――今回は無差別級のリーグ戦となるが?
▼齋藤「“焦点の合わせ方"が焦点でしょうね。ヘビーとのシングルに慣れたところで、ジュニアが来たら、微妙に焦点がズレる。そこで見えないリズムみたいなものが崩れてしまうかも。その辺自分、器用じゃないもので」
――いかに自分のリズムが作れるか?
▼齋藤「自分のリズムに持ち込むか、相手のリズムに持ち込むかで勝敗が左右されることが多い。ヘビーのリズムに慣れれば慣れるほど、慣れてないジュニアのリズムに引き込まれがち。そこは気をつけないと」
――敵は自分自身?
▼齋藤「そうですね。球技でも同じですよね。戦法や思惑がひとつ崩れてしまうと、ガタガタと壊れていく。野球だって流れがありますよね。実力を超えた部分での流れが発生すると、強いチームがバタバタになっていく。今回のリーグ戦でも、ジュニアが入ることによって色んなリズムが崩れて、後々のすべてに影響してくるかも。確かに100回やればヘビーのほうが強いのかもしれない。でも、リーグ戦の勝負は一回しかない。オリンピックでもそうですよね。いかに自分に良い流れを作っていけるか。どこに地雷が埋まっているかを嗅ぎ分けながら戦っていかないと」
――決勝は誰と当たりたい?
▼齋藤「向こうのブロックには潮崎もいる。希望を言えば秋山さんですけど、どちらかのチャンピオンが上がってくれば面白いですね。チャンピオンとの戦いが待ってると思えば、こっちも焦点が合わせやすい。それにチャンピオンですから、向こうのブロックでも相当狙われると思うんですよ。それこそ後先考えずにぶつかっていく人間も出てくると思う。それがチャンピオンの宿命だと思うんですけど、だから決勝に出てきた状態のチャンピオンっていうのは、相当疲弊してるはずなんですね。そこを狙う…っていう部分もあります(笑)」
――長く厳しいリーグ戦となりそうだが?
▼齋藤「リーグ戦でも(普段のツアーでも珍しい)5連戦があったり、全国を回って寒暖の差も絶対にある。体調が崩れることも“リズム"のひとつですし、色んな要素が有利不利に関わってきて観ているほうには面白いですよね。いくら悪い流れがあったとしても、レスラーはリング上がすべて。どんな状況でも戦わないといけないですから」
――改めてどう戦って決勝につなげる?
▼齋藤「全部を勝ちに行くことも勝負の形。トータルを獲りに行くのも、賭けた一戦だけを獲りに行くのも勝負の形。トータルを獲りに行って策に走っても、お客さんを満足させられなかったら結局、自分自身が損をする。それに考えたから、うまくいくとも限らない」
――自身の過去の傾向からすると?
▼齋藤「自分が好結果を残すときは“後半追い上げ型"なんですよね。思えば水泳の選手だった頃もそうでした。前半リキむと後半伸びを欠いてばかりだった。だからこそペース配分ですね。不器用だからこそ、ペース配分に気をつけたい。普段、一生懸命なネコを馬鹿にしてますけど、自分こそが最初から飛ばすと息が切れる典型なんで(笑)」