ミラー・スペシャルに捕獲する。

 決定的な場面だったが、ヒロムは驚異の粘りを発揮。ギブアップ寸前に追い詰められながらも、何とかロープに手を伸ばしてしのぎきる。それでもヒザの状態は思わしくなく、イーグルスのリバースアサイDDTを読んで体を抱え上げたものの、踏ん張りきれずに崩れ落ちた。

 しかし、自らを鼓舞するように絶叫すると、ラリアットを振り抜いて決死の反撃へ。粘るイーグルスも蹴り技を連発したものの、フランケンシュタイナーはヒロムが踏ん張って阻止し、そこからビクトリーロイヤル(急角度コンプリートショット)を繰り出した。すかさずTIME BOMBIIをズバリ。25分を超す激闘に終止符を打った。

 これでスーパージュニア5勝目。首位タイを死守し、ジュニア王者の石森と併走する形となった。勝利したヒロムもしばらく立ち上がれず。寝た状態でマイクを持つと、「ロビー、ロビー、ロビー! オイ、オイ、オイ!」と叫んでイーグルスに敬意を表し、「楽しかった。センキュー、ロビー」と呼びかけた。

 今のヒロムは今日も攻め込まれた左ヒザをはじめ満身創痍だ。「ああ、足が痛い。腕が痛い。前歯も欠けたし、背中だって痛え。精神的にも痛えよ」とマイクでそれを認めたものの、「でもさ、辛ければ辛いほど、痛ければ痛いほど、俺の中からパワーが燃え上がってくるんだよ。それがヒロムちゃんスタイルだ」と断言。「さあ、スーパージュニア優勝まであと4試合。もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、みんなで! 楽しもうぜ!」と雄叫びを上げて後楽園大会を締めくくった。

 「なんて心地いい痛みだ。なあ、プロレスラーはな、プロレスラーって最高だよな」とバックステージでは笑みまで浮かべたヒロム。次戦は12・2大阪でのSHO戦となるが、「大丈夫だ、安心しろよ。最高の、今、ヒロムちゃんは凄い最高潮だ」と万全の状態であることを強調した。

 左ヒザの状況は気になるところだが、首位タイで並んでいる石森には公式戦で勝利しているだけに、最も優勝に近い位置にいるのは間違いない。SHO戦のあとも、田口隆祐(12・5鹿児島)、マスター・ワト(12・6福岡)と簡単には勝てない相手が続くが、終盤戦もスーパージュニアをけん引していくのみだ。

【ヒロムの話】「なんて心地いい痛みだ。なあ、プロレスラーはな、プロレスラーって最高だよな。だって、普通はさ、痛かったら“やだもういきたくない。え、なんで痛いのになんかやらなきゃいけないの、やだやだやだ。痛いんだから明日休む〜。やだやだ行きたくな〜い"。これが普通だろっ! でもさ、プロレスラーは関係ねーんだよ。痛くてもやるんだよ。当たり前のこと言ってるだけだけどな。でも、それが快感だろ! それが気持ちいいんだ! それが気持ちよくてプロレスラーやってんだよ。なあ。痛くて気持ちいいよ。こんなの1日あったら治る。次の相手誰だ? おい、“飯伏幸太の大ファン"だぞ! “飯伏幸太の大ファン"とやるんだぞ。なあ、楽しみで仕方ねーよ。大丈夫だ、安心しろよ。最高の、今、ヒロムちゃんは凄い最高潮だ。このまま、このまま…。もう戻ってもよろしいでしょうか。なにか、ご質問等がなければこのまま戻らせて頂きます。まあとりあえず、今言えるのは“飯伏幸太の大ファン"の選手と戦えることが非常に楽しみなので皆さん、大阪にいる皆さんはぜひ、生で見たらいかがでしょうか。(※笑顔から真顔になり)スゲーものを見せてやるよ! ハッハッハ」

【イーグルスの話】「これであいつは完璧に俺に借りを返したってわけだ。今日がリーグ戦の中で一番長い試合時間だったんじゃないか? 何分だった? まるで30分以上あいつと戦ってたように思える。それくらい始まる前からこの一戦に気合が入ってたし、序盤でエネルギーを全て消耗してしまった。ヒロム、次は60分でどうだ。なんなら90分でもいいぞ。(試合時間は)お前が指定してくれ。あとでビデオで試合を見返してダメだったところを振り返って、次は必ずお前を倒す。でもお前のその足じゃ、最後まで持たないと思うぞ」

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