【GLEAT】ハヤトがLIDET UWF王座劇的奪取でシングル二冠 伊藤はTDCホールでまたも敗北 2023/7/1

『GLEAT Ver.6 -旗揚げ2周年記念大会-』TOKYO DOME CITY HALL(2023年7月1日)
LIDET UWF世界選手権試合 ○フジタ“Jr."ハヤトvs伊藤貴則×

 GLEAT初参戦を果たしたハヤトがK.I.Dで伊藤を下し、LIDET UWF王座を劇的奪取。東北ジュニア王座と併せてシングル二冠となった。一方、伊藤は鬼門のTDCホール大会でまたも敗北を喫し、一度も防衛することなくタイトルから陥落した。

 6・7後楽園大会で青木真也を破り、涙の初代LIDET UWF王座戴冠を果たした伊藤が2周年興行のメインに登場。初参戦となるみちのくプロレスの東北ジュニアヘビー級王者・ハヤトを挑戦者に迎えて初防衛戦に臨んだ。伊藤にとってTDCホールは鬼門の会場。2021年の旗揚げ戦ではSHOに、同年12月は石川修司に、2022年7月の1周年興行では永田裕志にそれぞれ敗北。2022年12月も青木と引き分けに終わっており、TDC未勝利が続いていた。

 打撃でもグラウンドでも序盤戦は五分と五分。だが、アグレッシブに動いたハヤトがK.I.Dを仕掛けて先にエスケープを奪った。さらに、スタンド状態でもK.I.D狙いで組みつくが、伊藤は強引に抱え上げると、そのまま場外に転落。2人同時にリングに滑り込んだが、揃ってポイントを失った。

 伊藤はコーナーに押し込み、ヒザ蹴りを連打したものの、ハヤトも真っ向から掌底を放って激しい打撃戦に。伊藤はK.I.D狙いを垂直落下式ブレーンバスターで切り返すと、即座にジャーマンにつなげてダウンに追い込む。伊藤の攻勢は続き、フック気味の掌底やミドルキックでたたみかけるが、引かないハヤトも起死回生の右ハイキックでダウンを奪取。しかし、伊藤も土手っ腹にミドルキックをねじ込み、残りポイント2-2で並んだ。

 互いに掌底をクリーンヒットさせるが、伊藤はローキック連打からのハイキックでダウンをもぎ取る。なんとか立ち上がったハヤトに対し、伊藤は掌底やヒザ蹴りを乱射した。だが、ハヤトはジャーマンをフェイントに腕十字に持ち込むと、三角絞めに移行し、伊藤の抵抗を先読みして足関節狙いにシフト。そして、リング中央でK.I.Dに捕獲した。伊藤は抱え上げようとしたものの、ハヤトはさらに強く絞め上げる。たまらず伊藤は前方に倒れ込み、和田了覚レフェリーは試合をストップ。ハヤトが劇的勝利を手にした。

 ハヤトが初参戦でいきなりLIDET UWF王座を奪取。伊藤は鬼門のTDCホールでまたも敗北を喫し、王座から陥落した。

 マイクを持ったハヤトは「空気読めよって思ってる方々、本当にすいません。みちのくプロレスから来ました。まだガンの闘病をしながらリングに上がらせてもらって。対戦相手は気を遣いながらなのか、それとも壊しにいこうと思って来ているのか、たまにわからなくなる時がありますけど、そんな状態でもこうやって頑張ってれば、5年休んでたってチャンピオンになれたりするので」と喜びをあらわに。「伊藤選手、メチャクチャ強いんで。GLEATの選手も他にやりたい選手もいっぱいいます。こんな俺ですけど、せっかくGLEATのベルトを持ったんで、面白くしていきます。GLEATのUWFルール、俺についてこい。今日はGLEATのファンの皆さん、本当に本当にご来場ありがとうございました」と外敵ながら歓声を浴びて2周年興行を締めくくった。

 ハヤトはバックステージで早くも防衛ロードに言及。「このGLEATにはいい選手がいっぱいいるんで。本当にやりたい選手がいっぱいいる。どんどん名乗りを上げてほしいなと思う」と呼びかけると、「8月4日、両国でしたっけ? たまたまその日、僕は空いてるんで」と両国での防衛戦実現に意欲。興味のある相手として青木真也や佐藤光留の名前を挙げていた。

【ハヤトの話】「伊藤選手はメチャクチャ強いし、怖いし。でも、結果、俺のほうが今日強かったというだけで、伊藤選手が弱かったんじゃない。俺がたまたま今日いいのが入って、諦めなかった。ただそれだけ。これで東北のファンにも久々に他団体のベルトが、しかもシングルで2本、いいお土産ができたと思うし、まだ復興もできてないしね。復興できるように、東北を背負って、みちのくのトップとして、他団体に乗り込んでいきたいと思うし。このGLEATにはいい選手がいっぱいいるんで。本当にやりたい選手がいっぱいいる。どんどん名乗りを上げてほしいなと思うし。なんかちょっと休憩の時かな。8月4日、両国でしたっけ? たまたまその日、僕は空いてるんで。UWFのベルトも獲ったし、僕らの前にやってた青木さんとかいいなと思うし。佐藤光留さんだってメチャメチャ強いのがわかってるし。青木さんなんて僕はPRIDEとかそういう時代から観に行って、応援していた人なんで、やれたらいいなと思ってますんで。8月4日、チャンピオン空いてます。待ってます。そのために病院も頑張ります。ありがとうございました。最高」

【伊藤の話】「守れなかった。旗揚げ戦、1周年、今日の2周年、毎回メインを任せてもらって。1回目も2回目も、そして今日、俺が挑戦じゃなく、守るべき試合だった3回目も守れなかった。今の俺には何も残ってない。ちょっと今はまだいろいろ考えられへんけど、また一から、いやゼロから考えます。今日はそれだけ守らないとあかん試合でした」