【NOAH】GHC王者OZAWAがKENTA退け両国V4、清宮と5ヶ月ぶり再戦へ “神”蝶野も祝福 2025/5/3

『MEMORIAL VOYAGE 2025 in KOKUGIKAN』両国国技館(2025年5月3日)
GHCヘビー級選手権試合 ○OZAWAvsKENTA×

 NOAH上半期総決算となった両国メインでGHCヘビー級王者・OZAWAがKENTAの挑戦を退けて4度目の防衛に成功。TEAM 2000Xの“神"蝶野正洋からも祝福されたOZAWAに、因縁の清宮海斗が挑戦表明し、約5ヶ月ぶりのリターンマッチが決定的となった。

 元日にOZAWAショックでNOAHマットの風景を激変させたOZAWAと、2月にNOAHファン待望の所属復帰を果たしたKENTA。今年のNOAHに新風景を創り出した二つの大きな流れが上半期総決算となった両国メインでぶつかり合った。

 試合前には投入が予告されていたTEAM 2000Xの“神"が登場。TEAM 2000総帥の蝶野正洋が現れて解説席へと陣取った。

 KENTAは入場テーマ曲を一新させて現れ、OZAWAも新コスチュームで姿をみせる。いつものようにのらりくらりと試合を展開したOZAWAは、KENTAを場外に追いやると、得意のブレイクダンスを披露しようと試みる。しかし、KENTAは即座にリングに戻ってダンスを阻止。客席からはブーイングと「OZAWA」コールが発生するが、その後もKENTAはことごとくブレイクダンスを阻止すると、逆に自らダンスを披露して歓声を呼び込んだ。

 しばらくはKENTAペースが続いたものの、ヨシ・タツが注意を引きつけているスキに、OZAWAが背後からのドロップキックで逆襲。パラダイスロックの要領でKENTAをロープに固定して自由を奪うと、満を持してブレイクダンスを披露した。これには観客も大歓声。さらに蝶野の眼前で大胆にもSTFでKENTAを拷問。金的攻撃を狙ったり、場外ではテーブルを投入したりと、どちらも未遂に終わったものの、OZAWAらしい暴走を見せつける。

 打撃戦からアクセルを踏んだKENTAはgo 2 sleepを顔面かきむしりで防がれたものの、エプロンに逃れたOZAWAをフロントハイキックで場外に蹴落とし、テーブルに衝突させることに成功。テーブルが真っ二つにへし折れて、大ダメージを負ったOZAWAに対し、ブサイクへのヒザ蹴りをぶち込むと、今度こそgo 2 sleepがさく裂した。

 カウントの大合唱になるが、モリスとダガがレフェリーのカウントを妨害。無法地帯になったのをいいことにリングに乱入する。GHCタッグ王者になったばかりの拳王&憂流迦も救出に飛び込むが、拳王のハイキックが避けられてKENTAに痛恨の誤爆。それでもKENTAは立ち上がるも、OZAWAは「エクスタシー!」の絶叫から掟破りの逆ブサイクへのヒザ蹴りを放って勝機をたぐり寄せる。KENTAもバズソーキック連発で巻き返すが、OZAWAは空振りを誘ってビッグベンエッジをズバリ。豪快なドロップキックでどよめきを誘うと、最後は必殺のReal Rebelで3カウントをもぎ取った。

 KENTA12年ぶりの戴冠を阻んで、25周年イヤーのカリスマの座を守ったOZAWAは、KENTAの顔面に座って非情の追い打ち。マイクを握ったところで現れたのは、この日の両国セミでの“方舟伝承マッチ"で丸藤に完勝し、元日武道館でOZAWAに敗れていた清宮だった。

