【タカタイチマニア】タイチが秋山と初対決で王道体感 「次はシングルで」 2025/5/7

『TAKATAICHI MANIA IV』後楽園ホール(2025年5月7日)
△タイチ&石井智宏vsザック・セイバーJr.&秋山準△

 タイチが秋山との初対決で王道プロレスを体感。「次はシングルで」と続きを見据えた。

 タイチが「俺が少年時代に熱くなった全日本プロレス、あの時代にまだ一人だけ現役選手がいる。その人とぜひやってみたいとずっと思っていた」と希望し、元全日本で現DDT・秋山との初対決が実現することになった。タイチは6・15大阪城大会でIWGPタッグ王座挑戦が決まった石井とのタッグで出陣。秋山のパートナーはタイチの打診を受けてザックに決まった。

 全日本・四天王の一角でタイチの師匠・川田利明が実況席で見守る中、開始のゴングが鳴った。タイチと秋山が先発で登場。タイチが川田ばりのステップキックを連発すれば、秋山はヒザ蹴り連打で応戦。ショルダータックルでなぎ倒すと、タイチもフロントハイキックでやり返した。ザックがグラウンドでコントロールにかかったが、タイチはオーバーヘッドキックで反撃。王道殺法といえる河津落としを決めた。

 その後、秋山が場外戦に持ち込んでタイチをフェンスに投げつけ、ニーリフトを連打。リングに戻ってもパイルドライバーで突き刺す。タイチも脳天唐竹割りで応戦。スピンキックで一矢報いて石井につないだ。

 石井も秋山と初対決。エルボーを打ち込み、ザックが飛び込んでもエルボー、ショルダータックルで蹴散らす。秋山に串刺しラリアットを叩き込み、ブレーンバスターで引っこ抜いた。コーナーに追い込んで逆水平を連打すると、秋山も体を入れ替えてエルボーを連打。エルボー合戦は石井が制したが、秋山もカウンターのジャンピングニーで譲らない。

 ザックもオーバーヘッドキックなど各種腕攻めで続き、一進一退の読み合いを展開。張り手が相打ちになっても石井は両腕ラリアットでザックと秋山に突っ込む。空を切るとタイチが加勢に入ったが、秋山がタイチ、ザックが石井をエクスプロイダーで投げ、フロントネックロックで同時に捕らえた。

 その後も石井とザックが高度な攻防を展開。ザックが羽根折り固めで捕らえると、タイチは顔面蹴りでカットする。秋山が飛び込んでもローリングケサ斬りチョップで迎撃し、ザックにローリングケサ斬りチョップと石井のエルボーのサンドイッチ攻撃をお見舞い。ザックがザックドライバーで突き刺しても、石井はジャーマンで応戦した。

 タイチも秋山をジャンピングハイキックで蹴散らすと、ザックにデンジャラスバックドロップを敢行。ステップキックを連発し、パワーボム、「オー!」からのバックドロップホールドで追い討ちをかける。ブラックメフィストが不発に終わると、秋山が串刺しランニングニーをグサリ。ヒザ蹴りを連打したが、タイチもランニングネックブリーカードロップで応戦。往年の川田&田上明を想起させる石井とのノド輪落とし&バックドロップの合体技も決めた。

 王道殺法前回のタイチがストレッチプラムで秋山を絞め上げると、石井がWARスペシャルでザックを分断した。逃れた秋山がリストクラッチ式エクスプロイダーでタイチに反撃すると、石井がラリアットをお見舞い。ザックがセイバードライバーで石井を突き刺せば、タイチが天翔十字鳳を叩き込んで4人が倒れ込んだ。

 タイチと秋山がアックスボンバーとラリアットの相打ちで正面衝突。タイチがバックドロップでぶん投げれば、秋山はパイルドライバー、ランニングニーの連続攻撃でやり返す。タイチも小川良成ばりのサミング、アゴ砕きからの4の字ジャックナイフでニアフォールに追い込み、アックスボンバーを叩き込んだが、2カウントが数えられたところでタイムアップとなった。

 豪華タッグ対決は大熱戦の末、30分ドロー。試合後、タイチは花道を下がろうとしていた秋山を呼び止め、「すげえ悔しいぞ! 秋山さん、今日は俺のワガママに付き合ってくれてありがとうございました」と感謝。「あなたが五強と呼ばれてやっていた90年代のプロレス、それに憧れて俺は今ここに立って、あなたと試合ができた。憧れを体験させてもらって、ありがとうございました」と感謝。「けど、俺はこれで満足してねえぞ。秋山さん、30分じゃ足りない。次は俺とシングルマッチでお願いします」とアピールした。

 「きっと応えてくれるだろう。ザックも今日、勝手に俺が選んだタッグマッチ来てくれてありがとう。今日も楽しかったよ。またいつかシングルマッチでやろうよ。いつでもやろう」とザックにも投げかけたタイチ。一度は下がっていた石井を呼び戻すと、「今日はタッグチャンピオンに挑戦するのに勝てなくて、すいませんでした。でもこうやって俺が体一つで勝負するようになったのはトモさんと戦ってきたおかげですよ。トモさん、ありがとうございます」と感謝。「だから必ず二人でタッグ獲りましょう」と1ヵ月後のIWGPタッグ戴冠を呼びかけた。

【タイチの話】「俺の詰めの甘さが出た。秋山さんを楽しみたくて、楽しみすぎたかもしれないね。でも次はまたあの時の全日本プロレスが俺の中に宿って、俺はきっとあの人より長くやるから。あの頃の、90年代のプロレス、全日本プロレス。俺がまだまだ引き継いでいって、もっと下のもんに伝えてやる。俺は勝手に秋山さんを吸収してやっていく。秋山さん、次、シングルマッチでお願いします。楽しかったです。付き合ってくれてありがとうございました。クソ、悔しいな。トモと二人で必ずタッグのベルト獲って、新日本プロレスの中心になっていくから。これからTAKAのワガママの試合も残ってるから、最後まで見守ってくれ。解説、懐かしい人がいたな」