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5/31【新日本】石森に激勝…ヒロム決勝進出で3連覇王手 デスペとの運命対決へ「どっちが最高に楽しめるか、決めようぜ!」

『BEST OF THE SUPER Jr.29』富山産業展示館・テクノホール西館(2022年5月31日)
Aブロック公式戦 ○高橋ヒロムvs石森太二×

 前人未到のスーパージュニア3連覇がかかるヒロムが、現IWGPジュニア王者の石森を大激闘の末に破ってAブロックを突破。ジュニアの祭典『BEST OF THE SUPER Jr.29』は31日の富山大会で公式戦全日程を終了し、優勝決定戦(6・3日本武道館)の顔合わせは「(Aブロック代表)vsエル・デスペラード(Bブロック代表)」となった。

 石森6勝2敗、ヒロム5勝3敗で迎えた最終公式戦。“現IWGPジュニア王者vs2連覇男"の一戦は、勝ったほうがAブロック突破となる事実上の“Aブロック代表者決定戦"となった。

 引き分けでもブロック突破となる石森だが、いきなりジョン・ウーで奇襲。左肩口を鉄柱にぶつけて腕攻めを開始。ヒロムが反撃に出ても、コーナーポストを剥がした金具むき出しのコーナーに腕を叩きつけ、執ように腕を攻め立ててBONE LOCKへの布石を打った。

 劣勢が続いたヒロムもめまぐるしい読み合いに持ち込み、ハンドスプリングエルボーを空中キャッチ式の投げ捨てジャーマンで切り返して反撃。ならばと石森も即座に鮮やかなカナディアンデストロイヤーで突き刺し、両者大の字となって試合は一層熱を帯びた。

 そのまま両者はヒザ立ちになりながら気迫のエルボー合戦を展開。追尾式のジョン・ウーでヒロムが競り勝つと、コーナーへのデスバレーボム、ポップアップ式パワーボムと畳みかけて得意のD(三角絞め)へ。

 逃れた石森もビクトリーロイヤルをBONE LOCKで切り返しにかかる。素早くロープに逃れられても、読み合いをサイファーウタキで制すと、ブラディークロスの体勢へ。切り抜けられてもポップアップ式のパワーボムで叩きつけた。

 ところがヒロムも下からDで絡みつく。逃れた石森もかち上げ式の飛びヒザ蹴りを返したが、ヒロムもこん身のラリアットで譲らない。ならばと石森も強烈なカウンター・ラリアットをぶっ放すや、奥の手リバース式ブラディサンデーを発射だ。続けてトドメのブラディークロスを狙う。

 ヒロムも着地して逆にファイヤーマンズキャリーで担ぎ上げたが、石森もコーナーデスバレーは阻止して着地。逆にマットを外していたコーナーの鉄柱めがけて左肩口から突っ込ませ、ミスティカ式BONE LOCKで絡みついた。

 だが、ヒロムも丸め込んで切り返し、さらにはDに変化。石森は力で持ち上げてのパワーボムで引き剥がしたが、ヒロムは続くブラディークロスを、またしてもDで切り返す。なおも石森に逃れられても変型スタナーで撃ち抜き、またしてもDへ。石森も再び力で持ち上げにかかったが、ヒロムが絶叫とともに絞め上げるや、石森の表情から生気が消え、崩れ落ちたところでついにレフェリーが試合を止めた。

 スーパージュニア全公式戦の“大トリ"を飾るにふさわしい大激闘の末に、ヒロムが今年も優勝決定戦へのキップを獲得。6・3日本武道館大会の頂上決戦では運命の“同期"デスペラードと激突することになった。

 試合後には本部席で“ヒロム進出"を見届けたデスペラードがリングイン。

 「日程が発表されたときは、この日程を組んだヤツは日本地図を知ってんのかと思った、どうしょうもねえ移動ルートのスーパージュニア。終わっちまえば最高におもしれえシリーズだったな。初めて来てくれた外国人選手も、国内から来てくれたリンちゃんも、どうしょうもなく楽しい試合ばっかりしてくれて」と切り出したデスペラードは、「なあ、1・4で俺たちがジュニアの未来がなんたらかんたら言って、一生懸命やったけどよ、んなこといちいち言わなくても、このスーパージュニアが結果だったな。スーパージュニア、クソ楽しいじゃん。そのクソ楽しいスーパージュニア、俺が一番楽しい思いして終わらせてもらうから。まあ、今さら俺とお前で何かしゃべったって…いらねえだろ? 武道館で待ってます」とヒロムにマイクでメッセージを送ってから姿を消した。

