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Aブロック最大の曲者

 Aブロックで“曲者"となりそうなのがマードックだ。

 留学生としてノアで腕を磨き、その後WWE、TNAで花開いた。そして今年、ノアにUターン参戦。震災で揺れる最中の3月福岡国際センター大会でGHCヘビー初挑戦を果たし、時のGHC王者・杉浦貴を大いに苦しめた姿には、すでにトップレスラーの風格が備わっていた。

 古き良きアメリカンプロレスがスタイルのベース。独特のリズムで自らのペースに誘い込み、GHC戦では小さなチェーンを隠し持つなど、涼しい顔でラフをこなすズル賢さも併せ持つ。

 それでいて193センチの長身。GHC戦では杉浦と真っ向から打撃戦を展開し、ダイビング・ブルドッキングヘッドロック、ドリル・ア・ホール・パイルドライバー、エース・オブ・スペード(高速回転式のパイルドライバー)など多彩な“首殺し技"で牙城に迫った。

 独特のペースとズル賢さを持つ一方で、超ヘビー級同士の身の削り合いも可能。連戦が続く星の潰し合いでは、この幅の広さが思わぬ番狂わせを呼ぶ可能性も十分。3月ツアーでは“対杉浦"にばかり注目が集まっただけに、あらゆる強豪と当たる今回のリーグ戦こそが、真の実力を発揮する舞台なのかもしれない。