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4/12【スターダム】詩美ラストマッチで上谷との一騎打ち実現 完全燃焼でスターダムマットに別れ

『STARDOM in KORAKUEN 2024 Apr.』後楽園ホール(2024年4月12日)
○飯田沙耶&舞華vs上谷沙弥&林下詩美×
△林下詩美vs上谷沙弥△

 詩美がスターダムラストマッチで自ら希望した黄金世代対決で奮戦。最後は同期の飯田に敗れたが、急きょ盟友・上谷との一騎打ちも実現し、完全燃焼でスターダムマットに別れを告げた。

 3月いっぱいでスターダムを退団した詩美がついにラストマッチを迎えた。先日までゴッデス王座を保持していたアフロディーテの上谷と組み、ともに“スターダム黄金世代"と称されたワールド王者・舞華&飯田と激突。同世代対決で火花を散らした。

 大声援に迎えられた詩美はのっけから舞華とパワフルな肉弾戦を展開。途中で、1対3になる場面も見られたが、その後はアフロディーテらしい華麗な連係を披露した。一方、舞華は赤いベルトの王者らしく2人相手に大暴れを見せる。詩美とはラリアットで連続して正面衝突し、気持ちと気持ちをぶつけ合った。飯田の援護を受けて、アフロディーテの2人を雪崩式ブレーンバスターで同時に投げる離れ技も繰り出す。

 飯田も発奮し、こん身のマシンガン逆水平で詩美をメッタ打ち。詩美の反撃をものともせずに、ダブルチョップや飯田岩(変型ダイヤモンドカッター)などで同期を追い詰める。ならばと上谷が急行。相手2人を場外に追いやり、スワンダイブ式プランチャを敢行すると、「詩美、行け!」とゲキ。息を吹き返した詩美は飯田にラリアット、二段階式ジャーマンと大技ラッシュに出た。

 それでも飯田は脅威の粘りを発揮。トーチャーラックボムを切り抜け、飯田橋で丸め込んであわやの場面を作り出した。詩美&上谷はマジックキラーで鎮圧するが、舞華の加勢を受けると、飯田は両腕ラリアットをぶち込んで雄叫び。舞華とダブルインパクト式ダイビングショルダーまで敢行する。それでも詩美は肩を上げるが、飯田はラリアットを振り抜き、達者でな!(変型キン肉バスター)をズバリ。詩美から3カウントを奪った。

 ラストマッチでごう沈した詩美は必死にマイクを持つと、「これが餞別ならちょっとやり過ぎだわ」とぼやいたものの、「この黄金世代がある時代にプロレスラーをやってて、本当に幸せだわ。黄金世代でひめかみたいなデカくてかわいいヤツと出会って、プロレスってすげえ楽しいと思ったし、舞華みたいなライバルがいてくれたから、私のプロレス人生はさらに輝いた。ありがとう。飯田はたった2人の私たちだけのスターダム10期生。お前が本当の同期で、飯田の活躍が私の幸せだから、これから楽しみにしてるよ」と黄金世代のメンバーたちにメッセージを送る。そして、常に隣にいた上谷は「ずっと隣にいてくれて、パートナーでいてくれて、毎日が凄い楽しかった。ありがとう」と感謝。「黄金世代と試合ができてもう満足だよ。思い起こすことはない。皆さんありがとうございました」と満足げに振り返った。

 感傷的なムードに包まれたが、そこに「待った」をかけたのは上谷だった。「詩美さんとこうやってタッグが組めて、本当に幸せだったし、アフロディーテ最高だなって。でも、私まだ1つやり残したことがあるんですよ。シングルマッチ。皆さん、見たいですよね!」と突然、アピール。「5分1本勝負」という条件ながら、急遽、シングルマッチが実現した。

 2人は死力を振り絞り、スピーディな先制争いを展開。先に仕掛けた詩美はこうもり吊り落としからジャーマンを狙うも、こらえた上谷は二段蹴りを連発する。疲労困ぱいの中、互いの気持ちを確認するかのように、激しいエルボー合戦で火花。残り1分を切ると、上谷はビンタ、二段蹴り、スピンキックと怒とうのラッシュへ。引かない詩美もジャーマン2連発で巻き返したものの、上谷はフランケンシュタイナーを決めると、「詩美!」と絶叫しながら、何発もエルボーを振り下ろし、そのまま時間切れ引き分けとなった。

