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12/6【NOAH】杉浦と50分超激闘…潮崎が20周年イヤー通年防衛! 来年武道館で武藤迎撃へ

『NOAH the BEST 〜FINAL CHRONICLE 2020〜』東京・国立代々木競技場第二体育館(2020年12月6日)
GHCヘビー級選手権試合 ○潮崎豪vs杉浦貴×

 旗揚げ20周年イヤー最後の記念大会となった代々木大会でGHCヘビー級王者・潮崎が、50分を超える“ノア本道"の激闘の末に杉浦をねじ伏せ、「I am NOAH」として通年防衛を達成。来年2・12日本武道館大会で武藤敬司を迎撃することが決まった。

 ノア旗揚げ20周年イヤーをけん引してきた潮崎。記念大会最後のビッグマッチで立ちふさがったのが、11年間に渡って幾多の激闘を繰り広げてきた12歳差の“ライバル"杉浦だった。

 テーマ曲とコスチュームを一新して現れた杉浦は、歴戦のダメージが蓄積する潮崎の右腕を容赦なく攻め立てて流れをつかんだ。潮崎も鬼気迫る気迫でしのぎ続け、やはり潮崎が猛烈な逆水平、杉浦が鬼のエルボーを無数に打ち合う壮絶な展開となった。

 20分を過ぎると、攻防はさらに熱を帯びる。杉浦がエプロンサイドの潮崎に“トペ式"スピアーを見舞えば、潮崎も宙吊り式肩固め、反転式の雪崩式ブレーンバスターを繰り出す。負けじと杉浦も床直撃のネックスクリューをぶっ放し、猛烈なマウントエルボー乱打、側頭部への鬼エルボー、予選スラムと畳み掛けたが、肩を上げた潮崎も2発目の予選スラムを阻むように豪腕ラリアットを振り抜いた。

 両者大の字で試合は35分を経過。立ち上がって攻めたのは潮崎だった。トップロープ越えのノータッチトペ、田上明さんを思わせるダイナミックボム、左腕ラリアット。師匠・小橋建太ばりの逆水平を挟んで、三沢光晴さんばりのローリングエルボーもぶち込む。ロープに自ら飛んで、豪腕ラリアットがさく裂するも、杉浦は肩を上げ、場内を重低音ストンピングが包んだ。

 40分を超えたところで、杉浦も強烈に巻き返す。ショートレンジ豪腕に合わせてカウンターのエルボーをぶち込むや、後頭部へのランニングニーやエルボー4連発と猛ラッシュだ。この日2発目の予選スラムでぶん投げ、潮崎もクリア。再び代々木を重低音ストンピングが包むなか、雪崩式予選スラムで仕留めにかかった。

 だが、潮崎は雪崩式リミットブレイクで逆転。ダブルダウンをはさんで立ち上がった両雄は、雄叫びを上げ合いながら突進すると、豪腕ラリアットがクリーンヒット。続けて潮崎はリミットブレイクからのムーンサルトを投下したものの、杉浦も剣山で撃墜だ。逆にフロントネックロックで絞め落としにかかったものの、潮崎もグラウンド状態から強引に抱えあげてのゴーフラッシャーで振り払う。絶叫しながら立ち上がる杉浦に豪腕をねじ込んだが、それでも杉浦は立ち上がり、鬼のエルボーを乱打した。

 限界突破の打撃戦は次第にエスカレート。潮崎がハンマーパンチを連発すれば、杉浦も生拳の左右ナックルで応戦。それでも倒れない潮崎は、こん身の豪腕を連発だ。意地でも倒れない杉浦が“弁慶の立ち往生"状態となったところで、3発目を叩き込み、ついに倒れた挑戦者におおいかぶさった潮崎が3カウントをもぎ取った。

 50分を超える激闘で杉浦をねじ伏せ、潮崎が6度目の防衛に成功。ノア20周年イヤーの最後に、すべてを出し、すべてを受けとめる“ノア本道"を体現したうえで通年防衛に成功した。

 ふらつきながら花道を下がる杉浦を潮崎が座礼で見送ると、入れ替わるようにGHCヘビー挑戦を視野に入れていた武藤が登場。「潮崎、防衛おめでとう。ちょっと年取って、老いぼれてるけど、そんな俺も夢を見ていいだろ? 俺の夢、付き合ってくれ。日本武道館、ベルトに挑戦させてくれよ」と表明し、潮崎も「武藤敬司! いつ何時、誰の挑戦でも受ける。俺がI am NOAHだ!」と真っ向から受けて立ってガッチリと握手を交わした。

 ともあれ、改めて旗揚げ20周年イヤーを、“潮崎イヤー"に染め上げた。清宮海斗からベルトを奪って年初に先頭に立ち、3月の外出自粛要請初日に藤田和之と無観客で対峙して、巌流島さながらに闘魂を打ち破った。6月の三沢さんの命日翌日には、“あの試合"をともに闘った齋藤彰俊と覚悟の熱闘を捧げた。夏にはノア旗揚げ20周年記念日に現方舟の象徴的存在・丸藤正道を退け、ナショナル王者・拳王とのW王座戦では、真夏のラスト横浜文体で60分フルタイムを展開。秋のN-1にも出場して桜庭和志や望月成晃戦も実現させ、11月の横浜武道館ではN-1覇者・中嶋勝彦との遺恨戦を40分超えとなる死闘の末に制した。そして最後に“ライバル"杉浦を50分を超える真っ向勝負の末にねじ伏せて、王者のまま2020年を走り抜けた。

