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9/20【NOAH】桜庭「ツカレタ…」 田中と熱戦フルタイムで首位併走

『N-1 VICTORY 2021 on WRESTLE UNIVERSE』TVマッチ※無観客(2021年9月20日配信)
Cブロック公式戦 △桜庭和志vs田中将斗△

 桜庭と田中の一騎打ちがノアN-1を舞台に実現。深みある攻防の末に相譲らずの30分ドローに終わり、勝ち点1を分け合ってCブロック首位を併走する状況となった。

 IQレスラーと弾丸戦士のシングル初対決。歩んできた道も、ファイトスタイルもまるで違う両雄ながら、試合はプロレスならではの深みと味わいのある展開となった。

 序盤から互いの“得意フィールド"をめぐる駆け引きが続いた。当然桜庭はグラウンドに誘ったものの、田中も露骨に嫌がって「場外来い!」と逆に“ハードコア"への誘い水。拒否した桜庭が巧みに関節技で絡みつけば、逃れた田中も“追いかけっこ"の末に場外戦に引っ張り込み、鉄柵を使った拷問攻撃で悲鳴を上げさせた。

 そして試合が深まる中盤からは“逆転現象"が発生。見せ場を連発したのは桜庭で、逆にブレーンバスターやジャーマンと行った“プロレス技"を積極的に繰り出す。さらには田中のスーパーフライも下から吸い込むようにアームロックで切り返してみせた。

 ところが今度は田中も、高いグラウンド適応能力を発揮。桜庭が次々に仕掛ける関節技を巧みに切り抜け続け、終盤にはガードポジションからの“パウンド式"エルボーで切り抜ける場面も。逆にそのままショートレンジのスライディングDを見舞った。

 すると桜庭もロープ付近に逃れて追撃を許さず。気づけば残りは2分。最後は目まぐるしい“腕関節vs丸め込み"の切り返し合戦となったものの、桜庭の三角絞めを田中が耐えきったところで30分時間切れのゴングが打ち鳴らされた。

 ともに無敗をキープしつつ、勝ち点1を分け合って首位併走。試合後は両者疲労困ぱいながらノーサイドで握手を交わした。

 バックステージで特に披露の色が濃かったのが桜庭。過去にはホイス・グレイシーと伝説の90分死闘を展開したことはあるが、プロレス一騎打ちでの“フルタイム"は本人いわく「覚えてない」と初の領域だった。開口一番「ツカレタ…」と力なく笑いつつ、「最後は絞めるんじゃなくて、足とか腕を伸ばす“バー系"にすれば良かった。ダメだ。田中さん、うまいっすね。『入った!』と思っても微妙にポイントをズラすんですよ」と悔しがった。

 一方の田中は「凄い緊張感ある闘いができたと思うけど、そういうのがアダになったというか。やっぱり一歩踏み込んだら極められるんじゃないかな…っていう、そういう怖さが試合に出たかもしれんね」と回顧。ともに9・26後楽園大会での最終公式戦(田中が鈴木鼓太郎、桜庭が中嶋勝彦)を勝てば、完全に同率首位で並ぶだけに、“決定戦"を舞台に即時再戦の可能性もある。


【試合後の桜庭】
――30分時間切れ引き分けとなったが?

▼桜庭「……ツカレタ(笑)」

――過去経験はある?

▼桜庭「うーん20分くらいはあるけど…覚えてない。でも、一番長いのはホイス(グレイシー)とやった時の90分。まぁアレとは違うモノなんで。あ〜最後、絞め技にしちゃって。絞め技って“入ってるか、入ってないか"が(感覚的に)微妙なんですよ。だから最後は絞めるんじゃなくて、足とか腕を伸ばす“バー系"にすれば良かった。ダメだ。田中さん、うまいっすね。『入った!』と思っても微妙にポイントをズラすんですよ。そのせいでこっちもスタミナ削られましたし」

――それでも負けはしなかったということで、優勝戦線には踏みとどまった

▼桜庭「ポイント的にはどうなんですか?」

――次の中嶋戦に勝てば十分可能性はある

▼桜庭「え? 勝てば上がれる? 頑張ります。……っていうか、ツカレタ」

――星取りなどを考える余裕もなく…

▼桜庭「星取りとか考えてないっす。まぁ毎回言うことは一緒で、一試合一試合なんとかして、結果を残していけば、良いものは後からついてくるんで。はじめから優勝狙うんじゃなくて、その都度、その都度やっていくということで。でも今日はちょっと…悔しいです。ギブアップ取れなかったということで」

――次の中嶋戦に向けて改めて?

▼桜庭「やりづらいっすねえ。タッグで何回かやってますけど、やりづらいっすね。なんか表情が読めない。怒ってるのか、笑ってんだか、それとも何ともないんだか。痛い時は『痛い!』って言う人だと、もっと痛いことしてやれって思うんですけど、過去に何度かやった中で、頭の中がこんがらがってる部分っていうものがあります。もう大丈夫ですか? 帰って呑みたいんで……」

【田中の話】「いやぁ、引き分けか。凄い緊張感ある闘いができたと思うけど、そういうのがアダになったというか。やっぱり一歩踏み込んだら極められるんじゃないかな…っていう、そういう怖さが試合に出たかもしれんね。そういうモンを頭の中から消さんかったら、勝てへんと思うし、やっぱ踏み込んで極められてしまう、そういうのにビビってたら、リーグ戦は勝ち残れへんなと。今日はこういう形で満点とれんかったけど、次…次で勝てば俺がこのブロック上がるってことやから。3つしか公式戦無いなかでね、桜庭和志って男と楽しんで試合したら、まぁこういう結果になるかな…ってとこで。そこは反省点ですね。もっと踏み込んで踏み込んでいかなアカン。それが勝利を逃した理由でしたね」

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