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6/13【RIZIN】朝倉未来が衝撃の失神一本負け MMA18年ぶりドームメインでコイケ激勝

『Yogibo presents RIZIN.28』東京ドーム(2021年6月13日)
○クレベル・コイケvs朝倉未来×

 18年ぶりとなったMMAでの東京ドーム大会のメインで朝倉未来が失神負け。コイケの三角絞めで絞め落とされる衝撃的結末となった。

 東京ドームでは約18年ぶりの総合格闘技イベントとなった今大会。メインには初参戦となった2018年8月から現在までに9戦8勝とハイペースに試合を行い、RIZINをけん引してきた未来が立った。緊急事態宣言下で行われた大舞台のリングで戦うのは寝業師・クレベル。33戦27勝のうち、25試合で一本勝ち、KOを奪っている猛者だったが、試合はまさかの展開になった。

 1Rは未来ペースだった。打撃を武器にアグレッシブに前に出ていく。コイケが飛びついてグラウンドに引きずり込んできても、関節技にはつなげさせず。逃れた未来は右フックでコイケをぐらつかせてチャンスを掴んだ。あえて深追いはせずに、ミドルキックやローキックで着実にダメージを与えていく。またもコイケにグラウンドに引き込まれたものの、パウンドを落としてから体を抜いた未来は、ボディフックを叩き込むと、ラウンド終盤でも激しく打ち合った。

 しかし、2Rになると、流れは急転。コイケのローキックが効果を見せ始め、未来は下がってしまう。見逃さないコイケはコーナーに追い詰めるとヒジを唸らせ、飛びついてグラウンドに持ち込んだ。そして、三角絞めに捕獲。完全に絞め落として未来を仕留めた。

 東京ドームのメインは衝撃的な結末に。RIZINライト級王者になったホベルト・サトシ・ソウザと合わせて、静岡県に本拠地を置くボンサイ柔術の名を轟かせた。「ミナサン、キョウドウデスカ? ワタシ、ホントウニウレシイ。メインイベントデ、キョウ、ドリーム。スゴイウレシイ」と日本語で喜びを爆発させたコイケは、チームメイトや家族へ感謝の言葉を重ねた。

 一方、未来はうなだれるばかりだった。試合後のコメントでは「今後は一度考えます。引退も含めてちょっと考えて。まあ、考えてみてって感じですね」と引退という言葉まで口に。「ここで負けた時に、格闘技を今後やっていく意味があるのかとかっていうのが自分の中であるので。自分の幻想を打ち砕かれたというか。自分にとっての自分が。ああ、ここまでだったんだなって、今はちょっと落胆している感じですね。自分自身に」と吐露。「トップを目指せないんだったら、やる意味がないのかなとも思ったりしますし、まだこの日本の格闘技を盛り上げる役目があるとしたら、まだ続けるかもしれないですけど、それはちょっと周りの声を聞いて判断しようかなって感じですね」と揺れる心境をあらわにした。

 榊原信行代表は大会総括において、未来の発言に早くも反応。「逃がしはしないというか、こんなところで辞めさせる気はまったくないんで。猛然と朝倉未来復帰戦に向けての交渉を。今日いきなりというわけにはいかないんで、ちょっとクールダウンして、体もオーバーホールしたタイミングで、未来には熱烈なラブコールを送りたいと思うし、僕は辞めることがないと信じてますし、辞められないということも思ってます」と明言し、「真っ向勝負を挑んだ未来の姿に胸を打たれた多くのファンたちが、今日の残念な思いを持って帰る。未来がドームなのか、違う会場なのかはわからないけども、ファンの溜飲を下げてあげる。そんな戦いにまた彼が挑んでいく。そんな姿を見たいなあ、その姿をRIZINの舞台で作り出したいなあと強く思ってます」と前向きに語った。

【試合後の未来】
――試合後の率直な感想は?

▼未来「まあ、悔しいですけど、今回試合をやってよかったなというのはありますね」

――対戦を終えて、相手の印象は違った?

▼未来「まあ、結果的に強かったなと思います」

――今回、東京ドームでの試合だったが?

▼未来「この歴史的な東京ドームの大会で、メインで試合できたことは、今後、自分の宝になるんじゃないかなと思います」

――今後の展望は?

▼未来「今後は一度考えます。引退も含めてちょっと考えて。まあ、考えてみてって感じですね」

――今日の試合ではパンチを当ててチャンスを迎えた。ラッシュでKOできそうな雰囲気もあったが?

▼未来「まだ目が死んでなかったんで、行き過ぎると危ないかなっていうか。クレベル選手の強さ、寝ても大丈夫な強さと、こっちが迂闊に入れない。それもまた1つ強さだと思うんですけど。効いてたのはわかってたんですけど、完全に戦意喪失してなかったんで、あんまり行き過ぎると危ないなという風に思ってました」

――最初の三角への引き込みは、しっかりと離れることができたが、最後は引き離しようがなかった?

▼未来「最後のところは逆にコーナーに押しつけてたんで、あそこから入らないと思ってたんですけど、入ってきましたね。すごい体が柔らかくて。あんまり覚えてないんですけど、そこは。ちょっと油断しましたね」

――途中までかなり我慢していたが、タップするという選択はなかった?

▼未来「タップするという選択はなかったですね」

――先ほど「引退も含めて考える」と話していたが、それはこの試合を経たうえで、心境にどういう変化があった?

▼未来「まあ、格闘技を始めて、結構な月日が経って。10年ぐらい経ったんですかね? まあ、『OUTSIDER』から始めて、この大舞台に立てたんですけど、どうなんですかね。ここで負けた時に、格闘技を今後やっていく意味があるのかとかっていうのが自分の中であるので。自分の幻想を打ち砕かれたというか。自分にとっての自分が。ああ、ここまでだったんだなって、今はちょっと落胆している感じですね。自分自身に。なんで、トップを目指せないんだったら、やる意味がないのかなとも思ったりしますし、まだこの日本の格闘技を盛り上げる役目があるとしたら、まだ続けるかもしれないですけど、それはちょっと周りの声を聞いて判断しようかなって感じですね」

――今回の試合に向けた取り組みで、自分の中で強くなっているという手応えもあったのでは?

▼未来「どうなんですかね? 強くなっているという実感はありましたけど、まだ1ヵ月なんで。ちょっとわからないですね」

――右まぶたの腫れが気になるが、それはどういった状況で?

▼未来「ヒジですね」

――コーナーに押しつけられた時に。腫れの状況や痛みは?

▼未来「痛みとか、打撃で効いたとかはなかったんですけど、テイクダウンディフェンスをしなければいけないっていう頭があって、あの打撃を許してしまった感じなんで。それもクレベル選手の強さなんですけどね」

――思ったよりも強かった? 意外とできた?

▼未来「組み力は正直、あんまり思ったよりなかったですね。なんですけど、すごい上手かったんで。組み力はそんなにないから安心しちゃうんですよね。そこはありました。打撃がやっぱり目がよくて、結構気持ちも強いし、勝ってる意味を理解しました」

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