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2/15【IGF】猪木元気工場が全日本、中嶋勝彦への警告書を公表 「繰り返されるなら損害賠償請求」も視野に

 猪木元気工場(IGF)は15日、全日本プロレス、中嶋勝彦宛に送付した警告書の内容を公表した。

 故・アントニオ猪木さんの代名詞である「闘魂」に関する商標権、意匠権、肖像権はIGFが管理。「闘魂」、「1・2・3・ダァーッ」の商標権は株式会社アシストが所有し、IGFがその管理委託を受けている。

 ところが全日本で三冠ヘビー級王者に君臨する中嶋が“闘魂スタイル"を掲げ、昨年12・31代々木大会の試合後にはリング上で「1、2、3、ダー!」を披露した。また、昨年11月16日には“全日本プロレス株式会社"を出願人に「闘魂スタイル」の商標登録が特許庁に出願されている。全日本を運営しているのはオールジャパン・プロレスリング株式会社。出願しているのは別会社であると思われる。

 事態を深刻に受け止めたIGFは顧問弁護士の逢坂哲也氏を代理人に、全日本、中嶋宛の警告書を1月30日付で送付。この日、その内容を公表した。そこには「単発の突発的なパフォーマンスということであれば、直ちに権利侵害として咎めるつもりはありませんが、そもそもジャイアント馬場氏を創業者とする全日本プロレスが、興行という営利活動の場で、出場選手にアントニオ猪木のパフォーマンスを安易かつ無断で行わせたとすれば、それは重大な権利侵害行為」と記され、「今後もこのようなパフォーマンスが全日本プロレスの興行において繰り返されるということになれば、商標権侵害や不正競争防止法違反として、差止めや損害賠償を求めていくことになります」と警告している。

 IGFは「猪木家遺族、弊社スタッフに対して、全日本プロレス及び中嶋勝彦選手より弊社管理の商標使用、アントニオ猪木を模倣するような言動をするにあたっての確認連絡は一切ございませんでした。弊社と全日本プロレスの関係の中で実施したものだ、という誤った認識を持たれる方がおりますが事実として連絡は一切ございません」と寝耳に水であったことを強調。「弊社といたしましては、今後もアントニオ猪木の商標権等を管理運営する会社として、権利侵害におきましては、適切に対処して参ります」と強い姿勢を示している。

 なお、中嶋も警告書が届いたことを認め、今月14日、全日本の会見に出席した際、闘魂スタイルを封印する意向を示している。

 警告書の内容は以下の通り。


警告書

 当職は、株式会社猪木元気工場(以下「猪木社」といいます。)及び猪木家(亡猪木寛至氏の実弟猪木啓介氏ら。なお、孫猪木寛太氏は猪木社の取締役です。)から、昨年大晦日に開催された全日本プロレスの興行(国立代々木競技場・第二体育館)中に行われた中嶋勝彦氏(以下「中嶋選手」といいます。)のパフォーマンスに対する対処について相談を受け、受任しましたので、本書面にて通知いたします。

 さて、上記の件は、全日本プロレスの興行の場で、アントニオ猪木のテーマ曲である「炎のファイター」(INOKI BOM-BA-YE)を流し、「闘魂STYLE」と記したトランクスを身につけた中嶋選手が「1・2・3・ダァーッ!」のパフォーマンスを行った事件です。

 単発の突発的なパフォーマンスということであれば、直ちに権利侵害として咎めるつもりはありませんが、そもそもジャイアント馬場氏を創業者とする全日本プロレスが、興行という営利活動の場で、出場選手にアントニオ猪木のパフォーマンスを安易かつ無断で行わせたとすればそれは重大な権利侵害行為といえ、また、パフォーマンスを行った中嶋選手も、プロフェッショナルのレスラーとして同様であり、プロレスファンの厳しいクレーム(中に激怒されている方もいらっしゃいます。)が現在猪木社や株式会社アシスト(以下「アシスト社」といいます。)に多数届いております。

 そして、ご存知のとおり、「1・2・3・ダァーッ!」も「闘魂」も株式会社アシストが商標権を有し(前者は登録番号第4562064号(41類)等、後者は登録番号第4575811号(41類)等、猪木社がその管理委託を受けており(なお、全日本プロレス株式会社は、令和5年11月16日に「闘魂スタイル」の商標出願(25類・41類)をしていますが、「闘魂」等の商標権を有する株式会社アシストは特許庁に対して同出願が拒絶になる旨の情報提供[商標法施行規則第19条]を提出済みです。)、今後もこのようなパフォーマンスが全日本プロレスの興行において繰り返されるということになれば、商標権侵害や不正競争防止法違反(周知な商品表示等の主体の混同惹記)として、差止めや損害賠償を求めていくことになります。

 猪木社としては、アントニオ猪木に関する多数の商標の権利者であるアシスト社や猪木氏の親族とともに、不世出のプロレスラーであるアントニオ猪木の商標・肖像、そしてその名誉や功績を厳重に管理保全していく所存であり、全日本プロレス及び中嶋選手におかれましても、興行の場で安易に無断で「1・2・3・ダァーッ!」等のパフォーマンスをされることのないよう警告いたします。

以上

プロ格 情報局