【新日本】オーカーンが帝国軍の現状に危機感も「高品質の生贄」探求を宣言 2025/8/16

『G1 CLIMAX 35』有明アリーナ(2025年8月16日)
○カラム・ニューマン&グレート-O-カーン&ジェイコブ・オースティン・ヤングvs棚橋弘至&エル・ファンタズモ&村島克哉×

 オーカーンがUNITED EMPIREの現状に危機感をのぞかせつつ「グレート・ムタのような高品質の生贄」の探求を宣言した。

 オーカーンは5度目のG1出場となったものの、4勝5敗と負け越しでBブロック敗退に終わった。この日はニューマン&ヤングとのUNITED EMPIREトリオで棚橋&ファンタズモ&村島と対戦した。

 試合前、オーカーンが棚橋に詰め寄って挑発。その両者が先発で向き合うと、「棚橋!」コールの中、棚橋が反転式ダイビングボディアタックで先手を取る。ファンタズモとのダブルタックルでオーカーンをなぎ倒すと、棚橋、ファンタズモ、村島の順でサマーソルトドロップを投下。3人でエアギターをかき鳴らした。

 その後、帝国軍もヤングが棚橋に掟破りの逆スリングブレイドを決め、オーカーンがモンゴリアンチョップを連発して挽回。棚橋を玉座の餌食にしたが、掟破りの逆モンゴリアン、ドラゴン張り手で反撃を許した。

 ファンタズモには場外へのサンダーキス'86を食らい、トップロープからのダイビングサマーソルトドロップ、ライオンサルトの連続攻撃を浴びたが、オーカーンは豪快な飛行機投げで反撃。一本背負いはファンタズモが投げを打って切り返しても、オーカーンはダイブ攻撃を正拳突きで撃墜した。

 村島がニューマンに攻勢に出ると、棚橋がスリングブレイドで援護射撃。応えたい村島もアバランシュホールドで叩きつけたが、逆エビ固めは決められず。ジャンピングニー、ランニングローキックと蹴りまくったニューマンはダイビングフットスタンプが不発に終わっても、ハイキック、ファイアーボルトでたたみかけて3カウントを奪った。

 試合後、オーカーンは棚橋の眼前で仁王立ち。8・13後楽園大会で「まだまだUNITED EMPIREを復興させる機会はたくさんある。そのためにも次の獲物を決めなきゃいけない」と発言していたが、この日は一転「来年は支配できるだろう。だが、それまでにUNITED EMPIREがあるかどうか。この有明アリーナ、UNITED EMPIREでのラストマッチになるかもしれない」と危機感を口に。それでも「余の辞書に『諦める』という言葉はない」と言い切った。

 オーカーンは2022年10・26有明アリーナ大会でグレート・ムタ新日本ラストマッチの相手を務めた。同じ会場で当時を思い返したオーカーンは「UNITED EMPIREがさらに復興するために必要な生贄は、グレート・ムタのような高品質の生贄でなければならない」とし、「どこかに確かラストマッチの相手は……そういうアニバーサリー的な……より余の勝利を、UNITED EMPIREの勝利を高められる存在はどこにいる? うーん……考えておくか」と続け、獲物を探し求める構えをみせていた。

【試合後のオーカーン&ヤング】

▼オーカーン「(※拍手しながらヤングとともに現れ)素晴らしい、素晴らしい! 今宵も勝利だ。(※ヤングと腕を合わせる)そう、『G1 CLIMAX』前はシリーズ通して全敗だった。『G1 CLIMAX』も余とカラムが出場したが、惜しいところまで行ったが、あとちょっとの差で支配を逃してしまった。ま、来年は支配できるだろう。だが、それまでにUNITED EMPIREがあるかどうか。この会場に来ると思い出す。グレート・ムタの新日本プロレス・ラストマッチの処刑を務めたのは、この余だ。あの時は、あのグレート・ムタを新日本プロレスで一番最後に処刑できるというチャンスと栄光に溢れていた。だが、どうだ。この有明アリーナ、UNITED EMPIREでのラストマッチになるかもしれない。だが、それでも余の辞書に『諦める』という言葉はない。今宵も先日の後楽園も余たちが勝利を支配した。そのための生贄はUNITED EMPIREがさらに復興するために必要な生贄は、グレート・ムタのような高品質の生贄でなければならない。どこかに確かラストマッチの相手は……そういうアニバーサリー的な……より余の勝利を、UNITED EMPIREの勝利を高められる存在はどこにいる? うーん……考えておくか……」

▼ヤング「手短に素敵なコメントを残すよ。カラムは一人でお祝いに行ってしまったからな。俺はジェイコブ・オースティン・ヤング。スリングブレイドとエアギターがとっても得意だ。俺たちは! UNITED EMPIRE!(※ポーズを取って)CROWNS UP!」

※ニューマンはノーコメント


【試合後の棚橋&ファンタズモ&村島】

▼棚橋「改めて、EMPIREは勢いがあると思ったよ。オーカーンは他の選手と違う道を歩んでると思う。それが上村、成田、海野、辻とは違う、また化学反応を起こすと俺は思ってる。期待してる……といえば期待してる。ファイナルロードはまだまだ続いてくけど、(※筋肉に力を入れて)コンディションを上げていく。それが期待感につながる。そういうことだと思うんで、(※再度、筋肉に力を入れて)もう少し頑張ります」

※村島がインタビュースペースに来ると、コメントを終えて立ち去りかけていた棚橋がそばに寄る

▼棚橋「元気よく。今シリーズの反省と、次の……こういう時はな、試合後ってのはな、頭打って何も浮かばないかもしれない。けどな、その時の気持ちをな、素直に言えばいい」

▼村島「ハイ!」

※ファンタズモも村島の横に立って見守る

▼棚橋「悔しいのか、次どうしたいのか、最終的にどうなりたいのか。な、今シリーズ、そして先シリーズ。な、頑張れよ!(※先に立ち去る)」

▼村島「ああ、クソ! まだちょっと頭がヤバいし、何が何だかよくわかってない状況だけど、とりあえずボコボコにされたってことだけは覚えてるよ。やっぱ裏の裏を読んでも、またその裏を読まれる。それがレスラーなんだなと、また今日の試合で実感したよ。けど! 俺は絶対に諦めない。諦めるということは絶対にしない。G1シリーズ、明日は試合カードまだ発表されてないけど、絶対、俺は諦めないぞ!」

▼ファンタズモ「(※村島のコメントを横で見守り、見送って)今日じゃないかもしれない。明日もまだ無理かもしれない。でも、いつかきっとできるようになる。そして、プロレスで勝つ喜びがどれほど最高か、きっとわかるはずだ。でも今の俺はそういう経験があまりできてないんだ、わかるだろ? プロレスは俺の人生だ。毎日、毎時、毎秒、俺はプロレスのことを考えてるか、プロレスをするために移動をしてるか、プロレスを宣伝してるかファンのためにTシャツやサングラスを作ったりしてる。それこそがプロレスの本質なんだ。ファンを喜ばせて、レスラーたちも幸せになる。そして、勝てなければ俺たちは幸せじゃないんだ。今日もアリアケアリーナというデカい会場で、ヒロシ・タナハシやELPがトップロープに立っていたかもしれない。ハイフライフローやサンダーキス'86を見て観客は大熱狂していたかもしれない。でも実現できなかった。マジでクソだ……ダメな自分でいるのもホント嫌になる。(※立ち去りながら)ごめん……」