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7/16【NOAH】武藤が清宮に「シャイニング、ドラスク、4の字」伝承宣言 引退ロード初戦で“4度目の正直"許す

『ABEMA presents DESTINATION 2022』日本武道館(2022年7月16日)
○清宮海斗vs武藤敬司×

 来春の引退を発表している“天才"武藤敬司の引退ロード・第1戦がノア日本武道館大会からスタート。4度目の正直で悲願の武藤超えを果たした清宮へのシャイニング・ウィザード、ドラゴンスクリュー、足4の字固めの“三種の神器"伝承を宣言した。

 清宮は実息と同い年。“プロレス界での息子"として目をかけ、1月の新日本との対抗戦ではタッグも組んだ。それでもシングルマッチでは過去3戦して負けなし。徹底して“親父の高い壁"として立ちふさがり続けてきた。

 とはいえこの日は、研究し尽くしてきた清宮からドラゴンスクリューを3度に渡って切り返されるなど序盤から苦しい展開。中盤には花道ダッシュの非情エルボーをヒザに浴び、自身得意の4の字固めで絞め上げられて悲鳴を上げた。

 それでも清宮必殺のタイガースープレックスは意地のキックアウト。逆に串刺しシャイニング・ウィザードで反撃し、必死の雪崩式フランケンシュタイナーも繰り出して武道館を揺らす。清宮のジャンピングニーも空中キャッチしてドラゴンスクリューを見舞うや、前後3発のシャイニング弾で仕上げにかかった。

 ところが清宮も3カウントぎりぎりで肩を上げる。4発目のシャイニングはガードすると、逆に武藤ばりに執ような低空ドロップキックを乱射だ。続けてコーナー最上段からの低空ドロップキックでヒザを撃ち抜くと、掟破りの“逆"シャイニング・ウィザードを発射。そして足4の字固めで絡みつき、武藤がギブアップしないとみるや、ドラゴンスクリューから再び4の字固めへ。しばし耐えた武藤だったが、ついにギブアップを意思表示した。

 “武藤殺法"で引導を渡され、ついに清宮に4度目の正直を許した形。深々と頭を下げる清宮を軽く抱き寄せてから花道を下がった武藤は「いくら引退が決まってても、負けると悔しいな。悔しいよ。ただ、プロレスをやって、この体の痛み、この荒い呼吸。いろんなことがプロレスラー冥利に尽きるというか、心地良くてしょうがないよ。嬉しくてしょうがない」と“現役"を噛みしめるように語った。

 清宮については「俺のことを本当に凄い研究している。でも対武藤にはいいかもしれないけど、あいつの敵は俺だけじゃないからな。そういう部分で言ったら、これから先、どうなるかはあいつ次第。武藤殺法? あんなしょっぱいドラゴンスクリュー…神奈月のほうがうまいよ」と手厳しく課題を与えつつも、「俺に勝ったご褒美として、ドラゴンスクリュー、4の字、シャイニングウィザード、あいつに譲るよ」と清宮への“伝承"を宣言した。

 「で、少しノアが儲かってきたら、俺がロイヤリティー取るから」と“らしく"付け加えた武藤。引退ロードの初戦は、日本のプロレスシーンを彩ってきた“三種の神器"の伝承式となった。

【試合後の武藤】
▼武藤「やっぱりいくら引退が決まってても、負けると悔しいな。悔しいよ。ただ、プロレスをやって、この体の痛み、この荒い呼吸。いろんなことがプロレスラー冥利に尽きるというか、心地良くてしょうがないよ。嬉しくてしょうがないよ。まあ、清宮に関しては、まだ俺に1回勝っただけで、彼のプロレス人生長いわけであって、ここから彼が俺に負けず、どれだけ多くの作品を今から作っていくかっていうのが清宮の課題であって。もういい加減親離れしてもいいんじゃないかと。敵はここじゃないと」

――ファイナルカウントダウンの初戦の相手が清宮選手だったことについては?

▼武藤「俺、ファイナルカウントダウンというので思い出すのは、猪木さんの引退の、ファイナルカウントダウンの一発目が、俺じゃないけど、グレート・ムタがやってるからな。そういう部分で言ったら、本当は猪木さんはファイナルカウントダウン1発目で、グレート・ムタから勝っているわけで。そういう部分で言ったら、俺は負けてるから、本当に悔しいよ。だけど、口では悔しいって言ってるけど、そこまで本当は悔しくねえから。一応建前上言っておかないと、あいつも癖になるからよ。有頂天になったら困るから。本当はそんなに悔しくないし」

――4度目の清宮戦だったが、過去と比べてどうだった?

▼武藤「非常に俺のことを研究して。俺のことを本当に凄い研究しているから、対武藤にはいいかもしれないけど、あいつの敵は俺だけじゃないからな。そういう部分で言ったら、これから先、どうなるかはあいつ次第ですよ」

――清宮選手は武藤選手の技を使っていたが?

▼武藤「よく堂々とあんなショッパイ技を使えるなと思ったよ。あんなキレのないドラゴンスクリューを」

――今日の彼の武藤殺法に点数をつけるなら?

▼武藤「あれじゃ、神奈月のほうが上手いよ。まあだけど、いろいろ勉強してたよ。4の字は極まってたんだよ。俺は極まりやすいヒザをしているからそうかもしれないけど、なかなか逃げれなかったよ。だけど、やっぱ技だから、反復練習だからね。実戦でどんどん使っていれば自分のものになると思うし」

――これからも実戦で使っていっていい?

▼武藤「ぶっちゃけ、あいつの弱点と言ったら、決め技がいまいちでね。タイガースープレックスとちょっと飛び道具だけだから。そういう部分では寂しいからね。ぜひ俺に勝ったご褒美として、ドラゴンスクリュー、4の字、シャイニングウィザード、あいつに譲るよ。で、少しノアが儲かってきたら、俺がロイヤリティー取るから」

【清宮の話】「武藤さんを超えたいとか、吸収したいとか、偉そうなこと言ってたんですけど、本当に教えてもらってたのは僕のほうで、知らない間にこんなにいろんなことを学べてたんだなっていうのは感じさせてもらって。武藤さんがよくおっしゃってる『プロレスをやってて一番いいって感じるのはエクスタシーだ』っていう。それも今日武藤さんとの試合のおかげで感じることができて。何より本当に武藤さんとのシングルマッチを通して、武藤さんのプロレスというのを教えてもらってきたので。これからは自分たちのプロレスを作っていきます。武藤さんありがとうございました」

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