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10/21【新日本】飯伏続行不能で騒然幕切れも…オカダ3度目G1制覇「また背負う」 “4代目"IWGPヘビーベルト譲渡も熱望

『G1 CLIMAX 31』東京・日本武道館(2021年10月21日)
優勝決定戦 ○オカダ・カズチカvs飯伏幸太×

 『G1 CLIMAX 31』優勝決定戦で三連覇を目指した飯伏が試合続行不能とのなるアクシデント。オカダがレフェリーストップで7年ぶり3度目のG1制覇を果たした。「また背負う」と再び“中心"としての覚悟を決めたオカダは、飯伏との再戦と飯伏を“待つ証"として封印された4代目IWGPヘビー級ベルトの譲渡を熱望した。

 今年も秋開催となった日本プロレス界最大のリーグ戦。約1ヶ月間続いた公式戦の末に頂上決戦へと駒を進めたのはオカダと飯伏だった。

 昨年G1開幕戦以来、約1年ぶりの一騎打ち。序盤から優勝決定戦らしい一進一退の攻防が続いた。大きく動いたのは10分過ぎ。飯伏が場外ハーフネルソンスープレックスで先に仕掛ける。しかし、オカダも譲らず、床直撃のDDTで逆襲。首攻めにシフトし、ドロップキックや旋回式ツームストンパイルドライバー、バックブリーカーを間に挟みながら、マネークリップで何度もしつこく絞め上げた。

 意識もうろうとしながらもロープに逃れた飯伏は、オカダのレインメーカー狙いをかいくぐり、逆にフルスイングのラリアットを振り抜く。エルボー合戦では笑みを浮かべると、トップロープからラ・ケブラーダを敢行。シットダウン式パワーボムでマットに叩きつけると、手首を固めたままレインメーカー式ハイキック、飛びヒザ蹴りとたたみかけ、カミゴェもクリーンヒットした。

 7年ぶりVに向けて執念を見せたオカダはキックアウト。ならばと飯伏は生ヒザ式カミゴェを狙うが、オカダに避けられてしまう。それでも飯伏はラリアットをぶち込むと、三連覇を狙って、久々の解禁となるフェニックススプラッシュへ。しかし、ここでアクシデントが発生する。飯伏は避けられて自爆した際にマットに右腕を強打。そのまま動けず、レフェリーストップとなり、試合は唐突に終わりを告げた。

 飯伏は右腕を脱臼した可能性があり、しばらく動けず。場内は騒然となり、オカダはG1制覇を告げられても、笑顔はない。それでも飯伏のことを見守り、意気消沈するゴールデン☆スターに声をかけて、再戦を呼びかけた。飯伏は右肩を固定しながらも、自力で花道を下がっていく。

 険しい表情のままトロフィーと優勝旗を受け取ったオカダだったが、「G1 CLIMAX! 決勝戦、怪我でレフェリーストップという形になってしまいましたけど、僕は胸を張って、『G1 CLIMAX 31』のチャンピオンだと言いたいと思います! 日本全国で熱い戦いをしてきたという自負もありますし、勝ちは勝ちです。『G1 CLIMAX 31』チャンピオンはこの俺だ!」と力強く勝利の雄叫び。「新日本プロレスの中心はレインメーカー、オカダ・カズチカでしょう? 俺が盛り上げていかないと面白くないでしょう? 任せてください。新日本プロレス、また俺がいろいろと背負いたいと思います」と誓った。

 「飯伏幸太。不完全燃焼なんです。またやろうぜ、コノヤロー!」と飯伏に改めて再戦を呼びかけると、「G1チャンピオンとして新日本プロレスに1つお願いさせてください。飯伏幸太とまたやらせてください。その飯伏幸太を待つ証として、4代目IWGPヘビーを俺にください。別にチャンピオンじゃないですけど、IWGPヘビーを飯伏幸太を待つ証として俺に預けてください」と注目発言をぶち上げた。

