9/26【ストロングスタイル】初参戦・永田が奮闘 間下&シュレックとバチバチ火花で存在感
『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.30』後楽園ホール(2024年9月26日)
○スーパー・タイガー&永田裕志vs間下隼人&関根“シュレック”秀樹×
待望のストロングスタイル初参戦となった新日本の永田が大奮闘。間下&シュレックと火花を散らして、存在感を発揮した。
リアルジャパン時代から形にならなかった新日本・永田の参戦がついに実現。前レジェンド王者の間下が迎撃に名乗りを上げ、永田はS・タイガーと、間下はシュレックとそれぞれ組んで対戦することになった。
永田に見せつけるように、間下とS・タイガーが打撃戦を繰り広げると、永田が登場。場内は「永田」コールに包まれる。永田はシュレック相手に鋭い蹴りを連発。シュレックは真っ向から受け止めたものの、控えに回っても永田はカットに入るなどアグレッシブな動きを見せた。永田を強く意識して気迫溢れる間下は小林邦昭さんばりにS・タイガーのマスクに手をかけるなどして暴れ回るが、永田も引かず。控えに回った間下をフロントハイキックで場外に蹴落とすと、シュレックをエクスプロイダーでぶん投げた。
シュレックがハンマーパンチ連打からのアバランシュホールドでやり返すと、タッチをもらって間下がリングインし、永田と対峙。「なんだテメエは!」と吠えた永田はエルボー合戦を仕掛けた。間下のフロントハイキックにはフロントハイキックでお返し。永田は「こい、テメエ!」と叫ぶと、ブレーンバスターを仕掛けたものの、逆に間下が投げ飛ばす。だが、永田も浴びせ蹴りで譲らず、痛み分けとなった。
接戦の中で試合を制したのは永田との対戦を熱望しているS・タイガーだった。間下組の猛攻を受けると、永田と合わせて同時にシュレックのアイアンクローに捕まったものの、永田の延髄斬り、S・タイガーのスピンキックが立て続けにクリーンヒット。S・タイガーはローリングソバットで追い討ちすると、永田がナガタロックIIで間下を分断。S・タイガーはチキンウィングフェイスロックで絞め上げた。大技が連鎖して乱戦になるが、S・タイガーはハイキック、飛びヒザ蹴りと猛攻。永田が再び間下を足止めすると、最後はS・タイガーが牙斬(変型go 2 sleep)で3カウントを奪った。
試合後、永田と間下はしばらくにらみ合ったものの握手。永田はS・タイガーとも握手を交わし、2人で敬礼ポーズを披露した。
「僕がストロングスタイルプロレスに参戦できるようになったのも、最初は元はと言えば、小林邦昭さんが僕自身を佐山先生に引き合わせてくれたことがキッカケ」と今大会で追悼セレモニーが行われた小林さんに改めて感謝した永田は、「会場の雰囲気も不思議と僕に対して好意的だったんで。その中でシュレック選手と目があった時の強烈なバチバチ来る視線もあったし、間下選手も僕に敵意とは言わないですけど、物凄く意識を感じました」と刺激を受けた様子だった。
「ストロングスタイルの定義はどこにあるかというと、いろんな意味があるんです。ここの団体はここの団体なりのストロングをいろんな選手が模索しているんじゃないかなと。ガンガンぶつかり合って。でも、それだけじゃダメだし、何がストロングスタイルなのか、僕も32年間新日本でそういうものをずっと追求している。まだわからないですけどね」と理解を示すと、今後の参戦についても「オファーをいただければ」と前向き。「もし呼んでいただけるなら、ありがたく参戦させていただきますし、永田が不要とおっしゃられたら仕方ないですね」と語った。
その言葉を聞いたS・タイガーは「今日のお客さんの爆発力は永田選手が来てこそ。またぜひストロングスタイルに。間下もそうですし、他の選手も永田選手を意識してバチバチ来ると思います。僕自身も味方だけじゃなくて」と対戦に意欲。間下も「ミスター・IWGPだ? 超虎だ? 佐山聡の一番弟子だ? 恩返ししたいだ? クソッタレなこと言いやがってよ。全員ぶっ殺してムチャクチャにしてやる」とアピールしており、2度目の参戦が実現すれば、さらに激しい戦いが期待できそうだ。
【試合後の永田&S・タイガー】
――2人でタッグを組んだ感想は?
▼永田「やっぱりキレがありますね、S・タイガー。佐山先生のお弟子さんだけあって、蹴りとか、スピンキック系のキレは素晴らしいなと思いますよ。もうちょい場数も必要かなって。プラス、いい部分ばっかりじゃなくて、場数はもうちょっと踏めたらいいかなと」
▼S・タイガー「ミスター・IWGP、永田選手の背中を実際間近で見て、深みというものが早々真似できるものじゃないですし、レスリング、そして打撃の1つ1つも本当に深みの一言というか。今、僕が到達できないところですけど、必ずそこに少しでも近づけるように。それがまた佐山先生、そして猪木会長に対する恩返しだと思っています」
――試合前に小林邦昭さんの追悼式に出ていたが、どんなことを思った?
