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10/20【新日本】手負いタイチが“千秋楽"で意地の棚橋狩り 「序二段陥落」からの綱取り宣言

『G1 CLIMAX 31』東京・日本武道館(2021年10月20日)
Bブロック公式戦 ○タイチvs棚橋弘至×

 手負いのタイチが“千秋楽"で意地の棚橋狩り。「序二段陥落」からの綱取りを宣言した。

 タイチは開幕2連勝を挙げたものの、その後は泥沼の6連敗。脇腹を痛めて、コンディション的にも最悪の状態ながら最終公式戦…相撲で言う“千秋楽"を迎えた。対戦相手は4勝4敗で勝ち越しを狙うUS王者・棚橋だ。両者は昨年6月のNEW JAPAN CUP1回戦で対戦し、タイチが勝利しており、棚橋にとっては雪辱戦。タイチをねじ伏せようと厳しい攻撃を連発してきた。

 US王座のベルトを腰に巻き、滅多にしないオールバック仕様の髪型で登場した棚橋に対し、タイチはテーピングを脇腹に巻いて試合に臨んだ。タイチは組みついた瞬間、急角度のバックドロップで引っこ抜くと、短期勝負を狙って、バズソーキックを一閃。ブラックメフィストは脇腹のダメージから投げられなかったが、アックスボンバーをぶち込んだ。

 猛攻をしのいだ棚橋は非情な攻めに出る。脇腹めがけてのボディブローやストンピングを連発して逆襲。タイチは何度もうめき声を漏らした。棚橋はヒザ攻めも仕掛け、鎌固めやリバースインディアンデスロックで追撃。タイチも蹴り技で巻き返しを図るが、棚橋は空振りを誘ってコーナーに逆さ吊りに固定し、脇腹を低空ドロップキックで射抜く。タイチのジャンピングハイキックに被弾したものの、天翔十字鳳はキャッチし、テキサスクローバーホールドに捕獲した。

 悲鳴を上げたタイチだったが、エグい角度で絞め上げられてもギブアップは拒否。執念でロープに逃れる。そして必死にバックドロップを仕掛けていく。一度は棚橋にスリングブレイドで切り返されたものの、即座に立ち上がったタイチは急角度のバックドロップで引っこ抜き、天翔十字鳳がクリーンヒット。タイチはビンタを食らっても止まらず、横綱式のかち上げエルボーをぶち込んだ。

 タイチは脇腹の痛みをこらえてブラックメフィストを狙うが、防いだ棚橋はスリングブレイドで逆転。ハイフライフローアタックで脇腹にダメージを与えると、正調ハイフライフローへ。しかし、自爆させたタイチがタイチ式外道クラッチでクルリ。逆転勝利を手にした。

 手負いのタイチが意地の白星を挙げ、6連敗中だったG1を勝利で締めくくった。とはいえ、新横綱になると豪語して臨んだG1の結果は思わしくなく、「正々堂々の序二段陥落だ」とシングル戦線での後退を大相撲にたとえた。

 それでもタイチの気持ちは死んでいない。「照ノ富士のように新横綱になってやるって開幕の時に言ったけどよ、照ノ富士だってその前に序二段にまで落ちてんだよ。怪我と病気に悩まされてよ。時には怪我に悩まされて序二段に陥落するのもいいな。忘れてたよ。照ノ富士だってそうやって上がってきたんだよ。引退まで考えて。だけど今、横綱になっている。序二段からでも遅くねえってことだよな。やってやる」と序二段陥落から復活して今年7月に横綱昇進を果たした照ノ富士に自分を重ね、「溜めに溜めて、新横綱に登ってやる」と綱取りを宣言した。

 「このままじゃ新横綱どころかなんにもなんねえ。時には休場するのも大事だろ。この後、新日本プロレス協会に明日から休場届を出す。待っとけ、すぐ戻ってくる」と負傷の治療に専念するために短期的な欠場を示唆。体調を万全にし、「序二段」からの頂点獲りを狙う。

 一方、3年連続で負け越しとなった棚橋は「悔しいなあ。調子が、コンディションが良かった分、この負け越しは堪えるし、何より期待に応えられなかったっていうのもあるし、このUSヘビーを巻いてる選手が負け越し。ちょっと考え方を自分のあり方をしっかりと見つめ直さないと。毎日同じ物食ってます、毎日同じ量のトレーニングしてます、じゃないんだね。きっとね、そういったもの以上に今一番必要なこと、やっぱり情熱だろうね」と肩を落としつつ、再起を見据えていた。

【タイチの話】「ああ、苦しい…。なんだ、笑いたくて集まったのか、この野郎。堂々の3勝6敗だ。笑いたくて来たのか、この野郎。正々堂々の序二段陥落だ。陥落だよ、これで。忘れてたよ。そう言やあ忘れてたよ。照ノ富士のように新横綱になってやるって開幕の時に言ったけどよ、照ノ富士だってその前に序二段にまで落ちてんだよ。怪我と病気に悩まされてよ。時には怪我に悩まされて序二段に陥落するのもいいな。忘れてたよ。照ノ富士だってそうやって上がってきたんだよ。引退まで考えて。だけど今、横綱になっている。序二段からでも遅くねえってことだよな。やってやる。忘れてたよ。新横綱の前に序二段があるってことを。不惜身命、文字通り不惜身命だ。休むのは簡単だ。いや、でも、時には休む勇気も必要かもしんねえな。今後の溜めのためには。溜めに溜めて、新横綱に登ってやる。まずは序二段陥落、おめでとう。(※立ち上がってタッグベルトを持っているあべみほを見ながら)序二段には付き人もいらないな。やり直しだ、1人で。このままじゃ新横綱どころかなんにもなんねえ。時には休場するのも大事だろ。この後、新日本プロレス協会に明日から休場届を出す。待っとけ、すぐ戻ってくる。(帰り際に)棚橋があえて鬼になって、俺の負傷箇所を攻めてきたのはそれが愛だからなのか…? もしそれが愛ならば、少し分かったような気がする…」

【棚橋の話】「(※コメントスペースに来るなり座り込み、腹の位置にUSヘビー級のベルトを置いて)はあ、負け越し。負け越しです。悔しいなあ。調子が、コンディションが良かった分、この負け越しは堪えるし、何より期待に応えられなかったっていうのもあるし、このUSヘビーを巻いてる選手が負け越し。ちょっと考え方を自分のあり方をしっかりと見つめ直さないと。毎日同じ物食ってます、毎日同じ量のトレーニングしてます、じゃないんだね。きっとね、そういったもの以上に今一番必要なこと、やっぱり情熱だろうね。プロレスに対する情熱。俺に足りなくてタイチにあったもの、情熱なんじゃないかな? (※立ち上がって)言われたくないと思うけど」

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