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12/23【新日本】鈴木軍が11年の歴史に幕 鈴木がメンバー全員の思い受け止めて区切り「これからも毎日IWGP狙っていくぞ!」

『Road to TOKYO DOME』東京・後楽園ホール(2022年12月23日)
○ザック・セイバーJr.&タイチ&金丸義信&DOUKIvsランス・アーチャー&エル・デスペラード&TAKAみちのく&鈴木みのる×

 鈴木軍が11年の歴史に幕。鈴木軍ラストマッチでメンバー全員の攻撃と思いを真っ向から受け止めた鈴木は「これからも毎日IWGP狙っていくぞ!」と自身の変わらぬ方向性を示した。

 11年間に渡って新日本を中心にプロレス界を席巻してきた鈴木軍がついにこの日、解散の時を迎えた。ラストマッチは鈴木&アーチャー&デスペラード&TAKAと、ザック&タイチ&金丸&DOUKIが激突する8人タッグマッチ。DOUKI、金丸、タイチ、ザック、TAKA、デスペラード、アーチャー、鈴木の順で個別入場すると、熱い同門対決を繰り広げた。

 まずは鈴木とタイチが対峙。鈴木が胸を突き出して手招きすると、タイチは逆水平を打ち込んで呼応する。鈴木も胸板へのチョップでやり返し、激しいラリーに突入。鈴木のエルボーとタイチのローキックによる応酬に発展し、タイチがローリングソバット、ミドルキック、フロントハイキックでなぎ倒したが、鈴木もすぐさまフロントハイキックでやり返した。

 デスペラードと金丸はテクニックを競い合うようにせめぎ合い、目まぐるしい読み合いから金丸が巧みにグラウンドヘッドロックで捕らえた。DOUKIとTAKAはイタリアンストレッチNo.32とジャストフェースロックの決め合いで一進一退。TAKAがその場飛びスーパーKを見舞えば、DOUKIはラリアットで応戦した。アーチャーはザックをパワーで圧倒。ザックがエルボースマッシュを連打しても、ショルダータックルでねじ伏せる。ザックもパワーボム狙いを三角絞めで切り返し、腕へのオーバーヘッドキックを見舞ったが、アーチャーはフライングボディアタックで応戦した。

 あっという間に10分が経過。鈴木とザックはエルボー合戦で真っ向から火花を散らした。コブラツイストを決め合い、ザックが卍固めで絡みつけば、鈴木はアンクルホールドで切り返す。ザックが回転足折り固めで丸め込んでも、スリーパーで捕らえた。ゴッチ式パイルをタイチがアックスボンバーでカットすると、全員が入り乱れる混戦模様に。アーチャーがフロントハイキックでタイチを蹴散らすと、金丸がウィスキー噴射からの低空ドロップキックでアーチャーを撃退。ならばとデスペラードがバックドロップで金丸を叩きつけたが、DOUKIがデイブレイクでデスペラードをグサリ。TAKAがフロントハイキックでDOUKIを蹴散らし、ザックにみちのくドライバーIIを仕掛けたが、食い止めたザックがネックツイストでもん絶させた。

 全員が倒れ込むと、先に立ち上がった鈴木が敵味方関係なく全員にストンピングをお見舞いした。止めるTAKAに張り手を打ち込むと、TAKAはスーパーKでお返し。それでも鈴木はDOUKIに張り手を見舞ったが、DOUKIもラリアットで立ち向かう。鈴木がデスペラードにも「こいよオラ!」と吠えると、呼応したデスペラードはロコモノをさく裂。金丸もフロントハイキック連打、ドロップキックで続く。鈴木は意地でも立ち続けたが、アーチャーがショルダータックルをぶちかましてなぎ倒した。

 鈴木軍メンバー全員の攻撃を食らった鈴木は不敵な笑みとともに立ち上がり、「かかってこいよ! 来てみろよ!」と絶叫。するとタイチはアイアンフィンガーを装着。元鈴木軍メンバーである飯塚の代わりとばかりにアイアンフィンガーフロムヘルを叩き込んだ。ダメージが色濃い鈴木にザックが「サンキュー」と感謝してからザックドライバーを爆発。鈴木は3カウントを聞いた。

