【NOAH】100Kg砂袋…稲村が猛暑のストロングマン・トレーニング敢行 N-1へ「剛よく柔を制す」の誓い 2024/8/2
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開幕目前となった『N-1 VICTORY 2024』出場を控える稲村愛輝が2日、過酷競技「ストロングマン」の日本第一人者・中嶋健詞さんと合同練習。酷暑のなかで100Kgの砂袋を担ぎまくり、夏の頂に向けて“剛よく柔を制す"の誓いを立てた。 N-1開幕を2日後に控えたこの日。稲村の姿は日本ストロングマン協会(JSU)のガレージにあった。「ストロングマン」とは巨大な石、タイヤやトラックなどを持ち上げたり、持って走ったりする過酷競技。プロレスでパワーを培うにはウエイトやマシントレーニングが一般的だが、稲村はこのストロングマン式トレーニングを取り入れてきた。 5年前に350Kgの巨大タイヤをNOAH道場に持ち込み、持ち上げてはひっくり返す日々。あえてつかみにくい、いびつな物体を扱うことで、より実戦的なパワーが身につき、動く相手をぶっこ抜いたり、強引に担いだり、時には担ぎ替えたりする力技はいまや稲村の代名詞となっている。 そのストロングマン式トレーニングを稲村に授けたのが日本ストロングマン協会代表の中嶋さんだった。巨大タイヤも中嶋さんから譲り受けたもの。この日の合同練習では、『ログ』と呼ばれる約100Kgの丸太状の器具を上下させたり、100Kgの砂袋を何度も抱え上げた。 40度近いガレージで大粒の汗を滴らせながら取材に応じた稲村は、「イギリス遠征から帰ってきて初めてお会いしたんですが、久々にお会いしても中嶋さんはどんどんデカく、強くなっていて。ずっと背中を追い続けてきた僕の憧れですし、やっぱり『デカいってかっこいいな』って思いました」と目を輝かせ、自身より一回り大きい師匠との再会で“強男魂"を燃え上がらせた。 いずれはストロングマンの国内大会にも挑戦したい意向で、中嶋さんも「トレーニングに来るたびにメキメキ強くなって、上達していって。それこそ『ストロングマンの選手として出てきたら怖いな』って思うぐらいの成長速度で…」と稲村のポテンシャルを高く評価。N-1に向けても「イギリスから帰ってきて体はシェイプされてますけど、今日一緒にやった感じだとパワーは全然落ちてないですし、洗練された部分もすごく感じたので、今後の稲村選手、本当に楽しみです」と背中を押した。 8・4横浜武道館大会での開幕戦では、元UFCファイターの現GHCナショナル王者・佐々木憂流迦と激突する。「今回トレーニングをお願いしたのも、それが一番大きい。やっぱり下から関節技を仕掛けてきたりとか、知っての通り相手は世界を知る一流の技術の持ち主。実際に肌も合わせてみて『この技術にパワーで勝ちたい』って気持ちが強くなったんですよ。だからこそ床から人間をぶっこ抜けるような動きを研ぎ澄ましたいと思って、今日は中嶋さんにトレーニングをお願いしました」。そう明かした稲村は、N-1へ「柔よく剛を制す」ならぬ「剛よく柔を制す」誓いを立てた。 昨年のN-1は全敗。海外遠征を志す契機となった。帰国して進化を遂げた今回も、リングネームをYOICHIから本名に戻し、仕切り直しの本領発揮を期す舞台となる。「逆に今年は一敗でもしたら、去年の全敗と同じぐらいの悔しさを味わう…ぐらいの気持ちなんで。もちろん目指すは全勝優勝」と改めて宣言。そのまま「ストロングマン的な新技もこのあと極秘で…」と言い残し、大男二人でガレージの奥へと消えていった。 【稲村、中嶋さんの話】 ――中嶋さんとのトレーニングを終えて? ▼稲村「イギリス遠征から帰ってきて初めてお会いしたんですが、久々にお会いしても中嶋さんはどんどんデカく、強くなっていて。ずっと背中を追い続けてきた僕の憧れですし、やっぱり『デカいってかっこいいな』って思いました」 ――改めてストロングマン式のトレーニングはプロレスにどう役に立ってきた? ▼稲村「2019年頃から始めたんですが、このトレーニングを始めて、体幹、体のコアな部分に芯が通る感覚が生まれました。そこから相手をぶっこ抜いたり、押し込んだりする動きが一気に強まりましたね。人を持ち上げるとか、担ぐとかっていう動きは、一般的なウエイトトレーニングではなかなか強化できないので」 ――中嶋さんは稲村選手のポテンシャルをどうみる? ▼中嶋さん「もともとプロレスラーということもあって、相手を担いだり、持ち上げることに関しては最初の頃から上手でしたね。