 去りゆくデスペラードの背中に、「何も言葉なんていらねえよな。楽しみにしてる」とマイクで返したヒロムは、「すごい“締めたようなこと"言われちゃったからさ、俺もうしゃべることないかと思ったけど…石森さんには言いたいな。石森さん、大田区の試合後のコメントで、俺にこう言いましたよね。『ヒロムの3連覇、そして4度目の優勝、傍から見たらすげーかもしれねえけど、それってジュニア、現状何も変われねえんじゃねえの? 型にはまったジュニアをブッ壊す!』って。壊せなかったな、石森さん。でもさ、アンタもその型にハマッたジュニアトップの一人だろ? ヒロム、デスペラード、石森は壊す側じゃない。壊される側だ。IWGPジュニアヘビー級王者! もっと、ドンと構えててくださいよ!」と現王者にもメッセージを送った。

 これで前人未到の3連覇へ王手。「俺の位置は、俺たちの位置は、誰にも譲らねえぞ。トップがコロコロ変わって何がおもしろい? 全選手、横ひと並びで何がおもしろい? 俺は何もおもしろいと思わねえぞ。なあ、あと少しだな。あと少しも何も、あと1試合だな。そう、あと1試合、あと1試合、この最高に楽しかった『BEST OF THE SUPER Jr.』もあと1試合だ! なあデスペラード! どっちが最高に楽しめるか決めようぜ!」と高揚感を撒き散らしたヒロムは、「あと1試合、あと1試合、あと1試合、あと1試合、あと1試合だ! この『BEST OF THE SUPER Jr.29』、最後の試合を! もっと!もっと!もっと!もっと!もっと!もっと!みんなで〜、楽しもうぜ〜!!」と叫んで公式戦最終日・富山大会を締めくくった。

 コロナ禍もあって、外国人選手の来日がかなわず、ヘビー級のタッグリーグとの併催が続いてきたジュニアの祭典だが、今年は3年ぶりに単独開催。アレックス・ゼインやエース・オースティン、GLEATのエル・リンダマンら“新顔勢"の活躍もあって熱戦と話題を重ね、ヘビー級がほぼ出場しないシリーズにも関わらず、かなりの盛り上がりをみせた。その総決算のゴングが間もなく鳴る。

【ヒロムの話】「(※攻略本を床に投げ出し、片膝をついて)キツかった。キツかった......。キツかった。キツかったけど、あと1試合ある。あと1試合ある喜び、他の選手には分からないだろうな。でもなぁ、最後の1試合ってのは、今までと気持ちが全く違うんだ。ここまで来たらさぁ、意地でも3連覇、そして4度目の優勝、成し遂げたいよね。記者会見で土下座したこと、あれ、ウソです。なかったことにしてください。まぁ皆さん分かってるでしょうけど、あれはウソです。3連覇したくてしたくてたまりません。でも、ここまで来る自信がなかったわけじゃないけど、やっぱり始まる前は怖えぇんだよ。いけるかなぁ、ヒロムいけるかなぁ。でもさぁ、ヒロムの3連覇、どうでもいい人っているでしょ、中には。でも、それも逆にたまらないんだよね。何か、そういうのを聞くとさぁ、意地でも3連覇したくなるし、もちろん、応援されてもさぁ、すごく3連覇したいんだよ。とにかく3連覇、4度目の優勝は、必ず俺がしたいんだ。そう、俺がしなきゃいけない。(※立ち上がって)意地でもする。その相手が、エル・デスペラードか!いいねぇ。ドラマチックか?何だ?素晴らしいじゃねぇか、面白いじゃねぇか。(決勝に)上がってきてくれることを、心の中で、どこか思ってるところはあったよ。ホントに上がってくるとはな。楽しみで仕方がない。でもなぁ、デスペラード、何度も言うけど、俺はオマエにだけは絶対負けたくないんだ。オマエがよく分かるだろう、それ。(※立ち去りかけながら)優勝した後に、好きなこと話すよ」

※石森はノーコメント

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