▼永田「今日、僕がストロングスタイルプロレスに参戦できるようになったのも、最初は元はと言えば、小林邦昭さんが僕自身を佐山先生に引き合わせてくれたことがキッカケですから。今から32年ぐらい前ですかね。あの大宮のシューティングジムに小林さんが連れていってくれて。僕が蹴りを覚え始めた頃で、『佐山のところに連れていってやるよ』と小林さんが言ってくれて、大宮のジムで手ほどきを受けたのが最初で。そこから何度か教えを乞いにお邪魔しましたし、それ以降もいろんな会場でお会いした時に佐山先生に声をかけていただけるようになって。まあ、佐山先生はUFOの一員として新日本プロレスに来られた時も、猪木会長と闘魂棒を持って、多摩川をずっと歩いて合同トレーニングをやったり。その間に当時出だした総合格闘技の技術というものを一緒にやらせていただいたり。蹴りもその時に教わりましたし、相手をテイクダウンする技術とか、そのタイミング等を教わって。それもすべて、小林邦昭さんが僕を佐山先生に引き合わせていただいたことがキッカケなんで。今日ももしかしたら小林さんが見てくれているなら、僕がこのストロングスタイルプロレスに上がっているのを喜んでくれていると思ってます」
▼S・タイガー「僕も佐山先生について最初に格闘技として入って、道場というか寮がありまして。そこに小林邦昭さんが来てくださって、新日本プロレス伝統のちゃんこの作り方を最初にやってもらったのが始まりで。そこから大会でお会いして。僕にとっては佐山先生とは違った親戚のおじさん的な身近な方だったので。それがこういう形になって。猪木会長もそうですし、少し寂しい思いは。その分、もっともっと頑張って、先輩たちに少しでも安心してもらえるように。その思いが今回は強かったですね」
――永田選手はシュレック選手と対戦してみてどうだった?
▼永田「怪物的なパワーで、蹴りをいくらやってもなかなか効かないし。蹴り一辺倒でもしょうがないかなと思って、けん制したんですけど、効かないですね、あの体。もろ出しを取ったからぶん投げてやろうと思ったけど、腰が重かったし。いくらぶち込んでもウワーッて顔して、ガーッと来られると、おいおいおいと。ちょっと人間離れした生命力というか、強靱な耐久力というのを感じましたね。格闘技の片手間ではなくて、本当の意味でプロレスに参戦されたら、とんでもない可能性を持っているんで。かと言って、総合格闘技でも貴重な選手ですから、僕がどうこう言うことじゃないかもしれないですけど、世の中にはああいう選手がいるんだなと感じました」
――ストロングスタイルプロレスは初参戦だったが、団体の雰囲気や選手はどう感じた?
▼永田「女子の選手は初めて会う人がいましたけど、男子の選手は結構会ったことがある人が多いので、そんなに違和感なく、会場の雰囲気も不思議と僕に対して好意的だったんで。その中でシュレック選手と目があった時の強烈なバチバチ来る視線もぶつかり合ったし、間下選手も僕に敵意とは言わないですけど、物凄く意識を感じました」
――名前の通り、ストロングスタイルを感じた?
▼永田「ストロングスタイルの定義はどこにあるかというと、いろんな意味があるんです。ここの団体はここの団体なりのストロングをいろんな選手たちが模索しているんじゃないかなと。ガンガンぶつかり合って、蹴っ飛ばして。でも、それだけじゃダメだし、何がストロングスタイルなのか、僕も32年間、新日本でそういうものをずっと追求している。まだわからないですけどね。彼らもわからないながらも追求しているのは、試合を見て感じました」
――今後の参戦については?
▼永田「オファーをいただければ。とりあえず今回は、ずっと10年以上前からリアルジャパンプロレスの時から参戦を熱望していたんですが、なかなかいろいろな大人の事情で、こちらに参戦させていただくことはできなかったんです。だから、今年、新日本プロレスの菅林会長にお願いしたところ、こういう形で参戦が決まったのでよかったです。もし呼んでいただけるなら、ありがたく参戦させていただきますし、永田が不要とおっしゃられたら仕方ないですね」
▼S・タイガー「今日のお客さんの爆発力は永田選手が来てこそ。またぜひストロングスタイルに。まだまだ間下もそうですし、シュレック選手も、他の選手も永田選手を意識してバチバチ来ると思います。僕自身も味方だけじゃなくて」
▼永田「やってないもんね」
▼S・タイガー「そういう形もまた」
【間下の話】「勝った気になってんじゃねえぞ、コノヤロー。ストロングスタイルプロレスはベルトがあろうがなかろうが、俺が引っ張っていくってもう決まってんだから。ミスター・IWGPだ? 超虎だ? 佐山聡の一番弟子だ? 恩返ししたいだ? クソッタレなこと言いやがってよ。全員ぶっ殺してムチャクチャにしてやる」
