【新日本】ヒロムが石森撃破でGHCジュニア初防衛 電撃来場・Eitaが襲撃KO「お前の思い通りにはさせねえ」 2025/9/28

『DESTRUCTION in KOBE』兵庫・神戸ワールド記念ホール(2025年9月28日)
GHCジュニアヘビー級選手権試合 ○高橋ヒロムvs石森太二×

 ヒロムがかつての必殺技を連発して猛攻に出た石森を破って、GHCジュニア王座初防衛に成功。試合後、次期挑戦者のEitaが乱入し、Imperial UnoでヒロムをKOした。

 無所属とBC WAR DOGSのシングル3番勝負として組まれたヒロムと石森の一騎打ちだったが、ヒロムがNOAH9・8後楽園大会でGHCジュニアヘビー級王座を獲得。そのヒロムが9・24札幌大会での石森との前哨戦で、急所蹴りから丸め込まれて直接3カウントを奪われてしまった。ヒロムは「こんな屈辱的な負け方じゃ、もし神戸であんたとシングルマッチをして勝ったところで、まったく気が済まねえな」と王者の独断としてGHCジュニア戦への変更を発表した。

 ノアジュニア勢から大きな反発を生んだものの、最終的にヒロムのアピールが受け入れられ、新日本マットでは21年ぶりとなるGHCジュニア戦の開催が決定。勝者がNOAH10・11両国大会でEitaの挑戦を受けて立つことになった。約8年ぶりに古巣・NOAHのベルトに挑むことになった石森だったが、「あいつの持っているベルトに対してまったく興味がねえし、欲しくない」と強調。「もし俺が勝ってベルトを獲ったら、防衛戦はNOAHではやらない。新日本でしかやらねえ。これが条件だ」とヒロムに突きつけていた。

 のっけから激しい裏の読み合いに。互いにツームストンパイルドライバーの体勢に入って何度もポジションが逆転。ヒロムは早くもサンセットフリップパワーボムへ。しかし、バク宙で場外に不時着した石森はエプロンを踏み台にしての飛びつきフランケンで先制。ブエロ・デ・アギラを敢行した。ヒロムも反撃に出るが、エプロンからのショットガンドロップキックは不発。石森はヒロムの左肩を連続して鉄柱に叩きつけると、その後も左肩を狙い撃ちにした。

 ヒロムは風車式バックブリーカーを連発して反撃ののろし。ファルコンアローもさく裂。石森がレフェリーの死角を突いて急所蹴りを狙っても、しっかりと阻止し、逆に急所蹴りを偽装して勝利をアピールした。だが、石森は無法地帯を作り上げると、急所蹴りから外道クラッチでクルリ。前哨戦と同じパターンに持ち込まれたものの、ヒロムはなんとか肩を上げた。

 攻勢に出た石森は滅多に見せない、かつての必殺技450°スプラッシュを投下。自ら腹部を押さえて苦もんしたものの、今度は若手時代の必殺技スーパースターエルボーへ。まさかの動きだったが、空中でキャッチしたヒロムはEitaの必殺技トラウマで顔面をカチ上げると、ヒロムちゃんボンバー、TIME BOMB1.5と大技ラッシュ。TIME BOMBで仕留めにかかる。

 不時着した石森はラ・ミスティカからBone Lockに捕獲したものの、ヒロムは即座にロープに逃れた。石森はブラディークロスをしつこく狙うも、ヒロムは名も無きヒロムロールで抵抗。肩を上げた石森は再びラ・ミスティカを連続して狙ったものの、ヒロムが空中でキャッチしてTIME BOMB2で叩きつけた。そして、正調TIME BOMBでダメ押し。3カウントを奪った。

 ヒロムが接戦を制してGHCジュニア王座防衛に成功。同王座の最多防衛記録保持者である石森はそのベルトを手にすると、ヒロムに自ら手渡し、胸を叩いて激励した。

 そんなヒロムの前に、次期挑戦者であるEitaが登場。ベルトを掲げるヒロムの背後に立つと、Imperial Unoをぶち込んでKOした。新日本の観客からはブーイングが飛んだものの、Eitaは余裕の表情を見せ、「高橋ヒロム、NOAHのベルトでやりたい放題やってくれたな。だから、俺も今からやりたい放題にやらせてもらうぞ」と言い放つと、ストンピングでメッタ打ちにした。

 ブーイングが激しくなったが、Eitaは「ブーイングじゃねえだろ? ここは。俺はよ、神戸に15年以上住んでたんだぞ。ここはブーイングじゃなくて、歓声と拍手じゃねえのか?」と煽る。ヒロムを踏みつけながら「高橋ヒロム、よそ見すんじゃねえぞ。お前の相手はこの俺、ノアジュニアの顔、Eitaだ。これ以上、お前の思い通りにはさせねえからな」と三沢光晴さんを思わせる言い回しで断言。「10月11日、NOAH両国大会、高橋ヒロム、ただじゃすまねえからな」と通告すると、腹部にマイクを投げつけ、ヒロムに手を振りながらリングをあとにした。