 「この12月6日、とても俺にとって意味のある戦いができました。杉浦貴、ありがとうございました!」。そう改めてマイクで感謝した潮崎は、「皆さんにとって、このノア、もっともっと可能性のある団体に思えるでしょう!? 皆さん一人ひとりのおかげで、もっともっとノアはさらに加速していって、プロレス界、ノア色に染めます!」と宣言。「このリングで俺は最後まで戦っていきます。I am NOAH! We are NOAH!」と叫んで、16年ぶり開催となった代々木大会を締め、激闘の後でも“王者の仕事"をまっとうした。

 次はノア10年ぶりの“聖地帰還"となる2・12日本武道館大会。58歳の天才・武藤敬司を迎え撃つ。「武藤敬司との戦い、夢があるでしょ? ノアが武道館に帰ってくる。そのリングで武藤敬司とやること。そんなに夢があることないでしょ? 必ずGHCヘビー級のタイトルの戦いをして、俺が勝ちます」。ノア旗揚げ20周年イヤーを潮崎カラーに染め上げた王者が、2021年はプロレス界を“ノア色”に染め上げてみせる。

【試合後の潮崎】
――50分を超す激闘となったが、改めて試合を振り返ると?

▼潮崎「50分? 時間は俺にとって関係ないね。50分もやってたとか、途中の経過時間も気にならなかった。50分やろうが、60分やろうが、30分やろうが、杉浦貴と俺の戦いに時間は関係ない。熱いものを受け取り、熱いものを返す。杉浦貴との戦いにはそれだけお互いの気持ちが詰まっている。運命の戦いだね」

――最後は豪腕ラリアット3連発だったが、杉浦選手が受け止めてきた時はどんな思いになった?

▼潮崎「あれだけやってきて、あそこで倒れない。それは倒れるまでぶち込むしかないでしょ? どちらが倒れるまで。今までずっとやってきた戦いがそれだよ。最後に集約されてたと思ってます」

――試合後に武藤敬司選手が登場して挑戦表明したが、それについては?

▼潮崎「武藤敬司の『GHCだけを巻いてない』というその発言、それに付き合う気はまったくない。でも、武藤敬司との戦い、夢があるでしょ? 夢があるよ。ノアのリングで、このベルトを懸けて、その夢をみんなに届けます」

――しかも舞台は日本武道館となる

▼潮崎「その武道館に相応しい戦いが、武道館で行われる。待ち遠しいね、武道館。ノアの武道館に帰ってくる。そのリングで武藤敬司とやること。そんなに夢があることないでしょ? 必ずGHCヘビー級のタイトルの戦いをして、俺が勝ちます」

――武藤選手は試合時間の長いスタイルに付き合わないと話していたが?

▼潮崎「誰も付き合いたくないよ。誰も長い時間したくないよ。それは30分だろうが、10分だろうが、20分だろうが、40分だろうが、長さなんて関係ない。ただ、お互いの気持ちがそうさせるだけ。付き合わないなら付き合わない。その気持ちに俺が付き合ってあげましょうか。ただ、武藤敬司を舐めてる、軽く見てる、歳だから(なんてことはない)。何歳になろうが、武藤敬司は武藤敬司。その武藤敬司をこのGHCヘビー級、“I am NOAH"潮崎豪が味わって、このベルトを防衛します。それがI am NOAHだ」

※杉浦はノーコメント

【武藤の話】
▼武藤「まあ、今の今だから、率直嬉しいですよ。タイトルマッチが決まって」

――日本武道館という舞台については?

▼武藤「いいじゃないですか。俺自身も武道館では数々の記憶に残る試合をやってますんでね。いい場所ですよ。前も言ったように、TPOがなんとなく整ったかなあなんて俺も思ってたんでね。だから、挑戦に名乗りをしに行ったわけであって。いいですね。なんか生きてるっていう感じがしますよ、俺自身が」

――今日の潮崎選手の試合を見てどうだった?

▼武藤「うーん、ある意味、こういうロングランの長時間で試合するっていうのは、昔からのノアスタイルというか、もしかしたら、四天王の時からのこういうスタイル、そういうバイブルだけど、俺のバイブルはまた違うからさ。俺のプロレス脳っていうか。そういう部分で言ったら、もしかしたらこういうスタイルには付き合わないんで」

――武藤選手なりの作戦があると?

▼武藤「そうですね。まあまあ、俺は俺のゴーイング・マイ・ウェイでいくわけであって。あんまりこのスタイルに引きずり込まれたくないですね」

――潮崎選手が「いつ何時誰の挑戦でも受ける」という言葉を口にしたが、それを聞いてどう思った?

▼武藤「だったら、1年ぐらいの若手のそういうのも受けるのかよって。俺なんか数々…インリンともやったことあるし。そういうのも受けるか? あんまりそういうことを口にしないほうが、もしかしたらね。もし俺が負けたら、誰か違うヤツを連れてきて、チャレンジャーにって言ってやろうかな? 誰でも挑戦を受けるという部分はちょっと違って。俺がチャレンジャー筆頭だと思っているからね、自分で。ランキング1位だと思ってるからね、自分自身が。老いてもね。いいですか? じゃあ、日本武道館よろしくお願いします」

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