【新日本】引退控える棚橋が来場・清宮のタッグ結成要請を快諾 ノア10・11両国参戦へ 2025/9/28

『DESTRUCTION in KOBE』兵庫・神戸ワールド記念ホール(2025年9月28日)
棚橋弘至ファイナルロード〜継(つなぐ) ○棚橋弘至vsグレート-O-カーン×

 ファイナルロードを突き進む棚橋がオーカーンを技あり撃破。試合後、電撃来場したNOAHの清宮海斗から「棚橋弘至と同じ景色を自分は見てみたいです。10月11日、NOAH両国大会で自分とタッグを組んでください」と要請を受けると、握手で快諾した。

 来年の1・4東京ドーム大会での引退に向けて、ファイナルロードを走り続けている棚橋。自身の思いを伝えたい選手とは「継(つなぐ)」のタイトルで胸を貸してきたが、神戸ワールド記念ホール大会では以前より逸材との対戦に興味を示していて、UNITED EMPIRE復興のために「グレート・ムタ級の高品質の生け贄」を探していたオーカーンと対戦することになった。

 2018年6月に突如としてイギリスマットに現れたオーカーンだが、正体と目されている男はかつて棚橋の付き人を務めていた。棚橋は「仮に僕が知っている人物であれば、彼をなんとかしたいという気持ちはずっとあった」とオーカーンの対戦要求を受諾する形となった。

 過去の戦績は棚橋の2戦2勝。初勝利を狙うオーカーンは積極果敢にグラウンド戦を仕掛けると、右ヒザへの一点集中攻撃で試合を優勢に進める。対する棚橋はお株を奪うモンゴリアンチョップから反撃へ。エルボー合戦に発展すると、腰砕けになったオーカーンに対してゲキを飛ばすように何度も絶叫。正拳突きを食らっても倒れず、スリングブレイドからハイフライフローを投下した。

 オーカーンはヒザを立てて迎撃。大空スバル式羊殺しから掟破りの逆スリングブレイドを繰り出すと、アイアンクロー式スリングブレイドまで決めてみせた。そして、エリミネーターで仕留めにかかったものの、その瞬間、棚橋が巧みに丸め込み、技ありの勝利を奪った。

 棚橋が一瞬のスキを突いてオーカーンを撃破。敗れたオーカーンはぼう然とするしかない。リング上でオーカーンに改めてゲキを飛ばした棚橋がコーナーに上がって歓声に応えようとすると、ここで突然、NOAH・清宮が入場テーマ曲に乗って花道から現れた。清宮はNOAHで9月に開催されたリーグ戦・N-1 VICTORYに連覇を狙って出場したものの、ブロック突破ならず。新たな動きを模索している中で、行動に出たのだ。

 清宮は「棚橋さん。先日は『TANAHASHI JAM』という大切な舞台に呼んでくださり、ありがとうございました。棚橋さんの25年間の歴史の重さ、改めて感じさせていただきました。今日は最後のお願いがあって参りました」と切り出すと、「引退される前に、NOAHのリングに上がって欲しいです。NOAHで戦う棚橋弘至を自分に体感させてください。前回は対角線でしたが、次は隣に立って、棚橋弘至と同じ景色を自分は見てみたいです。10月11日、NOAH両国大会で自分とタッグを組んでください。よろしくお願いします」と熱く呼びかけた。これを受け止めた棚橋は握手で快諾。NOAH両国大会参戦と清宮とのタッグ結成が決定的となった。

 棚橋と清宮は今年の6・29愛知県体育館大会『TANAHASHI JAM〜至(いたる)』においてタッグ対決(棚橋&丸藤正道vs清宮&大岩陵平)が実現している。また、2023年の6月8日に両国国技館で開催された『ALL TOGETHER AGAIN』において、全日本プロレスの宮原健斗とともにエーストリオを結成し、オカダ・カズチカ&青柳優馬&拳王組と対戦。2022年1月8日の横浜アリーナ大会で行われた新日本とNOAHの対抗戦ではタッグマッチ(オカダ&棚橋vs武藤敬司&清宮)で激突していた。二人のそろい踏みが今度はNOAHマットで実現することになりそうだ。

【棚橋の話】「僕の記憶が間違ってなければ、グレート-O-カーンとのシングルは3回目。で、不思議と分がいい3勝。でも、俺はね、オーカーンにはとても期待してる部分があって。考え方一つなんだよね、考え方一つ。岡は……違う、オーカーンは自分の価値観で、自分の世界観で新日本プロレスで闘おうとしている。それは彼自身にとってはとても難しいことかもしれない。難しいことかもしれないけど、彼なりのやり方を、彼のこの考えを貫き通して、突き抜けた時にどういう存在になっているのか、俺は見てみたい。周りの意見に流されるのか。それとも彼の己の信念を貫き通すのか。俺はこの先もオーカーンをしっかりと見続けます、はい。(※一度引き上げてからまた戻ってきて)まだまだあるよ。10月11日。今日、清宮選手がわざわざここまでご足労いただいたので、その熱意感じて、出ますよ。そしてその先、すぐ新日本プロレスの両国大会、13日があるから。次は名乗りを上げてくれてるのはファンタズモかな。組んだり闘ったりしてきたけども、彼がそうやってね、自分から僕の名前を出して闘いたいって言ってくれるのは凄く意外だったけども、意外だからこそ、そこにまた新たな発見があると。やりますか。(※身体を後方に反りながら)ムーンサルト。ちょっくら期待しててください」

【オーカーンの話】「誰がどう見たって勝っていたのは余だろう! それを最後の最後まで惨めったらしくあがきやがって。情ねぇよ。情けない! 本当に……(※目頭を押さえて言葉に詰まりながら)情けなく……(※と言って、しばらく無言で背を向けてしまう)。オーカーン流スリングブレイドも伝授じゃないぞ。天山のTTD同様、略奪してやったんだ! ずっと、ずっと前から準備をしていたんだよ! 貴様ら愚民が想像するよりもずっと前から、棚橋弘至を超えることをずっと準備してきた。でも、リングでもう決着がつかねぇことは理解している。だから、あいつは社長でずっと居座るんだろう、この新日本に。だったら、あいつの口から……今宵のリングで最後言ったな、貴様! 棚橋! 『俺を超えたな』って、その口でハッキリと愚民の前でちゃんと言わせてやる! これから余のレスラー人生、全てを懸けて貴様を超えてやる。覚悟の準備しとけ」