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プロレス通信簿

ヒョードルの意外な弱点!バンナが口にした歓喜の日本語4文字!続・大晦日格闘技特集!

プロレス通信簿~大晦日格闘技興行見所 part.2

フジテレビによる、二夜に渡る放送(29日&31日)も決まり、遂に盛り上がって来た感のある格闘技イベント「RIZIN」。今回は前回に続き、見所をピックアップ!

高校時代、200kgある猪を狩りで仕留め、担いで山を下りたことも。

総合格闘家デビューを飾る元力士・把瑠都は、かつては〝角界のディカプリオ〟と言われた美男子。「どう頑張って働いても月給5万円が限界」という故郷のエストニアから入門時は、すぐに「お疲れ様です」と先輩に日本語で挨拶。ところが「馬鹿野郎!『お疲れ様でございます』だ!」とお目玉を食らう傷心も。エストニアには上下関係という概念がないため、総合格闘技のリングの方が土俵より向いているのではないか? 特長はその怪力。リンゴを片手で簡単に握り潰せる握力の持ち主だが、それゆえ相撲時代の決まり手は吊り出しが多かった。ここが総合の技術にどれだけ役立つかは気になるが、新弟子時代、ホームシックにかかるも、パスポートを女将の金庫に預けて頑張った熱血漢。総合については1回きりの参戦という噂もあるが、奮闘に期待したい。

「俺は凄い武蔵ファンなんだ(笑)」(バンナ)

対するジェロム・レ・バンナは、屈指のK-1愛の持ち主。自らが秒殺KOしたフランシスコ・フィリオに、「一歩間違えたら、俺の方が倒れていたかも知れないんだから」とリング上で気遣い、同門のニコラス・ペタスに負けた武蔵には、「君の方が強いのに、何をやってるんだ!」と叱咤。佐竹雅昭の引退の報に触れると、「残念だ。彼の(ゴジラの)入場テーマが大好きだったのに……」。そんなバンナは大の総合格闘技嫌い。「K-1はルールがしっかりしてるが、総合はバイオレンスが過ぎる。俺は自分の娘に見せられるような試合がしたいんだ」というのが持論。事実、K-1ファイターだったミルコ・クロコップが藤田和之に勝利した際は、こう喜んでいる。「BANZAI!(万歳)」。立ち技のレジェンドとしての矜持は見逃せない。

地元では、自身の誕生日が記念日になっているヒョードル

そして、いまだ未定のヒョードルの相手は、18日(金)、12時よりインターネットによる生中継で発表。正体は、日本人プロレスラーか、海外で名の知れた大物格闘家とされるが、日本人ならうってつけ。ヒョードルのプロデビューから00年代(09年まで)の唯一の黒星は高坂剛戦だし(00年)、アマチュアでの柔道家時代は小斎武志(個人)に1本負けしている。大振りだが、リベンジの図式で彩られそうだ。

また、こちらも把瑠都と同様、赤貧時代を過ごしたことで知られ、学生時代は柔道着を自費で買えなかったほど。日本でのプロ第一戦(00年9月)でギャラが入ると、お土産を一切買わず、ギャラをそのまま持ち帰り、生まれたばかりの愛娘のために必要なものを買いそろえた。今でも地元の駅にはホームがなく、寂れた環境。しかし、そんな中でも、「ロシア人とアメリカ人、生まれ変わるなら、やっぱりロシア人」と、ヒョードルは語る。その理由は、「アメリカの格闘家は、対戦相手をリスペクトしない輩が多い」。……どうやらアメリカからの刺客でも、目が離せないヒョードルの復帰戦となりそうだ。

 因みに、無敵とされるヒョードルにも苦手なものが。それは、蚊。「ロシアの蚊は大きくて、刺されるとすぐに痛くなる」とか。とはいえ、真冬の復帰戦、天敵もいなくなり、万全のファイトを見せてくれそうだ。

プロレスライター 鳥浜 英佐

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