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1/2【大日本】中之上がストロング王座初戴冠 11周年記念日に岡林超えでシングル初ベルト

『2021年新春』東京・後楽園ホール(2021年1月2日)
BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合 ○中之上靖文vs岡林裕二×

 中之上が岡林超えでストロング王座初戴冠。デビュー11周年記念日にレスラー人生初となるシングルベルトを手にした。

 大日本にとって2021年最初のタイトルマッチはストロング王座戦。第17代王者・岡林の3度目の防衛戦で、中之上が挑んだ。昨年7・24後楽園大会で大地に敗れて以来、5ヵ月ぶり6度目の挑戦となる中之上だが、前哨戦では12・30後楽園、年越しプロレス12・31後楽園と2日連続で直接黒星を喫していた。

 まずは腕の取り合いによるオーソドックスな展開で幕開け。岡林が万力のようなヘッドロックで絞め上げ、ショルダータックルでなぎ倒せば、中之上はボディエルボーをこれでもかと連打してやり返す。さらに場外ボディスラム、エプロンから場外へのフットスタンプと腹部攻めを続け、岡林の反撃もボディエルボーで阻んだ。

 苦もんの表情をみせた岡林だったが、腰攻めに活路を求める。ショルダースルーで投げ飛ばして反撃を開始し、ハンマーパンチ、逆水平連打と重たい打撃を連発。ボディスラムを連発してからの逆エビ固めで徹底攻撃していく。コーナーに追い込んで逆水平の雨を降らせ、中之上の胸板を真っ赤に染めた。中之上がミサイルキック、串刺しラリアット、リバーススプラッシュで反撃し、スリーパーで絞め上げたが、逃れた岡林はブレーンバスターで引っこ抜いて逆転。アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げた。

 岡林はアバランシュホールドをリバースDDTで切り返され、ローリングエルボーもくらってしまうが、中之上がコーナーに上がったところを奇襲。雪崩式滞空ブレーンバスターを決めた。中之上のエルボーには逆水平をお返し。反撃をかいくぐって、ロープを往復すると、こん身のラリアットがクリーンヒット。垂直落下式ブレーンバスターもさく裂した。

 それでも中之上はフォールをキックアウト。パワーボム狙いをリバースすると、投げ捨てジャーマンを連発して決死の反撃へ。岡林も引かず、ヒザ立ちで真っ向からエルボー合戦を繰り広げると、互いにラリアットを狙うスリリングな展開に。岡林は奇策の浴びせ蹴りからアクセル全開。強烈なラリアットを放つと、試合を決するべくパワーボムへ。これはフランケンシュタイナーで切り返されたものの、ラリアットの相打ちを挟んでパワースラムを決めた。

 しかし、沈まない中之上もカウンターのラリアットで応戦。場内が大きな手拍子に包まれる。岡林もラリアットでやり返そうとするが、中之上もラリアットを狙って突っ込み、相打ちとなりながらも執念で押し倒す。すかさず中之上は得意のダイビングエルボードロップを投下。岡林はカウント1でキックアウトしてどよめきを誘ったものの、中之上はもう一発落として追い討ち。そして、最後は師匠・武藤敬司ばりにシュミット流バックブリーカーから秘密兵器のムーンサルトプレスを落とし、岡林を仕留めた。

 中之上が6度目の正直でついにストロングヘビー初戴冠。しかもデビュー11周年記念日にレスラー人生初のシングルベルトを獲得した。万感の表情でマイクを持った中之上は「今日でプロレスデビューして11周年です。11年やってて初めてシングルのベルトを獲ることができました」と喜びを爆発させると、「大日本に来て、ずっと関本、岡林、この2人に勝ちたくてやってきました。岡林さん、ありがとうございました」と感謝した。