 試合後、2人は抱擁。最後まで見守っていた舞華は「我々黄金世代は凄く自由で個性豊かな集まりだと、本当に心の底から思うよ。リングが変わっても我々は変わらない。黄金世代第2章だ!」雄叫びを上げる。飯田も「当たり前よ! 我々黄金世代はリングに上がる限り、咲き続けて、散ることなく、こうやってあなたがたの目の前で弾け続けるぜ。黄金世代は終わらねえ!」とアピール。最後は飯田の提案で、「詩美、達者でな!」の大合唱で詩美を送り出した。

 詩美は感極まりながら客席に深々と礼。耐えきれずバックステージでは涙を流す場面も見られたが、「悔いはないわけじゃないけど、黄金世代で私は幸せだよ。本当に楽しい最後のスターダム、ありがとうございました。幸せです」と何度も“幸せ"と口に。最後は「高みからお前らのこと見守っててやるよ」「お前らもっと私ぐらい成長しろよな」と冗談を言って笑い合いつつ、舞華&飯田&上谷と握手を交わし、笑顔でスターダムマットでの戦いに区切りを付けた。



【試合後の詩美&上谷、舞華&飯田】

▼詩美「マジで楽しかったです。スターダム最高。ありがとうございました。もうボロボロだよ。2試合させられるなんて。本当に楽しかった」

▼舞華「(詩美が涙をこぼすと)あれ!? おっと?」

▼飯田「やめろ、やめろ。汗をかくんじゃねえ」

▼詩美「暑いな。悔いはもちろんないわけじゃないけど、この4人で同じ黄金世代で、幸せだよ、私は。本当に楽しい最後のスターダム。ありがとうございました。幸せです」

▼上谷「やっぱり今まで当たり前のように隣にいた詩美さんが次からもういなくなるって考えると、本当に寂しいけれど、やっぱり最後シングルマッチをして、しっかりと送り出せたので。私は悔いはないです。またネクストステージで会いましょう」

▼詩美「よろしく」

▼上谷「大きくなります」

▼詩美「待ってる」

▼舞華「私も詩美は当たり前のように対角にいて、たまに組むこともあったけど、対角のほうが本当に多くて。追い越し、追い越されけど、今はもう越しちゃったかな?」

▼詩美「そんなことないわ」

▼舞華「まあでもね、スターダムは私がいるから任しとけよ。好きなだけ暴れてこい。悔いのないようにこのプロレスラー人生を終わらせることがプロレスラーにとって一番大事なことなんじゃないかな。詩美の決断は間違ってないと思う。私たちの決断も間違ってないと思う。これからは別々になるかもしれないけど、でも黄金世代は2章でも3章でも4章でも5章でも、もう終わることのない物語だと思ってるから。今日で最後じゃねえよ。バカ。泣いてんじゃねえよ、バカども」

▼飯田「うるせえ、うるせえ。泣いてねえよ。ただの汗だ、コノヤロー。本当によ、詩美。唯一の10期生同期。いろいろあったよ、本当に。唯一だからこそ、思う気持ちがあって。入って初っぱな、詩美はもうテッペンに行ってさ。超悔しかった気持ちもあるしさ。でも、こうやって黄金世代として自分だって食らいついてやってきて、今日詩美からスリー取って。これから飯田はもっともっと成長して、今度はシングルでお前の前に立って、またスリー取って。この差がない同期と見られる、ライバルとして見られる飯田になるよ」

▼詩美「楽しみにしてるわ。ありがとうね、今日。今日は私のわがままで組ませてもらったカードだから、凄い楽しかった。お前たち最高。素晴らしい。ありがとう。じゃあ、高みからお前らのこと見守っててやるよ」

▼舞華「なにが高みだよ!」

▼詩美「お前らもっと私ぐらい成長しろよな。(涙を拭いながら)泣いてばっかいるんじゃねえよ。ありがとうね。ありがとう。(3人と握手を交わして去っていく)」

▼舞華「シングルマッチするか?」

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