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7/9【DRAGONGATE】吉野が万感のラスト後楽園で奮闘 「最後までプロレスを楽しみたい」

『HOPEFUL GATE 2021』東京・後楽園ホール(2021年7月9日)
SPEED STAR FINAL COUNTDOWN in TOKYO ○Kzy&横須賀ススム&堀口元気vs吉野正人&土井成樹&しゃちほこBOY×

 引退が近づく吉野がキャリア最後の聖地・後楽園ホール大会で奮闘。仲間たちからのメッセージを聞いて、万感の表情を見せると、「最後までプロレスを楽しみたい」と決意をあらわにした。

 8・1神戸ワールド大会で引退を控える吉野が“聖地"でのラストマッチに臨んだ。吉野にとって後楽園ホールは2001年11月のT2P逆上陸興行はもちろんのこと、数々のタイトルマッチを行ってきた思い出深い会場。盟友・土井、同期・しゃちほこと組んで、NATURAL VIBESのKzy&ススム&堀口と対戦した。

 感慨深げに登場した吉野は三番手でリングイン。次期ドリームゲート挑戦者のKzyと対峙する。あいさつ代わりにスピード感溢れるコルバタを決めた。相手チームの反撃にあうと、キャリア最後となる可能性が高い堀口得意のゴムパッチンに被弾。たまらず場外に転落し、「痛い…」と大の字になった。

 土井やしゃちほことの連係はスムーズで、特に土井とは合体フェイスクラッシャーやパワーボム&スワンダイブ式スリングブレイドなど惜しげもなく連係攻撃を決めて、東京のファンを喜ばせた。試合数が少ないため、万全のコンディションとは言えず、試合中には苦しそうな表情も垣間見せたが、Kzy相手に奮闘。得意のトルベジーノからソル・ナシエンテに捕獲する必勝パターンであわやの場面も作り出した。

 ススムのジャンボの勝ち!を食らってしまうと、一転してピンチを迎えるが、土井が身を挺して2発目を阻止する。しゃちほこも同期に勝利をプレゼントしようと気を吐き、変型ヨシタニックであと一歩のところまでKzyを追い詰めたが、最後はダブルアーム式DDT、側頭部へのスライディングエルボー、ランニングエルボースマッシュと怒とうのラッシュを受けてごう沈した。

 勝利はできなかった吉野だが、最後の後楽園ホールでの試合を終え、感極まった表情を見せた。そんな吉野に対戦相手のNATURAL VIBES勢がメッセージを送った。

 プライベートでの付き合いもある堀口は「お前が最後、首がしんどそうで、それも間近で見てたし、お前の大好きな野球もできない、ゴルフもできない、そんなのもわかってたから、プライベートでよく遊ぶ俺としてはなかなかきつかったわ」と吐露し、「今日がお前とリング上でやるのは最後だと思うけど、また引退してから、体の調子がよくなったら、まあ、野球はできなくても、またゴルフを一緒に回ろうな。21年間どうもありがとう」と労をねぎらった。

 長年激闘を繰り広げてきたススムは「どちらかというと、吉野には悔しい思いたくさんさせられてきたけど、でも、その吉野と戦ってきた1つ1つが今の俺にとっては大事な思い出だし、これから先、それは変わることないと思います」と重ねてきた戦いに思いを馳せ、「堀口さんとか俺とか、先にいた人間はもうちょっと頑張るから、もうちょっと見守ってください」と呼びかけた。

 後輩のKzyも「あなたがコーチの練習で、アゴから血を流しながら、腕立て伏せをしていたクソガキが、ついに神戸ワールドのメインイベントに立つところまで来ることができました」と感謝のメッセージを贈り、「途中、僕はあなたを裏切って、逆に遠回りしてしまいましたけど、時間はかかりましたが、ここまで来ました。あとは吉野さんに約束します。31日にドリームのベルトを獲って、1日、あなたに俺が王者になりましたって結果報告をしますんで、楽しみにしといてください」と誓い、「いろいろお世話になりました。最後までスピードスターで走ってください」と激励した。

 そんな言葉を感極まった表情で聞いていた吉野だったが、「Kzy、裏切ったことなんか気にするなよ。ここに2回も裏切った人がいてるんや。それでもこうやって21年一緒にいてるんや。裏切ったことなんか気にすんな」と土井に視線を送って笑いを起こしつつ、感謝の言葉を返した。

 改めて「引退の再延長はない」と明言したうえで、吉野は「初めてT2Pで試合したのもここ後楽園ホールでした。そこから時を重ねて21年経ちまして、ようやくこの日を…まあ、引退ではないですけど、後楽園ラストマッチを迎えることができました。本当にありがとうございました。リングの上で、こうやって試合するのも、マイクするのも、最後になりますけれど、本当に毎月毎月この会場に足を運んでくれた人もたくさんいると思います。本当に改めてありがとうございました」と観客に頭を下げる。そして、最後に「引退まであと数試合ですけども、僕も皆さんと一緒に最後までプロレスを楽しみたいと思います。皆さん、最後までついてきてください。本当にありがとうございました!」と締めくくって、聖地に別れを告げた。

 「この後楽園で楽しいことも、つらいこともいっぱいありましたね。喜怒哀楽つまった。今まで引退発表してずっとカウントダウンってやってきて、何かイマイチ自分の中でピンときてなくて、ホントに俺はやめんのかなと。何かそういう実感が全くなかったんで、そのままずっときてたんですけど、今日、後楽園で試合して、終わってみてね、ホントに引退するんだなって実感がわいてきたというか、そんな感じがしますね」と吉野。レスラー生活も残り1ヵ月を切り、残された試合数は「コンディション次第」だが、「リングに上がるからにはね、いつも言ってるようにやっぱり楽しみたいんでね。最後はもう引退延長してまでここまできたんで、楽しんで、お客さんと楽しんでね、終わりたいと思ってますんで、最後まで吉野正人についてきてもらえたらなと思います」と引退試合まで“楽しむ"姿勢で走りきる。


【吉野の話】「はぁ、後楽園、終わりましたね。終わっちゃいましたね。後楽園はホントに特別な思い出がある会場なんで。T2Pとして帰ってきて、六角形のリングで初めて試合したのもこのリングでしたし、それから21年ですか。この後楽園で楽しいことも、つらいこともいっぱいありましたね。喜怒哀楽つまった。今まで引退発表してずっとカウントダウンってやってきて、何かイマイチ自分の中でピンときてなくて、ホントに俺はやめんのかなと。何かそういう実感が全くなかったんで、そのままずっときてたんですけど、今日、後楽園で試合して、終わってみてね、ホントに引退するんだなって実感がわいてきたというか、そんな感じがしますね。引退まであと何試合できるかわからないですね。もしかしたら2試合、3試合なのか、4試合なのか、コンディション次第ですけど、リングに上がるからにはね、いつも言ってるようにやっぱり楽しみたいんでね。最後はもう引退延長してまでここまできたんで、楽しんで、お客さんと楽しんでね、終わりたいと思ってますんで、最後まで吉野正人についてきてもらえたらなと思います。今日戦ったメンバーもパートナーのメンバーもね、ホントに試合後、ありがたいメッセージもくれたんでね。それが8月1日終わってからね、みんなの言葉をもう一回思い返したいと思います。これで終わりじゃないんで、8月1日まで突っ走るんで、最後まで楽しみにしていてください。ありがとうございました」

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