プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

3/21【NOAH】壮絶KOで拳王陥落…藤田がナショナル新王者 まさかの杉浦表明で同門対決へ

『NOAH THE INFINITY 2021』東京・後楽園ホール(2021年3月21日)
GHCナショナル選手権試合 ○藤田和之vs拳王×

 拳王陥落――。“野獣"藤田が壮絶な打撃戦の末にGHCナショナル王座奪取に成功。同じ杉浦軍の杉浦貴がまさかの名乗りを上げ、初防衛戦での同門対決が決定的となった。

 赤き王者として定着していた拳王に、7度目の防衛戦で最強の挑戦者が襲いかかった。

 藤田はセコンドに杉浦、桜庭和志、村上和成、ケンドー・カシン、中村大介、NOSAWA論外を従えて登場。金剛フルメンバーを引き連れて登場した拳王が、恒例の“集合ポーズ"をキメたところで視界をふさぐように仁王立ちし、試合前から不穏な香りがプンプン漂った。

 コング直後から顔面蹴りが空を切るスリリングな展開。ひとたび距離を取ってにらみ合うや、約1年前の「潮崎vs藤田」を思わせる視殺戦へと突入。緊張感ある視線での“攻防"約7分半も続いた。

 ひとたび動けば“真剣"の斬り合いのような攻防に発展。拳王が強烈なローキックをぶち込めば、藤田もレスリング仕込みの高速タックルでグラウンドに引きずり込み、スリーパーに持ち込んで絞め上げる。早くもフラフラの拳王を強烈なエルボー連打でメッタ打ちに。負けじと拳王もコーナーに追い詰めて、右ミドルを猛連打したが藤田は「来いよ!」「うぜえんだよ、もっと速くしろよ!」と怒声を響かせた。

 意地の拳王も、徹底的に蹴って蹴って蹴りまくって藤田を執念でなぎ倒すと、串刺しダブルニー、ダイビングダブルニードロップも投下したものの、藤田はカウンターの強烈ラリアットで譲らない。

 たまらず拳王が場外に転落すると、杉浦軍と金剛のセコンドが小競り合いを繰り広げて騒然さは増幅だ。杉浦軍が強引に拳王をリングに押し入れると、再び戦いは打撃戦へ。藤田のエルボーと拳王の右ミドルが幾度となく交錯し、拳王が速射砲のような掌底で優勢に立つが、藤田も強烈なビンタで応戦した。連打を浴びても弁慶の立ち往生状態でダウンを拒否した拳王だったが、野獣がこん身の一撃でねじ伏せる。

 前のめりに崩れ落ちた拳王だったが、パワーボムは意地のリバース。逆に蹴暴から藤田顔負けの顔面蹴りで勝機をたぐり寄せる。さらにはうつぶせに倒れる藤田にPFSを投下すると、今度は正調PFSで仕留めにかかった。

 だが、寸前で回避した藤田は逆にスピアー一閃。今度こその猛烈なパワーボムでマットに叩きつけるや、あえてフォールはせず、うつぶせになった拳王の顔面を躊躇無く豪快に蹴り上げた。一発目は空を切ったが、2発目はエゲつない破裂音とともにクリーンヒット。ピクリとも動かない拳王をヒザで踏みつけながら悠然と3カウントを聞いた。

 最後は圧巻の強さを際立たせて、“最強"を目指し続けた赤い王者を真っ向から粉砕。カシンとともに拳王を踏みつけて赤いベルトを手にした藤田に試合後、意外な男が声をかけた。

 同じ杉浦軍の杉浦だ。「いやあ、藤田和之おめでとう。ノアのベルトを藤田和之が巻いた。愉快だよねえ。ただ、俺は強い藤田和之と戦いたい。せっかくだから、そのGHCのベルトを懸けて、藤田和之と戦いたい、俺は」とまさかまさかの挑戦表明。藤田も杉浦と握手を交わして承諾し、初防衛戦での同門対決が決定的となった。

 藤田と杉浦は同じ1970年生まれ。ともに元レスリング全日本選手権王者(杉浦はグレコ82Kg、藤田はフリースタイル90Kg、100Kg)という共通項を持つ。プロレス界では別々の道を歩んできたが、数奇にも50歳を目前にノアで合体。同じユニットで活動してきたものの、ついに一騎打ちで相まみえる機会が訪れた。

 試合後の藤田は「杉浦? 基本はいつ何時(誰の挑戦でも受ける)だから。何の問題もない。やりたいと言えばいつでもやるし。遺恨があってもなくても、俺と手を合わせたいって言うんであれば、誰とでも相手するから。そこは変わらない」と強調。

 一方で拳王については「あいつは男。男だよ」と認め、「どこの団体だって、どんなに高い山でも低い山でも、テッペンはテッペンだから。俺はリスペクトしているし、テッペンはテッペンだから。プライドを持って、このベルトを持っているよ。持ち続けるよ」と新ナショナル王者として所信表明した。GHCタイトル初戴冠を果たして赤い王者となった野獣が、まずは盟友との手合わせで刺激的一歩を踏み出す。

【試合後の藤田】
▼藤田「コメント、特にない。特にない」

――拳王選手とシングルで戦ってみた感想は?

▼藤田「いや、1つだけ。男よ。あいつは男。男だよ」

――試合後に杉浦選手から挑戦表明があったが?

▼藤田「ああ、杉浦? 全然。いや、基本はいつ何時(誰の挑戦でも受ける)だから。何の問題もない。やりたいと言えばいつでもやるし。遺恨があってもなくても、俺と手を合わせたいって言うんであれば、誰とでも相手するから。そこは変わらない。昔から変わらない」

――ノアのベルトを巻いたことに関しては?

▼藤田「いや、ベルトはベルト。どこの団体だって、どんなに高い山でも低い山でも、テッペンはテッペンだから。俺はリスペクトしているし、テッペンはテッペンだから。プライドを持って、このベルトを持っているよ。持ち続けるよ」

※拳王はノーコメント

プロ格 情報局