9/8【新日本】コブがTV王座ドロー防衛、成田の襲撃表明に「ツブスゾ!」 辻はシングル初戴冠ならず

『Road to DESTRUCTION』東京・後楽園ホール(2024年9月8日)
NJPW WORLD認定TV選手権試合 △ジェフ・コブvs辻陽太△

　コブが辻相手にTV王座をドロー防衛。試合後、成田蓮に襲撃されて挑戦表明を受けると、「ツブスゾ!」と怒りをあらわにした。

　コブと辻は今年のG1公式戦で対戦。辻がジーンブラスター連発で勝利し、NEW JAPAN CUP公式戦に続いてコブを連破した。辻は勢いのままにG1決勝まで勝ち上がったものの、ザック・セイバーJr.に敗れて敗退。その直後、バックステージで辻の前に現れたコブは「いつでもどこでもいい。復讐がやって来るぞ。このベルトを懸けてもいい!」とリベンジマッチを要求し、後楽園2連戦・初日のメインで15分の時間制限があるTV王座戦が実現した。

　31歳の誕生日にシングル王座初戴冠を狙う辻が先に仕掛けた。体格に似合わぬ華麗な動きでコブの出鼻をくじくと、トペスイシーダで先制する。しかし、辻がブレーンバスターを狙った場面では逆にコブが引っこ抜き、投げ捨てブレーンバスターで反撃ののろし。顔面ドロップキックや雪崩式俵返しなどド迫力の攻撃を次々と浴びせて、10分経過の時点でコブが好機を掴んだ。

　コブのパワーに手を焼いた辻だったが、その巨体をブレーンバスターでぶん投げると、雪崩式パワーボム狙いをフランケンで切り返し、ヒザ蹴り、セブンティークロス(変型スパインボム)と怒とうの猛追を見せる。そして、マーロウクラッシュで仕留めにかかった。

　コブはこれを空中キャッチし、アスレチックプレックスにつなげる離れ技を披露。残り2分を切ると、掟破りの逆マーロウクラッシュ、逆ジーンブラスターと辻の必殺技を連発する。それでも沈まないとみるや、ツアー・オブ・ジ・アイランドの体勢に。

　粘る辻は首固めで切り返すと、ラリアットを食らいながらも、執念のジーンブラスターを放つ。だが、ヒザ蹴りで迎撃したコブはF-5000でぶん投げると、懸命にフォールするも、辻がキックアウトした瞬間、時間切れ引き分けのゴングが鳴った。

　15分では決着がつかず、コブがTV王座をドロー防衛。タイトルを死守したものの、NEW JAPAN CUPとG1で敗れた雪辱を果たせなかった。一方、辻も誕生日でのシングル初戴冠を逃す形に。納得のいかない表情を見せたコブだったが、ここで思わぬ男がリングに現れた。G1公式戦(7・25高松大会)でコブに勝利している成田だ。

　いきなり断頭台を決めてコブを叩きのめすと、返す刀で辻を改良型プッシュアップバーを殴りつけてKO。マイクを持つと、「おい、ジェフよ。G1で俺に負けといて、何がタイトルマッチだ、コノヤロー。ふざけんじゃねえぞ」と難癖を付ける。客席からはブーイングと「帰れ」コールが発生するが、どこ吹く風の成田はTV王座のベルトを手にすると、「このベルトを手にしていいのは俺だけなんだ。バーカ」と言い放ち、リングをあとに。

　邪魔が入って意気消沈したコブだったが、それでもマイクを持つと、「ヨウタ、おめでとう誕生日」と日本語で辻にメッセージ。そして、「ナリタ、ツブスゾ!」と成田への怒りを爆発させ、迎撃を示唆した。

　バックステージでも「こんな終わり方は望んでいなかった。俺はツジから勝ちを取り返したかった。もう少しだっただろう?」と仕留めきれなかった悔しさをあらわにしたコブは、改めて成田に言及。「シバタの元でトレーニングをしても頭が鈍かったのか、HOUSE OF TORTUREに入って……ナリタ、『G1』でも言ったように、HOUSE OF TORTUREは、俺が個人的にぶっ潰す」と拷問軍壊滅を見据えていた。

【コブの話】「(※床に座り込んで)こんな終わり方は望んでいなかった。俺はツジから勝ちを取り返したかった。もう少しだっただろう? まだ王座を持ってるから、勝ったということだと思うけど。もう少し、もう少しだった。でも、もう少しでは意味がない。もう少しも意味があるって曲もあったけど。ツジ、これまでも何度も言ったけど、俺はお前が嫌いじゃない。新世代の誰一人も、嫌ってはない。俺が嫌いなのは、お前らには全てが与えられているからだ。そんなお前らにも与えられないものが、この俺が持つ、(※手に持っているベルトを掲げ)TV王座だ。新世代で金を狙うヤツといえば、ナリタ。さっきリングでも言ったように……(※日本語で)ツ・ブ・ス・ゾ! (※英語に戻り)お前は目につきやすい。お前の力が足りず、ズルをして勝った『G1』でも言った通り……シバタの元でトレーニングをしても頭が鈍かったのか、HOUSE OF TORTUREに入って……ナリタ、『G1』でも言ったように、HOUSE OF TORTUREは、俺が個人的にぶっ潰す」

【成田の話】「オイ、ジェフよ、リング上で言った通りだよ。『G1』でよぉ、俺に負けといて、俺に完膚なきまでに叩きのめされて、何がタイトルマッチだ、あ? しかも辻だ? 俺から反則で勝った……あんなの勝ちか? いいか、ジェフ、辻、あのベルトを持っていいのは俺だけなんだ、バーカ!」

※辻はノーコメント