 G1覇者は翌年の東京ドーム大会に向けてIWGP王座挑戦権利証を贈呈されるのが通例だったが、それに代わって、“IWGP世界ヘビー級王座"設立時に封印された4代目の“IWGPヘビー級王座"のベルト譲渡を熱望したのだ。二冠統一、そして新王座設立に対して不満を持っていたオカダは、あえてIWGP世界ヘビーのタイトルと現王者の鷹木信悟を無視した形。バックステージでは「向こうでしょ、挑戦してくるのは。だって俺ですよ、チャンピオンになったのは」と鷹木を挑戦者扱いした。

 2020年1月にIWGPヘビー級王座から転落して以降、タイトルに縁がない状況が続いてきたオカダ。ここ数年は自由な振り幅も目立っていたが、今G1開幕戦で元来の“レインメーカー"路線への回帰を宣言。必殺技のレインメーカーも惜しみなく連発して勝ち星を積み重ね、7年ぶりにG1優勝決定戦の舞台に駒を進め、アクシデントのよる決着ながらも、3度目の栄冠をつかんだ。

 リング上では最後に「新日本プロレスの中心として俺が盛り上げていきたいと思います」と決意を語り、「新日本プロレスに金の雨が降るぞ!」とレインメーカーポーズで波乱のG1決勝を締めくくったオカダ。試合後にはG1でオカダに勝利しているタマ・トンガが姿を現して対戦要求。当然、無視された鷹木の反発も予想されるだけに、レインメーカーの戦いはこれからも続いていく。埋まっていた客席は“カネの雨を降らす男"の代名詞でもあったが、コロナ禍でまだまだ客足も戻りきっていない。名実ともに“完全復活"したレインメーカーは、飯伏との再戦を実現させるためにも新日本の中心に立ってプロレス界をけん引していく。

【試合後のオカダ】
※後藤、石井、矢野、YOSHI-HASHIが拍手して待ち構える中、オカダがトロフィーと優勝旗を持ってインタビュースペースへ。するとそこにタマ・トンガが現れる

▼タマ「(※拍手して)おめでとう、グッジョブ! (※日本語で)オメデトウ、オカダ! お前が『G1 CLIMAX 31』覇者だ。あと一歩で全勝優勝だったよな? だけど、このタマ・トンガがお前を倒し全勝優勝を阻止した。今年の『G1』でお前に勝ってるのは、唯一俺だけだ。俺がこの団体の救世主になってやる。オーバリさんか、誰が責任者なのか知らないが、さっそくタマ・トンガ仕様のブリーフケースのデザインにかかってくれ。雨期は終わったんだよ。もう一度お前に勝って、タマ・トンガのブリーフケースに変えてやる」

▼オカダ「(※英語で)もう一回俺に勝つって?」

※タマは答えずに立ち去る

▼オカダ「(※立ち去るタマ・トンガを見送って、気を入れ直すように)よっしゃ!」

※CHAOSメンバーがZIMAを開ける

▼YOSHI-HASHI「オカダ、優勝おめでとう!」

▼オカダ「あざっす!」

※全員で乾杯し、メンバーはオカダとグータッチして立ち去る

──オカダ選手、おめでとうございます

▼オカダ「ありがとうございます!」

──改めて、7年ぶりの『G1』チャンピオン、今の心境は?

▼オカダ「ま、そうですね!うーん…(※少し沈黙)胸を張って『G1』チャンピオンと本当は言いたいんですけど、ちょっとね、メチャメチャホントは、今まで1ヵ月しっかり戦ってきたし…ま、でもやっぱり、うれしいっすよ。別に、(結果が)レフェリーストップだとしても、僕はね、勝つつもりでいたんで。うん。ああいう勝ち方になったっていうだけで、僕が勝つっていうのは、変わりがなかったことだと思いますから。やっぱり、うれしいです。31回目のチャンピオンとして、こうやって名前が残せたわけですから。またここから、東京ドームに向かってやっていきたいと思います」

──リーグ戦を振り返ると、最終戦でジェフ・コブ選手に勝って決勝進出を決めた。あの時から今日まではどのようにやってきた?

▼オカダ「ま、今日勝つしかないですから、1日しかないですし、何ができるわけでもないですし、しっかりと自分の中でコンディションを整えて、試合に向けてやるってことしかなかったですね」

──飯伏選手との戦い、最後はああいう結果だったが、そこに至るまでの戦いはどうだった?