 鈴木軍ラストマッチでボス・鈴木がメンバー全員の思いを真っ向から受け止めた。これが鈴木なりの区切りだった。

 DOUKI「俺はこのメンバーの中で一番鈴木軍としての歴は短い。たった3年半かもしれないけど、鈴木軍にいたことによって俺は成長できたと思う」

 金丸「いい軍団にいて、いい酒が飲めた」

 TAKA「ボス、こう呼ぶのも最後かもしんないんで言わせてください。ボス、ありがとうございました」

 デスペラード「鈴木軍に合流すんのが目的で日本に来て、結局、鈴木軍で長いことやれて、ようやく成長できたと思ったらなくなっちゃって。こっからどうしようかなって思ってますけど、とりあえず今日のところはこの楽しい軍団に入れたことを誇りに思いながら余韻を楽しもうと思います。ありがとうございました」

 アーチャー「スズキサン、マイ・ブラザー、フォーエバー。アリガトウゴザイマシタ」

 ザック「(日本語で)鈴木軍はチームじゃない。鈴木軍は家族です。ありがとうございました」

 タイチ「俺たちは他のユニットに比べて、これといったもの残せなかったかもしんねぇ。けど、どのユニット、他の軍団にも絶対真似できないことをやってきた。だから俺たちは間違いなく一番だった。あとにも先にも一番の軍団だ。鈴木軍11年、一度も離れず最後まで戦ってきたのは俺とあなただけだった。11年、俺のキャリアの半分っすよ。キャリアの半分、鈴木軍で過ごしました。これからもこの11年が無駄にならぬように、またゴミみてぇな人間に戻らないように、これからはしっかり自分の道、歩んでいきたいと思います。11年、楽しかったっすよ。どうもありがとうございました」

 そう鈴木軍メンバーが各々の思いを語ると、最後に鈴木がタイチからマイクを渡された。「これからのことは先日、リング上で言わせてもらったから、みんなに対してはもうないよ。自分自身のことだけ言わせてくれ」と前置きした鈴木は「俺は11年前、この新日本にIWGPを獲るためにやってきて、鈴木軍を作った。そして、鈴木軍は今日ラストマッチを迎えた。形は変わるけど、これからも毎日IWGP狙っていくぞ! チャンピオン、そのときのチャンピオン、ヘラヘラしてると、てめぇ寝首切り落としてやる。どいつもこいつも覚悟しとけ」と自身の一貫した方向性を明確にした。

 「さぁ、最後は俺たちらしく締めようぜ」。そう続けた鈴木は「すべて何もかも俺たちがぶち壊してやる。いいか、これが最後だ。鈴木軍イチバン」と最後の決め台詞で締めた。粉雪がリングに舞い散る中、フィナーレを迎えたかに思われたが、場内に聞き覚えのあるテーマ曲が。南側客席から現れたのは飯塚高史だった。狂乱しながらリングに上がった飯塚は鈴木軍メンバーと集合写真に納まったものの、アイアンフィンガーを手にして去っていった。

 そして最後に一人リングに残ったのはボス・鈴木。鈴木軍のロゴ入りフラッグをリング中央で折りたたんで解散を表現すると、客席に軽く手を振ってからリングを降りた。これにて鈴木軍は11年の歴史に幕。これからは各々がそれぞれ新たな道を歩むことになる。


【鈴木の話】「ま、そういうこっちゃ。とりあえず年内いっぱいとは言ったけど、今日で鈴木軍は営業停止ってことだ。これからそれぞれがそれぞれの道へ行く。あっちへいくヤツ、こっちへいくヤツ。俺自身もあっちだこっちだっていろんな床に行くかもしれない。だけどな、これだけは決まってんだよ。これだけははっきりしてんだよ。俺は後にも先にも、鈴木軍作った時も、何なら俺がプロレスラーになった時も、いやいや、俺が生まれた時からIWGP、そのベルトを俺は手にするまでプロレス辞めらんねえんだよ。だからよ、プロレスにこの腕、この足、俺の命、捧げてやる。くれてやるよ。おい、IWGP、俺と勝負だ。まだまだ続くぞ。ジジイだ? 年取ってる? だからどうした? 年取ってる分、強ぇんだよ。みたらわかるだろ。その分、ここもさえてんだよ。どこぞの動けなくなったベテランと一緒にするな。おい、お前ら。俺がどんな生活してるか知ってるか? どんなふうに生きてるか知ってるか? 何のために飯食ってるか知ってるか? 全てプロレスのためだぞ。プロレスで生きて生きて生き続けて、その途中にIWGPがある。俺は必ずあれを獲るぞ。言ったろ。俺の予約済みのベルトだ。あのベルトができた時から俺の名前が刻まれてる。覚えとけ。終わり」

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