 一方、ヒロムはバックステージで「10月11日のEitaさん、あなたを倒しちゃったら、もう、ある意味フルコースを味わったことになっちゃうのかな? いきなりメインディッシュですからね。大丈夫、安心してください。ちゃんと10月11日、NOAH両国国技館大会の対戦相手は、この高橋ヒロムですよ。キッチリ潰してやるから楽しみに待っててください」と通告。今回のV1戦に反発しながら姿を見せなかったノアジュニア勢へ向けて「SNSであれだけメチャクチャ怒ってた皆さんは来なかったんですか。そっか、遠いですもんね、神戸。ま、でも昔から言ってますが、日本全国、近所だと思いますよ。来ようと思えば来れたんじゃないですかね? 全然、時間があったと思いますよ。ま、来なかったということは、それまでということでしょう」とけん制していた。

【ヒロムの話】「はぁ、タイトルマッチだったんだ……。勝ったんだ……。なんか、最後あんなことあったからさ、ちょっとよくわかんなくなっちゃった……。Eitaさん、ようこそ新日本プロレスへ。やっと、自分の団体のベルトが流出した意味を理解し始めたみたいですね。心配でしたか、Eitaさん? 俺がもしかしたら負けるんじゃないかって。大事な両国のカードが変わるんじゃないかって。心配でしたか? それにしても、記憶が確かなのであれば、(試合後のリング上には)Eita選手しかいなかったような気がするんですけど。SNSであれだけメチャクチャ怒ってた皆さんは、来なかったんですか。そっか、遠いですもんね、神戸。ま、でも、昔から言ってますが、日本全国、近所だと思いますよ。来ようと思えば来れたんじゃないですかね? 全然、時間があったと思いますよ。ま、来なかったということは、それまでということでしょう。ということで、10月11日の、Eitaさん、あなたを倒しちゃったら、もう、ある意味フルコースを味わったことになっちゃうのかな? いきなりメインディッシュですからね。大丈夫、安心してください。ちゃんと10月11日、NOAH両国国技館大会の対戦相手は、この高橋ヒロムですよ。キッチリ潰してやるから、楽しみに待っててください。(※左頬を撫でながら)2発も味合わせてくれてありがとう、あんな痛いものを。さて、あの石森さんを、GHCジュニアヘビー級王座10度連続防衛を果たしたその石森さんを倒したんだ……こんなめでたいことはない。そして、その男から、このベルト、手渡しされて、なんて言われたと思う? 一言、『頼んだ』って言ったんだぞ。この意味がわかるか、ノアジュニア? 来た人間と、来なかった人間の違いはデカイぞ。(※祝杯用に用意されていた缶ビールのプルトップを開けて)ということで、(※取り囲んでいる報道陣に向かって)皆さん、1本ずついきますか? いきます、1本ずつ? いかないですか? まだお仕事中ですもんね。ありがとう、乾杯! (※自分で音頭を取って、缶ビールを半分ほど飲むと)あーーーーーーッ……はぁ……(※一気に酔いが回ってきたようで)染みるぜ……。(※ゆっくり立ち上がるも足元がふらついて)ちょっと、もうダメだ……。さすがに今日は……。(※ふらつく足取りで控室に向かいながら)肩も、口も痛え……」

【石森の話】「(※フロアに座り込んで)クソッ……高橋ヒロムに負けたことがくやしい。それ以外は、なんもねえよ。興味ねえからな……と言いてえとこだけど……。まあ、俺の歴史をたどれば、そしてあのベルトの歴史をたどれば、俺が言葉にしなくても、言いたいことわかるだろ、なあ? だが、言う権利があるなら、これだけは言わしてもらう。ヒロム、お前、頼んだぞ。じゃあな、GHCジュニア! ということで! これはまさしく、神の恵み。そう、グレイスだ」

【Eitaの話】「いやあ、新日本プロレス、ワールド記念ホールに来ちゃった……。まず、謝らないといけないな、これは。新日本プロレスファンの皆さん、すいませんでした。(※と言って頭を下げると)今日は、もう1人のEitaが暴れちゃって、ね。こんなつもりじゃなかったんですけど。仕方ない……。まあ全然、俺、こんなんじゃスッキリしてないから。まあ今日は、高橋ヒロムが勝ったから、これで正式に決定だな。NOAH10月11日、両国、高橋ヒロム対Eita。覚悟しとけよ、オラ、高橋ヒロム。こんなんで済まないからな、オイ……」