【スターダム】Sareeeが朱里との30分超激闘制してIWGP女子初戴冠 「もっと刺激的なベルトにしていく」 2025/6/21

『STARDOM THE CONVERSION 2025』国立代々木競技場 第二体育館(2025年6月21日)
IWGP女子選手権試合 ○Sareee vs 朱里×

 Sareeeが朱里を激闘の末に破り、IWGP女子王座初戴冠。「このベルトを巻いたからには、このIWGP女子のベルトをもっともっともっと刺激的なものにしていきます」と誓った。

 朱里は4・27横浜アリーナ大会でIWGP女子王座初戴冠。試合後、Sareeeが現れて挑戦を表明した。5・11後楽園大会にも来場したSareeeは舞台を6・21代々木大会に指定。朱里はEVE6・6ロンドン大会でアレックス・ウインザーを退け、初防衛に成功し、この日のV2戦を迎えた。両者はSareee-ISM3・10新宿大会で引き分けて以来、3ヵ月ぶりの再戦にして決着戦となった。

 まずは朱里が腕十字で絞め上げたり、サッカーボールキック連打で蹴りまくったりと先制。Sareeeもサッカーボールキックでやり返し、入場花道上で馬乗りになっての殴り合いを繰り広げる。朱里がスライディングキックで顔面を射抜いて場外に蹴落とすと、エプロンからのランニングニーを狙ったが、キャッチしたSareeeはドラゴンスクリューでひねり上げた。

 リング内外でエルボー合戦を展開すると、Sareeeがダイビングフットスタンプを連発して勝機を作る。ドラゴンスクリュー、その場飛びフットスタンプ、ダイビングフットスタンプと左足を狙い撃ち。顔面への低空ドロップキックを挟んで足4の字固めで捕らえた。

 耐えた朱里は起死回生のジャーマンで逆襲。胴締めスリーパーで執ように絞め上げた。逃れたSareeeが延髄斬りで反撃しても朱里はコードブレイカーで応戦し、頭突き連打には頭突き連打を返して譲らず。ともにリング下に転落すると、リングアウト寸前に生還した。

 意地の攻防は激化。ジャーマンで投げ合うと、朱里がサッカーボールキック5連発を浴びせる。動きが止まったかに思われたSareeeだが、その場飛びフットスタンプで逆襲。ヒザ十字固め→アキレス腱固めで絡みつく。再びヒザ十字固めで絞め上げたが、朱里も王者の意地で耐え抜いた。

 コーナーに上がったSareeeを朱里はアームホイップで固めながらの雪崩式スープレックスで叩き落とす。すかさず腕ひしぎ逆十字、朱雀で絞め上げ、トップロープに乗せてのDDTで挽回。Sareeeがウラカンラナ、逆打ちと丸め込みを連発しても、飛びヒザ蹴りをお見舞い。ハイキックをカウンターで放ち、Sareeeがソバットで応戦してもランニングニーをぶち込み、朱雀で捕らえた。

 それでもSareeeはギブアップしない。ならばと朱里は流炎、バズソーキックとたたみかけたが、Sareeeも朱世界は決めさせず。頭突き連打を浴びせ、えげつないランニングフットスタンプをお見舞い。裏投げ3連発で一気に勝負をかける。朱里もハイキック、頭突きで反撃するものの、Sareeeは裏投げで徹底抗戦。クラッチ式裏投げでダメ押しして3カウントを奪った。

 30分を超える激闘の末、Sareeeが朱里を破ってIWGP女子王座を戴冠を果たした。試合後、Sareeeは「このベルト、私とかけてくれて、Sareee-ISMで戦ってくれて、本当に数少ない絶対に負けたくないライバルだと思ってます。今日は本当にありがとうございました」と朱里に感謝。「私たちにこれ以上の言葉いらないでしょ? またあなたと戦うのを楽しみにしてるから。こんなんでくじけるんじゃねえぞ!」とメッセージを送った。

 すると朱里も「くじけてなんかねえよ!」と返答。「でもSareee、強かったよ。今日は負けたよ。負けたけど、私は絶対にこのベルトを取り戻してみせる。覚えててよ!」と誓いを立てるように返した。

 朱里が去り、リングに一人残ったSareeeは「やったぞ! やっと獲った。第5代IWGP女子チャンピオンのSareeeです。私は誰に何と言われようが自分を信じてここまでやってきた。その結果が去年の女子プロレス大賞に結びついて、そして今日、ずっと目標としていたIWGP女子チャンピオンになりました」と喜びを爆発。一部から心無いヤジが飛ぶ中、「私はリングの上でウソをつかない。汗も涙もすべて戦いの魂なんですよ。私はこのベルトを巻いたからには、このIWGP女子のベルトをもっともっともっと刺激的なものにしていきます」と誓って締めた。

 Sareeeは生前のアントニオ猪木さんと親交があった。その猪木さんが端緒であるIWGPの4文字を背負うことになり、「このベルトの責任ってとんでもないぐらい重い重いものだと覚悟できてるので、私がこのベルトを巻いたからには、絶対に恥のないようにこれから進んでいこうと思ってます」と覚悟を示したSareeeは「私は絶対逃げたりしない。守るだけのベルトなんかに絶対しないんで。誰が相手でも受けて立ちますよ」と猪木イズムをのぞかせながら言い切ってみせた。

【試合後のSareee】

▼Sareee「やっとIWGP私が一番欲しかった、アメリカから帰ってきてからいろんなこと言われてきました。失敗しただの、やりきれなかっただの、いろいろ言われましたけど、今日が私にとって、この結果が私を全て救ってくれたなと思ってます。本当にあきらめなくてよかったなと思ってます。プロレスの神様ってやっぱいて、頑張ってれば後押ししてくれるんだなって実感してます。岩谷麻優から本当はこのベルトを獲りたかった。一回負けてるんでね。でも、それ以上に私は今日、朱里と戦えて本当によかったなと思ってます。本当に強かったし、だからこそ獲った意味があると思ってます。このベルトの責任ってとんでもないぐらい重い重いものだと覚悟できてるので、私がこのベルトを巻いたからには、絶対に恥のないようにこれから進んでいこうと思ってます。私は絶対逃げたりしない。守るだけのベルトなんかに絶対しないんで。誰が相手でも受けて立ちますよ。今日でスターダムの選手、私がこのベルト巻いて誰一人としてリングに上がってこなかった。それでいいのかよ? 本当にそれでいいのかよって私は思います。これから誰が一番最初にこのベルトを狙いにくるのか凄く楽しみです。でも私は絶対そう簡単には渡さないんで。このベルトを世界中で一番のベルトに必ずしていきます。今日はありがとうございます。ここからが始まりだと思って進んでいきます」

――IWGPベルトの感触は?

▼Sareee「最高です。凄く重いけど、今の私にピッタリで一番似合ってるんじゃないかなって自分で思うんですけど。似合うのを決めるのは私じゃなくてファンの皆さんだと思ってるんで。今日も私が獲っていろいろ叫んでる人いましたけど、あいつらも私は必ず認めさせるんで、まったく悔しくもなんともないです。今に見てろよって思います」