【NOAH】遠藤変心? 正攻法にこだわって秋山に玉砕 「俺はどうすればいいんだ」 2025/5/3

『MEMORIAL VOYAGE 2025 in KOKUGIKAN』両国国技館(2025年5月3日)
○秋山準&杉浦貴vsオオワダサン&遠藤哲哉×

 杉浦とのタッグで“遠藤哲哉更生"をテーマに越境タッグを組んだ秋山が、正攻法にこだわった遠藤を完全粉砕。敗れた遠藤は「俺はどうすればいいんだ…」とうなだれ、その心に変化が訪れた。

 今年NOAHに主戦場を移したDDTの遠藤だが、早々にTEAM 2000X入り。黒く染まって「レスラー人生をめちゃくちゃにされた」NOAHへの恨みを爆発させてきた。

 その遠藤に急所攻撃を連発されて煮え湯を飲まされた杉浦は「あんなプロレスをやるためにNOAHに来たのか?」と激怒。遠藤を「正しい道に戻す」ため、遠藤DDT版バーニング時代の師匠格にあたる秋山を招へいし、両国ビッグマッチでの越境タッグが実現した。

 「NOAHとともにテメーも終わりにしてやる。秋山、プロレスしようぜ?」と反抗していた遠藤も、ヤンチャ盛りのオオワダサンとともに徹底抗戦。遠藤はのっけから秋山と対峙すると、ロープに押し込み、ブレイクすることなくビンタを叩き込んだ。その後も顔面を蹴り上げてカットに入ったり、普段の秋山ばりにしつこく両手を掴んでフォールしたりと、何度も秋山を揺さぶる。オオワダサンも秋山にケンカを売って、金的攻撃を仕掛けたと思いきや、杉浦に「老いぼれジジイ」「早く引退しろ」などと何度も罵声を浴びせてやりたい放題に暴れ回った。

 それでも遠藤は秋山と再び対峙すると、バーニング時代を彷彿するような真っ向ファイトを展開。ハンドスプリング式レッグラリアット、神の右膝からバーニングスタープレスで勝負に。しかし、秋山が剣山で撃墜すると、杉浦のジャーマン、秋山のランニングニー、エクスプロイダーが立て続けにさく裂した。

 ならばとヨシ・タツが足をすくってレフェリーのカウントを妨害。トンファーを持ち込むが、遠藤がそれを奪い取ると、逡巡してから投げ捨て「秋山来い」とあえて真っ向勝負を選択する。T2000Xとしての自分をかなぐり捨ててエルボー合戦を繰り広げた。エクスプロイダー合戦でも競り合うと、秋山は「遠藤!」の絶叫から生ヒザ式ニーリフトをズバリ。最後は奥の手変型スタネースダストで遠藤を沈めた。

 最後は正攻法にこだわり、そして玉砕した遠藤を、秋山はじっと見つめて意味深に胸板を叩いて退場。バックステージでは「自分で考えればいい。まだまだNOAHでたくさん勉強することはあると思う。全然連れて帰らない。勝手に帰ってこい」と多くは語らず、黒く染まった“弟子"を突き放した。

 リングに残った遠藤は、しばし正座で虚空を見つめて沈痛。「俺がTEAM 2000Xに入ってやってきたこと、それはただの今までの定石通りのヒールじゃない。俺はここでプロレスを学んだつもりだ。ただ、結果、今日の結果がすべてを物語ってる。俺はどうすればいいんだ? どうすれば俺はこの暗闇から抜け出せるんだ? ああ、分かんねえよ、もう。チクショー」とバックステージでも苦悩を露わにし、「今日の負けは無駄にはしない。杉浦、秋山…さん。俺は絶対今以上に強くなって、必ず今日の借り返してやるからな」と秋山への“さん付け"も復活させて再起を誓った。


【試合後の杉浦&秋山】

▼秋山「ありがとうございました」

▼杉浦「ありがとうございました」

▼秋山「試合の感想? 杉浦に呼ばれて遠藤をどうするかと。でもあいつ全然何も変わってなかったよ。悪いこともしないし。あとは自分で考えればいいし、俺もああだこうだ言ってたけど、別にもういいよ。大人なんだから。俺らからあれやれ、これやれっていうのもないし。今日は俺に負けたけど、自分で考えればいい」

▼杉浦「いや、殴ろうとしたの取り上げたでしょ。あいつの気持ちは動いてると思うし。今日の秋山さんとのエクスプロイダーの投げ合い、しびれるじゃん、あんなの。ああいうプロレスやっていってくれればいいんだよ。俺のキャンタマ握らなくていいんだから。ちょっと今日は気持ちが見えたよ。あいつの純粋な」

――遠藤選手をDDTに連れて帰る?

▼秋山「連れて帰る? いやいや自分で考えればいい。あいついくつよ? 勝手にやれよ。でも、まだ今のチームで、もしくは違うんだったら、杉浦と組んでも絶対プラスになるだろうし、丸藤とかいろんな人と。分かんない、それは。自分で考えればいい。まだまだNOAHでたくさん勉強することはあると思う。全然連れて帰らない。勝手に帰ってこい」

――25周年記念大会で組んだが?

▼秋山「25周年、55歳。俺も55歳。110歳でまだまだもうちょっと頑張れるよね?」

▼杉浦「まだまだ頑張ります」

▼秋山「ありがとうございました」

【遠藤の話】「ああ、クソ! 腹立つ! 杉浦、秋山。俺がNOAHに来てやってきたこと間違ってたのか? 確かにあそこでヨシ・タツのトンファー受け取って、俺が秋山の頭勝ち割ってたら結果は変わってたかもしれない。でもそうじゃないんだよ。今日は、今日だけはそれじゃダメなんだよ。俺がTEAM 2000Xに入ってやってきたこと、それはただの今までの定石通りのヒールじゃない。俺はここでプロレスを学んだつもりだ。ただ、結果、今日の結果がすべてを物語ってる。俺はどうすればいいんだ? どうすれば俺はこの暗闇から抜け出せるんだ? ああ、分かんねえよ、もう。チクショー。今日の負けは無駄にはしない。杉浦、秋山…さん。俺は絶対今以上に強くなって、必ず今日の借り返してやるからな」

【オオワダサンの話】「おい、遠藤。どうしたんだよ? あんなクソジジイに、おい。クソジジイにビビったのか? おい、まだ考え直せるよな? 今日だけだよな?」