しかもトレーニングに来るたびにメキメキ強くなって、上達していって。それこそ『ストロングマンの選手として出てきたら怖いな』って思うぐらいの成長速度で…(笑) イギリスから帰ってきて体はシェイプされてますけど、今日一緒にやった感じだとパワーは全然落ちてないですし、洗練された部分もすごく感じたので、今後の稲村選手、本当に楽しみです」 ――プロレスとストロングマン式トレーニングの親和性は高い? ▼中嶋さん「かなり高いですね。不安定な物体を抱えたり、頭上に上げたりするって動きというのは、一般的なボディメイク系のトレーニングでは絶対にない刺激なので。こういう特殊な器具を使うことによって、人を相手にした時により再現させることができる。ひじょうに親和性が高いと思いますね」 ――N-1初戦では佐々木憂流迦と当たる ▼稲村「それが今回一番大きくて。やっぱり下から関節技を仕掛けてきたりとか、知っての通り相手は世界を知る一流の技術の持ち主。実際に肌も合わせてみて『この技術にパワーで勝ちたい』って気持ちが強くなったんですよ。だからこそ床から人間をぶっこ抜けるような動きを研ぎ澄ましたいと思って、今日は中嶋さんにトレーニングをお願いしました」 ――柔よく剛を制すとはよくいうが… ▼稲村「剛よく柔を制す、ですね」 ――昨年は全敗に終わったが、今年は周囲の見る目も違う ▼稲村「逆に今年は一敗でもしたら、去年の全敗と同じぐらいの悔しさを味わう…ぐらいの気持ちなんで。もちろん目指すは全勝優勝ですね」 ――同じブロックにはレスリングのオリンピアン(タビオン・ハイツ)もいるが? ▼稲村「体もデカいですし、かなりの剛だし、レスリング技術でも上を行かれてる。でも、古いかもしれないですけど気合と根性でぶち当たって。同じブロックでは一番ぶん投げてやりたい相手かもしれないですね」 ――帰国してから新たな動きや技を次々に公開しているが、N-1でも? ▼稲村「海外の選手はものすごい数のアイディアを持ってる。ヨーロッパ遠征中にそう強く感じたので、そのなかで受けたインスピレーションも出していきたいですし、ストロングマン的な新技もこのあと極秘で…」
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開幕目前となった『N-1 VICTORY 2024』出場を控える稲村愛輝が2日、過酷競技「ストロングマン」の日本第一人者・中嶋健詞さんと合同練習。酷暑のなかで100Kgの砂袋を担ぎまくり、夏の頂に向けて“剛よく柔を制す"の誓いを立てた。
N-1開幕を2日後に控えたこの日。稲村の姿は日本ストロングマン協会(JSU)のガレージにあった。「ストロングマン」とは巨大な石、タイヤやトラックなどを持ち上げたり、持って走ったりする過酷競技。プロレスでパワーを培うにはウエイトやマシントレーニングが一般的だが、稲村はこのストロングマン式トレーニングを取り入れてきた。
5年前に350Kgの巨大タイヤをNOAH道場に持ち込み、持ち上げてはひっくり返す日々。あえてつかみにくい、いびつな物体を扱うことで、より実戦的なパワーが身につき、動く相手をぶっこ抜いたり、強引に担いだり、時には担ぎ替えたりする力技はいまや稲村の代名詞となっている。
そのストロングマン式トレーニングを稲村に授けたのが日本ストロングマン協会代表の中嶋さんだった。巨大タイヤも中嶋さんから譲り受けたもの。この日の合同練習では、『ログ』と呼ばれる約100Kgの丸太状の器具を上下させたり、100Kgの砂袋を何度も抱え上げた。
40度近いガレージで大粒の汗を滴らせながら取材に応じた稲村は、「イギリス遠征から帰ってきて初めてお会いしたんですが、久々にお会いしても中嶋さんはどんどんデカく、強くなっていて。ずっと背中を追い続けてきた僕の憧れですし、やっぱり『デカいってかっこいいな』って思いました」と目を輝かせ、自身より一回り大きい師匠との再会で“強男魂"を燃え上がらせた。
いずれはストロングマンの国内大会にも挑戦したい意向で、中嶋さんも「トレーニングに来るたびにメキメキ強くなって、上達していって。それこそ『ストロングマンの選手として出てきたら怖いな』って思うぐらいの成長速度で…」と稲村のポテンシャルを高く評価。N-1に向けても「イギリスから帰ってきて体はシェイプされてますけど、今日一緒にやった感じだとパワーは全然落ちてないですし、洗練された部分もすごく感じたので、今後の稲村選手、本当に楽しみです」と背中を押した。