 岡林は地声で「ええか。このあとはきついぞ。その気持ちでやれよ」と激励。下がっていく岡林を見つめた中之上は「自分はあんまりマイクでしゃべるのが得意じゃないので、一言だけ。1度きりの人生、1回きりプロレス人生、このベルトとともに最高にしていきます。このベルトを持って、大日本プロレスを引っ張っていきます」と決意をあらわに。そんな新王者に拍手が集まると、浜と羆嵐が両手を掲げて祝福した。

 苦労人が11年の歳月を経て、ようやくシングルの勲章を手にした。「自分でも信じられない。まさか自分がベルトを獲るなんて、11年前はホントに思い浮かばなかったし。ホント信じられないですね」と実感がわかない様子だったが、岡林に勝って巻いたベルト。価値を高めていけるかどうかは中之上次第。「やっぱり関本、岡林。大日本、プロレス界のツートップじゃないですか。常に超えたい、超えたいと思ってたんで、めっちゃくちゃうれしい」と喜びを口にする一方で、「やっぱり大日本プロレスは関本、岡林。99.99%の人がそのイメージだろうから、それ崩すっていうのはなかなか難しいけど、俺がこのベルトを持って大日本プロレスをプロレス界に示していきたい」と気を引き締めつつ誓ってみせた。

 中之上の初戴冠によってストロングBJ戦線は新局面を迎える。

【試合後の中之上】
▼中之上「信じられないです、自分で。ホントに今日たまたま…11年前かな。この後楽園でデビューさせてもらって、ホントたまたまですね。11年かかったですけど、団体やめたり、分裂したり、いろいろあったけど、続けられて…大日本プロレスさんに続けることができる環境を作ってもらって。そのおかげでプロレスできて、本当に感謝しかないですね。自分でも信じられない。まさか自分がベルトを獲るなんて、11年前はホントに思い浮かばなかったし。ホント信じられないですね」

――岡林選手に勝って獲ったベルトというのは価値があるのでは?

▼中之上「めちゃめちゃうれしいですね。やっぱり関本、岡林。大日本、プロレス界のツートップじゃないですか。常に超えたい、超えたいと思ってたんで、めっちゃくちゃうれしいですね」

――フィニッシュはムーンサルトだったが?

▼中之上「たぶん、岡林さんなら返されるだろうとか…去年の夏、大地に負けて何が足りない?…足りないものを考えてて、フィニッシュもう1個新しいのをほしいなと思って、それがムーンサルトですね。俺の憧れでもあるし、あれで決まれば勝てるっていう技ですし。ホントよかったです」

――師匠・武藤敬司を意識した部分があった?

▼中之上「やっぱりね、憧れが武藤さんですし、ずっと……(涙ぐみながら)うれしいですね、これで獲れたっていうのは」

――ストロングBJの先頭に立って引っ張っていくことになるが?

▼中之上「やっぱり大日本プロレスは関本、岡林。99.99%の人がそのイメージだろうから、それ崩すっていうのはなかなか難しいけど、俺がこのベルトを持って大日本プロレスをプロレス界に示していきたいですね」


【岡林の話】「あぁ、悔しい。ホントに悔しい。悔しいけど、何か変な気分やね。すがすがしいというか。中之上、ホントこれから厳しいぞ。わかっとるか? 俺は橋本大地、関本大介に勝って防衛してきた。その俺を倒してお前はチャンピオンになった。けど、防衛し続けるってことがどんだけ厳しい道のりか、これから体験すると思う。でも、絶対折れたらあかん。気持ちが折れたら絶対負ける。そこで終了。このまま折れずにいってほしい。折れなければ必ず防衛し続けられる。ホントに今日はいっつも言ってますけど、気持ちで負けました。あいつが強かった。でも俺はこのままじゃ終わらんぞ。このままじゃ絶対終わらん。必ず巻き返して、あのベルトのところにいくからな。みとけよ。終わらんぞ、まだまだ。俺も鍛え直してまたいきますんで、応援よろしくお願いします。ピッサリ!」

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