▼オカダ「うーん…まぁやっぱり、物足りないっすよ。(※しばらく沈黙)ま、でもここから盛り上げていきたいなと、思いますよ。こうやって世界中で、ガクッと落ちてしまってから…まぁ、僕が言いましたから、『プロレスラーは超人である』と。まぁ、決勝戦がこういう風になってしまいましたけど、僕がね、そんなこと言っときながら、元気よく立ち上がる姿を見せないといけないと思うので、まだまだ、今日だって別に超満員にはなってないですし、しっかりと一歩ずつ、立ち上がってですね、また超満員のプロレス会場に戻っていけるようにやっていってやろうと思います」

──リング上で飯伏選手と、もう1回戦おうと約束していたが、それはどういう形で? 先ほど、ベルトを預けてほしいという発言もあったが、その真意は?

▼オカダ「4代目のベルトが2つあったのを、一つにしたのは飯伏さんですから。それでね、別に『IWGPヘビー級チャンピオンだ』と名乗るつもりもないですし、その証として、僕がそれを持ってて、またそれを飯伏さんを待つという意味で僕が持つということはいいことじゃないかと思いますし、『G1 CLIMAX』のチャンピオンですから。いつもだったら権利証と言ってましたけども、別にそれは持っててもいいんじゃないかなと思いますけどね」

──それはイコール、鷹木選手の持っているベルトに、すぐにでも挑戦したいということになる?

▼オカダ「…挑戦? 僕がですか?」

──IWGP世界ヘビーのベルトに

▼オカダ「向こうでしょ、挑戦するのは。だって俺ですよ、チャンピオンになったの。向こうはなってないですよ」

──IWGP世界ヘビーではなく、IWGPヘビー?

▼オカダ「だって僕(が獲ったの)はずっとIWGPヘビーじゃないですか。別に、チャンピオンが出てるトーナメントでも、優勝したのが僕ですから。まぁ、やりたければ別に、やりますよと。お願いされれば別に、僕もやりますし。まぁいつもだったら、東京ドームで『G1』チャンピオンが"チャレンジ"という形でしたけど、IWGPヘビーじゃないんで、世界ヘビーなんで、だったら挑戦してきなさいと。どっちが上だと思ってんの?って。どっちがこの新日本プロレスを盛り上げてんの?って。満足させてるの?って。この『G1 CLIMAX』(を盛り上げたのは)どっちですか?って。鷹木選手なの? いや俺でしょ。どんだけ俺がこの『G1 CLIMAX』盛り上げてきたと思ってんの? チャンピオンは誰なの? 俺でしょ!っていうことですね」

──タマ・トンガ選手が挑戦権利証への挑戦を表明したが?

▼オカダ「まぁでも1回、やられてますから。別に借りを返さないといけないと思いますし。まぁ別に、この世に完璧な人間はいないと思いますから。完璧に優勝できなくても、優勝することはできましたし。まぁでも、借りを返して、次にやる時は東京ドームだと思うので、そこに向けて。いや、俺じゃなきゃダメでしょ、と。タマ・トンガが東京ドームで『俺がG1チャンピオンを倒した男です』って言っても盛り上がんないでしょって。まぁホントに、前回の山形でもガンスタンを食らって、パイルドライバーも食らって、アゴもバチン!と食らってイケメンにしてもらいましたし、パイルドライバーで首もキチッと入ったんで。あともう一発ぐらい入ればしっかりとまっすぐになって、身長も高くなってイケメンになったんじゃないかなと思うので、いつでもかかってきなさいという感じですね」

──通常ならこの『G1 CLIMAX』のチャンピオンが東京ドームでIWGP世界ヘビーのチャンピオンに挑戦する形だが、オカダ選手はその形を変えていこうという気持ち?

▼オカダ「まぁ、どっちがチャンピオンなのかなっていう。それはお客さんが決めてくれればと思いますし。まぁ政治と一緒ですよ。どっちについていくかですよ。『IWGP世界党』なのか、『IWGPヘビー党』なのか。これはもう、ついていきたいほうについていってくれればいいんじゃないかなと思いますし、指示されるほうがすごいでしょって、思います。それで向こうも燃えるでしょっていうね」

──改めて、7年ぶり3度目の『G1 CLIMAX』優勝、おめでとうございました

▼オカダ「ありがとうございました!」

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