8・4横浜武道館大会での開幕戦では、元UFCファイターの現GHCナショナル王者・佐々木憂流迦と激突する。「今回トレーニングをお願いしたのも、それが一番大きい。やっぱり下から関節技を仕掛けてきたりとか、知っての通り相手は世界を知る一流の技術の持ち主。実際に肌も合わせてみて『この技術にパワーで勝ちたい』って気持ちが強くなったんですよ。だからこそ床から人間をぶっこ抜けるような動きを研ぎ澄ましたいと思って、今日は中嶋さんにトレーニングをお願いしました」。そう明かした稲村は、N-1へ「柔よく剛を制す」ならぬ「剛よく柔を制す」誓いを立てた。
昨年のN-1は全敗。海外遠征を志す契機となった。帰国して進化を遂げた今回も、リングネームをYOICHIから本名に戻し、仕切り直しの本領発揮を期す舞台となる。「逆に今年は一敗でもしたら、去年の全敗と同じぐらいの悔しさを味わう…ぐらいの気持ちなんで。もちろん目指すは全勝優勝」と改めて宣言。そのまま「ストロングマン的な新技もこのあと極秘で…」と言い残し、大男二人でガレージの奥へと消えていった。
【稲村、中嶋さんの話】
――中嶋さんとのトレーニングを終えて?
▼稲村「イギリス遠征から帰ってきて初めてお会いしたんですが、久々にお会いしても中嶋さんはどんどんデカく、強くなっていて。ずっと背中を追い続けてきた僕の憧れですし、やっぱり『デカいってかっこいいな』って思いました」
――改めてストロングマン式のトレーニングはプロレスにどう役に立ってきた?
▼稲村「2019年頃から始めたんですが、このトレーニングを始めて、体幹、体のコアな部分に芯が通る感覚が生まれました。そこから相手をぶっこ抜いたり、押し込んだりする動きが一気に強まりましたね。人を持ち上げるとか、担ぐとかっていう動きは、一般的なウエイトトレーニングではなかなか強化できないので」
――中嶋さんは稲村選手のポテンシャルをどうみる?
▼中嶋さん「もともとプロレスラーということもあって、相手を担いだり、持ち上げることに関しては最初の頃から上手でしたね。しかもトレーニングに来るたびにメキメキ強くなって、上達していって。それこそ『ストロングマンの選手として出てきたら怖いな』って思うぐらいの成長速度で…(笑) イギリスから帰ってきて体はシェイプされてますけど、今日一緒にやった感じだとパワーは全然落ちてないですし、洗練された部分もすごく感じたので、今後の稲村選手、本当に楽しみです」
――プロレスとストロングマン式トレーニングの親和性は高い?
▼中嶋さん「かなり高いですね。不安定な物体を抱えたり、頭上に上げたりするって動きというのは、一般的なボディメイク系のトレーニングでは絶対にない刺激なので。こういう特殊な器具を使うことによって、人を相手にした時により再現させることができる。ひじょうに親和性が高いと思いますね」
――N-1初戦では佐々木憂流迦と当たる
▼稲村「それが今回一番大きくて。やっぱり下から関節技を仕掛けてきたりとか、知っての通り相手は世界を知る一流の技術の持ち主。実際に肌も合わせてみて『この技術にパワーで勝ちたい』って気持ちが強くなったんですよ。だからこそ床から人間をぶっこ抜けるような動きを研ぎ澄ましたいと思って、今日は中嶋さんにトレーニングをお願いしました」
――柔よく剛を制すとはよくいうが…
▼稲村「剛よく柔を制す、ですね」
――昨年は全敗に終わったが、今年は周囲の見る目も違う
▼稲村「逆に今年は一敗でもしたら、去年の全敗と同じぐらいの悔しさを味わう…ぐらいの気持ちなんで。もちろん目指すは全勝優勝ですね」
――同じブロックにはレスリングのオリンピアン(タビオン・ハイツ)もいるが?
▼稲村「体もデカいですし、かなりの剛だし、レスリング技術でも上を行かれてる。でも、古いかもしれないですけど気合と根性でぶち当たって。同じブロックでは一番ぶん投げてやりたい相手かもしれないですね」
――帰国してから新たな動きや技を次々に公開しているが、N-1でも?
▼稲村「海外の選手はものすごい数のアイディアを持ってる。ヨーロッパ遠征中にそう強く感じたので、そのなかで受けたインスピレーションも出していきたいですし、ストロングマン的な新技もこのあと極秘で…」
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