 清宮がOZAWAと向き合うと、まだ時期尚早との判断か、はたまた“逆転現象"が起こった元日武道館の再現といきたかったのか、場内にはブーイングがこだました。

 構わず笑顔でマイクを握った清宮は「すみません! ブーイングしたくなる気持ちも分かるんですが、ちょっと聞いてもらっていいですか」と切り出すと、「OZAWA、お前の前に立つのは久しぶりだよな。最近ね、随分好き勝手やってるみたいだけど、俺はお前がやってることもNOAHだって分かってるよ。お前のNOAHを観に、これだけたくさんのお客様が集まってくださってる。こんなにもNOAHを盛り上げてくれてありがとう! ただ、お前のようなモンスターを倒すのはこの俺だよ! そのベルトを俺が取り戻して、俺が方舟を引っ張っていく。GHCチャンピオンのOZAWA、次、お前に挑戦するのは清宮海斗だ!」と“感謝"を交えて挑戦表明したものの、なおも海斗コールとブーイングが交錯した。

 逆にOZAWAコールを背にマイクを握った反逆王者は「今、俺、めっちゃ間近だと分かるんだけど、こいつ目に涙ためてる。めっちゃ効いてるぞ!」と清宮の“半泣き"を指摘して場内をどっと沸かせると、「今日、方舟継承とかいうイマイチ誰もピンと来てない試合に勝っただけで、GHCヘビーのベルトに挑戦できると思ってるらしいな」と続けて、さらに場内が沸いた。

 一方で「しかしねえ、お前も物好きだなあ。絶対にブーイングされるって分かってる状況で出てきたんだからな。でも分かる。清宮の気持ちはめっちゃ分かる。ブーイングって、めっちゃ気持ちいいんだよな。お前もエクスタシー、感じたくなっちゃったのか? そうか、お前も実は“こっち側の人間"だったんだな?」と独特すぎる解釈を披露し、「いいよ、次の後楽園でベルト懸けて試合してやるよ。お前に最高のエクスタシーを感じさせてやるよ!」と5・18後楽園大会での迎撃を宣言し、約5ヶ月ぶりの「OZAWA-清宮」リターンマッチが決定的となった。

 「KENTA、昨日の記者会見はめっちゃしゃべってくれて、ありがとう。でも、やっぱり“口だけの男"だったな。試合になると動けなくなったロートルでしかない。まだNOAHにはロートルたちがいると思うから、清宮との消化試合が終わった後、どんどん挑戦してきていいぞ! THE REAL REBEL!」、そう身も蓋もないことを堂々と直言して締めくくったOZAWA。去り際には“神"蝶野からも握手で祝福された。反逆王者がけん引する方舟新風景は、春の両国を経て一層加速したことは間違いない。

【OZAWAの話】「KENTA、今日もバックステージでペラペラペラペラ喋ったのか? あいつ口だけでこの業界でやってきたから、負けてもすごいんじゃない? 今日どうだったの。まだ? まだかな。まあ、やっぱりリングの上になるとさ、出ちゃうんだよね。動けないところが。まあまあ、これからもさ、口だけは立派だから。バックステージでみんなを喜ばせてやってください。あと、次の挑戦者、清宮。お前、また暴露されたいのか? まだあるぞ、お前のネタ。楽しみだな。まあでも、時間ないけどな、次の後楽園まで。次はどんな暴露しちゃおうかな。The Real Rebel」

【KENTAの話】「こういう結果になって、応援してくれた人を残念な気持ちにさせてしまったことは本当に申し訳ないなと。ただ、あいつの言うようにもう間違いなく口だけの男になってしまったけども、俺自身まったく心は折れてないし、今日こうやってメインイベントという舞台に帰ってこれたこと、それだけは嬉しく思っているし。またこれから心折れることなく、またもう一度上を目指してやりたいと思ってます。次あいつを口だけの男にするのは俺だよ」

【清宮の話】「来るんじゃないかなとは思っていたんですけど、思ったよりも来ましたね、ブーイングが。自分はエクスタシーを感じたりはしないんですけど、ブーイングも声援もすべて受け止めて、OZAWAの前に立ちたいと思ってます。それと最近…今日もですね。ちょっと思いましたが、OZAWA疲れてきてるんじゃないかな。疲れが見えて来てるんじゃないの。GHCのベルトって重いでしょ。OZAWAからベルトを取り返すのは自分ですよ。これは自分のための戦いでもあります。OZAWAを倒してからが方舟継承の旅のスタートだと思っているんで。一発で獲りますよ」