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11/9【ドラディション】藤波がムタと邂逅、毒霧まみれの50周年も「まだまだ途中経過」 来年の全国ツアーも約束

『TATSUMI FUJINAMI 50th ANNIVERSARY THE NEVER GIVE UP TOUR PHASE-1 IN TOKYO』東京・後楽園ホール(2021年11月9日)
藤波辰爾デビュー50周年記念試合 PART2 ○小島聡&藤波辰爾&天山広吉vsグレート・ムタ&白使&KAZMA SAKAMOTO×

 藤波が50周年記念試合でムタと久々に邂逅。毒霧の接近発射を食らい、顔を緑色に染めたものの、ドラゴンスクリュー合戦で火花を散らすと、最後は小島をアシストし、勝利を呼び込んだ。50周年を「まだまだ途中経過」と振り返った藤波は、来年の全国記念ツアーも約束した。

 藤波は1971年5月に日本プロレスでデビュー。67歳ながらもいまだ現役として戦い続け、日本プロレス殿堂入りも果たした。左足の蜂窩織(ほうかしき)炎で欠場していたものの、50周年記念大会に合わせて先月末に復帰した。節目となる今大会では武藤の化身・ムタと激突。10・31大阪大会で藤波と武藤はタッグを組んだが、今宵は形を変えて向かい合うことになった。

 藤波とムタは新日本の91年9・23横浜アリーナ大会でシングル対決。藤波が流血に追い込まれ、ビール瓶痛打からのムーンサルトプレスで敗北している。藤波は新日本の後輩・天山&小島と、ムタはWWE経験のある白使&KAZMAとそれぞれ組んで対戦した。

 ソーシャルディスタンスを保った形とはいえ、超満員札止めの観客が集まった聖地・後楽園ホール。先発した白使がロープの拝み渡りを披露して場内を沸かすと、左足首にテーピングを施した藤波とムタが対峙。会場はさらに沸き返る。ムタは組み合わず、即座に場外に退避すると、リングサイドを徘徊。リング用の工具を手にするも、鉄柱を叩いただけでリングに持ち込まない。さらに、藤波とも組み合わずに控えに回った。珍しくエキサイトした藤波がムタに迫ろうとするも、天山が身を挺して押さえる。

 2人の接触は突然実現した。KAZMAがラフファイトで小島を攻め立てると、藤波が救出にリングイン。ドラゴンスクリューを決めたものの、すぐさま動いたムタが毒霧を藤波の顔面に接近して連続噴射。不意を突かれて場外に転落した藤波を、ムタはマイクケーブルで絞首刑に処した。顔が緑に染まった藤波は戦線離脱を余儀なくされる。その間、ムタ組は小島に集中砲火を浴びせた。

 小島がムタにコジコジカッターを繰り出すと、復活した藤波がリングイン。ムタをお返しとばかりにコブラツイストで絞め上げる。ムタはドラゴンスクリューを決めたものの、藤波もドラゴンスクリューで譲らず。両者の戦いは痛み分けに終わった。

 その後、奮闘した小島だったが、ムタのシャイニングウィザードを食らうとピンチに。それでもKAZMAのラリアットがムタに誤爆すると、怒りのムタが毒霧を仲間に噴射。すかさず藤波はビンタをぶち込んでムタを場外に蹴散らすと、KAZMAにはドラゴンスクリューを決めて援護射撃する。ムタが試合を放棄してリングを去っていく中、小島はすかさずラリアットでKAZMAを沈めて、藤波組が勝利した。

 試合後、ムタたちを除く出場選手がリングに集結すると、顔を毒霧で緑に染めた藤波がマイクを持つ。「こんな状況ですけど、50周年でこういう形で最後にマイクを持つとは思ってもいませんでした。ああ、チクショウ。(ムタは)メインでは自分のアピールだけして帰ったな」と悔しさをあらわにしつつも、「お見苦しい格好になりましたが、本当に50周年、長いようですが、自分にとっては本当にまだまだ途中経過」と“道半ば"であることを強調し、改めて観客に「この中で本当にご声援ありがとうございます」と感謝の意を表した。

 「今日も席の間が空いているように、本来なら目一杯入る場所にご遠慮いただいた方もかなりいるんじゃないかと思いますが、まだ僕の50周年、来年1年間が僕の記念ツアーです。僕の思い出のある北は北海道から、南は九州、沖縄まで会場で続けてまいります。そして、ファイナルの50周年記念ツアーには、自分にまつわる選手とゲストを呼んで、また皆さんの前に立てたらと思います」と以前から熱望していた全国ツアーを観客に約束。「今日はこういうだらしのない格好になりましたが、次は気持ちよくこの拳を突き上げられるように頑張ります。本当に今日はありがとうございました」と次戦の勝利を誓い、後楽園大会を締めくくった。

 「まさか今日こんなお祝いをしてもらうとは。グレート・ムタの目一杯のお祝いをいただきました」と手荒い祝福に苦笑するしかなかった藤波だが、テンコジに改めて再オファーを示唆。「しっかりとした形で雄叫びをね。『1、2、3、ダー』を一緒にやりましょう」と呼びかけた。50周年ツアーはまだまだこれから。今度は自分の力で勝利を手にし、聖地で師匠・アントニオ猪木ばりの「1、2、3、ダー!」を決める構えだ。

【試合後の藤波&天山&小島】
▼藤波「この間もそうだけど、まさか今日こんなお祝いをしてもらうとは。グレート・ムタの目一杯のお祝いをいただきました」

▼天山「全然変わらないですよ。いい男ですよ」

▼藤波「ああ、そう?」

▼天山「毒霧食らっても関係ないですよ。藤波辰爾は藤波辰爾。素敵ですよ。おめでとうございます」

▼小島「おめでとうございます」

▼藤波「ありがとうございました」

▼天山「50年って、十代が50歳になるんで」

▼藤波「50年だから、もうちょっとみんな気を遣って、俺を立ててくれるかと思ったら、このザマだから」

▼天山「目一杯動いてもらって、藤波さんに」

▼藤波「だから、この続きをね、さっきも言ったように、やれってことだよ。また声をかけさせてもらいますんで」

▼小島「ありがとうございました」

▼藤波「しっかりとした形で雄叫びをね。『1、2、3、ダー』を一緒にやりましょう」

▼天山「お願いします」

▼小島「ありがとうございます」

▼藤波「いやあ、参った参った。前半だったからな。俺は何も…。ありがとうございました」

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