プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

1/21【NOAH】「僕らには“帰還"ではなく“始まり"の武道館」 稲村愛輝インタビュー

 2・12日本武道館大会で清宮海斗と組んで丸藤正道&秋山準組との対決が決まったノア新世代の稲村愛輝。

 恵まれた巨体で強烈な突進力とタフさを誇り、飛び技もこなして、必殺技に力皇猛から受け継いだ無双も得た。動物を愛する知性派な一面も持つ。キャリア2年半ながら熱闘を連発し、ノア新世代で清宮海斗を猛追する存在となったが、何より足りないのは“結果"だ。

 武道館大会でもビッグカードでチャンス到来。ノアとしては約10年ぶりの聖地“帰還"となるが、稲村はあらゆる意味で「始まりの場所」とするつもりでいる――。


【稲村愛輝インタビュー】

――武道館出場と「稲村&清宮vs丸藤&秋山」というカードが決まった

▼稲村「うれしいですね。まずは何より“うれしい"です」

――このカードに対する思いは?

▼稲村「“時代"とか“世代"がテーマになるカードだと思ってます。ノア一筋で20年以上やってる丸藤さん、そしてノア旗揚げメンバーでノアで時代を築いた秋山さん。そのタッグに生え抜きの僕と清宮さんが挑む…っていうのは、カードを見ただけでお客さんにも意味が汲み取ってもらえると思う。僕も一瞬で“世代"とか“時代"という意味を感じました」

――そのテーマのもとで自身はどう闘いたい?

▼稲村「この4人のなかで僕が一番キャリアが下で、ノア歴も一番浅い。言ってしまえば4人のなかで一番“ノアを知らない"存在なのかもしれない。ですけど、ノアでプロレスラーになりたくて、ノアに入門してデビューしましたから、一番下からノアを押し上げていくという意味では、自分が一番、精一杯闘って結果を出さないと意味がないと思ってます。清宮さんは今のノアを象徴する一人になられてますが、自分はまだまだ及んでいないので。“ノアに稲村愛輝あり"というのを、観ていただくお客さんにも見せたいですし、対戦する相手二人にも認めさせたいですね」

――丸藤とは何度も当たっているが…

▼稲村「そうですね。でも他の先輩と比べたら意外にも当たる機会は少なくて。シングルは1回だけですし。6人タッグや8人タッグで当たる時も、そんなに触れ合う機会もなくて。(丸藤の)すべてはまだ体感しきってないと思っています」

――一方で秋山とは完全に初対決となる

▼稲村「そうですね。デビューしてすぐくらいの頃、チャンピオン・カーニバルに出た丸藤さんのセコンドとしてあいさつしたくらいで、ほぼ面識すら無いと言って良いと思います。“テレビで観ていた人"と同じ程度だと思ってます」

――その中でどんな印象を?

▼稲村「中高生の頃に見ていた印象としては、強さと怖さ。それはすごく感じますね。“強さ"というのは、人それぞれに持ってると思うんですよ。フィジカルの強さだったり、技の強さだったり、気持ちの強さだったり。でも、そういうのじゃない…“人間としての強さ"みたいなものを感じますよね。プロレスを通して。人間として強い芯みたいなものを感じます、試合を通して」

――杉浦に近い?

▼稲村「うーん…それともまた違いますね。僕の“知らない強さ"だと思います」

――舞台となる武道館はノアとして10年ぶりの帰還となる、

▼稲村「正直、僕には“戻る"という感覚はないですね。ここから始まっていく…という感覚。このカードだからこそ、よりそれは感じます。“武道館を知らない二人"と“武道館・ノアを知り尽くす二人"が闘うワケですから」

――やはり稲村選手がどれだけ燃えるかがカギになる…と思っている方も多い気がする

▼稲村「はい、それは自分自身が一番思っていて。正直、武道館が発表されて“10年ぶり"と言われても、もちろん観に行ったことはありますけど、試合はおろかリングに立って客席を見渡したこともないですし、正直今ひとつ“実感"が沸いてなかったんです。でもこのカードが組まれたことによって、一気に武道館というものを意識するようになった…というか『ここで一つデカいことをやってやる!』って気持ちになりました」

――やはり“今のノア"を見せるためにも4人の中で一番印象を…

▼稲村「そこはもちろん! ただ『自分が印象を残す』こと以上に『ノアの“僕ら世代"で!』って気持ちのほうが強いですね。清宮さんと組む以上は。隣がもっとキャリアのある方だったら、(パートナー関係なく)『自分が目立ってやろう!』ってなると思うのですが、今回は隣が清宮さんですから。武道館ということでノアファン以外のファンの方々の目に触れる機会も段違いに多いと思いますし、『ノアの若い世代には、こんなに凄いヤツらがいるんだ…』ってことを知らしめたい、って思いのほうが強いですね」

――今のノア、そしてこれからのノアの可能性をありったけプレゼンする機会でもあるというか…

▼稲村「そうですね。当然、丸藤さんと秋山さんの凄さを知ってる人はたくさんいる。一方で清宮さんというよりは、僕を初めて観るって人が一番多いと思うんで。さっきは『自分が目立つよりは…』と言いましたけど、『ノアのあの世代は清宮海斗だけじゃなくて、稲村愛輝もいるんだ』って一人でも多くの人に思ってもらえれば…という思いも、もちろんあります」

――昨年末GHCタッグに挑戦して敗れているが、清宮とのタッグチーム、まだまだ伸びていける手応えをつかめた?

▼稲村「それは、かなりありますね。リング上の動きももちろんなんですけど、技とか動きだけじゃなくて、気持ちの面のつながりもより強化していければ、どんどん伸びていくと思います」

――先につなげるためにも結果を残すことが重要になりそう?

▼稲村「はい。『負けたけど印象は残した』だと、試合の直後は良いかもしれないんですけど、後々この試合が話に出た時に、まず『負けた』ことに目が行って印象というのはどうしても薄くなっちゃうと思うので。もちろん勝たないといけない。気持ちとしては秋山準から無双で取れれば一番良いんですけど、『俺がピン取ってやる!』って気持ちよりは『清宮さんと二人で勝ちたい』って気持ちのほうが強いですね。昨年末の名古屋のタイトルマッチでも、僕の気持ちが先走って、最後に一人で闘いすぎてしまったことも敗因だったと思うので」

――結果を残すことこそが最大の印象だと?

▼稲村「そうですね。ただの“記念試合"にしちゃダメですよね。『稲村はあの試合で勝ったところから始まったんだよね』って振り返った時に思えるような、確実なターニングポイントにしたいですね」

――その先に描く“稲村愛輝"というレスラー像とは?

▼稲村「レスラーだけじゃなくて“生き物"として強い存在になりたいですね。象とかサイを見た時って、一瞬で圧倒されるというか『これは凄いな…』って本能的な部分で感じるものがあるじゃないですか。ただ、相手が人間だとなかなかそこまで感じることはないというか」

――でも杉浦貴を見るとたまに逃げたくなる…

▼稲村「そうですよね。杉浦さんとか、藤田さんとか“生き物として強い"って感じさせる部分は、単なる体つきだけじゃなくて、いろんなところからにじみ出てくるものだと思うので。スピリチュアル的な意味ではないですけど、そういう“オーラ"って必ずあると思いますし、やっぱり武道館って広い会場なので、単純に2階席の一番上の席からでも『あいつデカいな…』って思われるようにしたいですね。ゆくゆくは入場からそれを感じてもらえるようなレスラーになりたい。そして改めて(必殺技の)“無双"に恥じない唯一無二の存在に。そういう意味でも、武道館を“始まり"にしたいですね」

プロ格 情報局