【タカタイチマニア】棚橋が“最初で最後のシングル”でTAKAに快勝、上村の対戦要求受諾 2025/5/7

『TAKATAICHI MANIA IV』後楽園ホール(2025年5月7日)
○棚橋弘至vsTAKAみちのく×

 棚橋がTAKAとの“最初で最後のシングル"に快勝。上村優也の対戦要求を受諾した。

 TAKAが新日本4・23松山大会で棚橋に一騎打ちを直訴。この日の後楽園大会を舞台に指定し、「最初で最後のシングルマッチ」がメインで実現した。TAKAは「ただの思い出作りにするつもりはまったくない。近い将来に引退が決まっている選手に俺は負ける気はない」と言い切っていた。

 キャリア33年のTAKA、25年の棚橋は経験に裏打ちされた熟練の技術戦を繰り広げた。まずはTAKAが腕攻めで先手。ショルダーアームブリーカーを連発するなど棚橋をもん絶させる。棚橋もチョップを連発。TAKAは真っ向から受け止め、意地で倒れず。低空ドロップキックでヒザを射抜き、今度はドラゴンスクリュー、ヒザ十字固めなどあの手この手の足攻めに出る。トランスレイヴをぶち込むと、ヘッドシザースで絞め上げた。

 棚橋もドラゴン張り手、フライングフォーアームと得意技を連発してようやく反撃を開始。サンセットフリップを投下したが、TAKAは一瞬のスキを突いてジャストフェースロックで捕らえる。耐えた棚橋はドラゴンスクリューで反撃。グラウンドドラゴンスクリューからのテキサスクローバーホールドでひねり上げた。

 棚橋がハイフライフローを狙ってコーナーに上がると、追いかけたTAKAはジャストフェースロックで捕獲。立ち上がった棚橋はツイスト&シャウト、スリングブレイドと得意技を連発して巻き返す。ハイフライフローはTAKAが自爆させ、張り手、スーパーKを見舞うと、みちのくドライバーIIで突き刺した。が、棚橋もギリギリでキックアウト。掟破りの逆みちのくドライバーIIを敢行すると、ハイフライフローを発射して3カウントを奪った。

 棚橋がTAKAとの初シングルにして最後の一騎打ちに快勝。試合後、棚橋コールの中、マイクを手にすると、倒れたままのTAKAに向かって「TAKAさん、今日はタカタイチ自主興行に棚橋を呼んでくれてありがとうございました」と感謝した。するとTAKAのセコンドについていた上村が棚橋の前に立ち、「試合を見てたら凄くワクワクしました。次、俺とシングルマッチお願いします」と対戦を要望。棚橋も「上村、お前の最近の試合見てるよ。評価はグレートだ」と高評価しつつ、「よーし、俺は疲れたことがないからな。いつでもやってやるよ、このヤロー!」と受諾し、上村が求めた握手に応じた。棚橋ファイナルロードで両者の一騎打ちが決定的となった。

【試合後の棚橋】

▼棚橋「自分よりもキャリアがある先輩とやる機会っていうのはやはり減っていく。そりゃそうだよね。そして引退のカウントダウンが進む中、こうしてエクストラで1試合増えて本当にうれしい。やっぱり俺はもっと試合がしたいんだなって思ったし、こうやって皆さんの前で声援をもらうのが本当にありがたくて、貴重なことなんだなって今日思いました。上村、本当にね、ケガをする前ももちろんよかったんだけど、ケガをした後の上村は価値観が変わったんじゃないかなって。本当に1分、1秒大切にして、プロモーションもいって、なおかつ向上心を絶やさない。こんな有望な選手がいて、それが上村だけじゃなくて、ヤングライオンも。俺の付き人の村島も近い将来、スターになって、新日本を盛り上げるだろうし。今日、ホントにエクストラで自分がプロレスにハマって高校の時から見てるTAKAみちのく選手と戦えたことに感謝します。ありがとうございました」

――メインイベントで気持ちは違った?

▼棚橋「セミがね、ひじょうに盛り上がっていて、石井選手もタイチも。そして解説では川田さんがいて。いやあ、僕もこの後楽園ホールで川田選手とシングルマッチをやって、30分何とか引き分けたんだけど、その時の記憶が。またピリッとしました。ということで今日はタカタイチ興行という例外ができてしまったので、これからは試合がない日、試合に呼ばれれば僕は行くということです。オファーお待ちしてます」

【試合後のTAKA、タイチ】

▼TAKA「棚橋社長、腐っても…いや、腐ったとか言ったら失礼だな。あなたはやっぱり逸材だよ。100年に一人の逸材。相当疲れてんのに疲れないって言い張って、疲れてる疲れてるって言ってる俺とはえらい違いだ。みちのくドライバー完璧に決まった。それでも返した。あの人の意地以外、何も感じなかった。絶対勝ったと思った。さすが棚橋弘至、ホント尊敬できる、俺が憧れた棚橋弘至。キャリアは下かもしれないけど、関係ないね。俺はずっとあの人を見て、新日本プロレス参戦して、あの人に何かを残したくてやってきた部分がある。今だから言えるけど。特に大きな絡みはないけど、引退ロードの多忙な中、俺を相手してくれたこと心から感謝します。もっとすごい選手を育てて、新日本プロレスで活躍できるような選手を育てること。今日もウチの選手が出てたけど、もっともっと世界に羽ばたく選手を作って、プロレス界を照らすあなたのような選手を作りたい。俺らの仲間の上村優也が近い位置にいると思うけど、俺は俺自身、そういう選手を育てたい。JTOの選手。タカタイチ興行に関しては残り数日しかないのに全カードやっと出て、ゴールデンウィーク明けの平日、それでもこれだけの選手が集まってくれて、お客さんも集まってくれた。ただよ、俺らができることやり尽くした気がする。こういう形のタカタイチ興行、いろんな選手の夢を叶える舞台。いろんなことやってきたけど、これからはちょっと方向性を変えて、視野を変えて、今まで俺たちが培ってきたタカタイチっていうブランド力を生かして、もっといろんなところに行ってもいいかなって。日本、世界各国のいい選手の発掘だったり。思えばDOUKIだって、このタカタイチきっかけに世界に羽ばたいた、チャンピオンになった男。そういうことがこれから俺らがやることかなって。今回も海外からどうしても出たいって選手もいたみたいだ。いろんな諸事情で出すことはできなかったけど、いろんな可能性を秘めてる。タカタイチこれを生かして、これからの選手をどんどん発掘していきたい。日本各地いろんなところにも行けたらなって俺は思ってるけど、どうでしょうか?」

▼タイチ「いいんじゃないですか。ずいぶんでっかく出ましたね」

▼TAKA「それだけのものを俺たちは10数年、タカタイチというブランドでやってきたと思うし、出たいって選手はたくさん手を挙げてくれてる。今日は出せなかったけど、いろんな選手がいたわけだから」

▼タイチ「無名ドリームを。やっぱりDOUKI見習って。今日の塚本もちょっと手かけ始めてるけど、ああいう選手がどんどん発掘されて、新日本プロレスに繋がって、将来のスターになっていけば。いいんじゃないですか。タカタイチシリーズ?」

▼TAKA「全国各地にいろんなプロレス団体があって、いろんな選手がいて、そういう人を発掘してもいいと思うし。そういう選手にもビッグチャンスあると思うし。これからそういう選手いっぱい出てくると思うから、そういう人たちのチャンス、舞台になってくれたらいいなと。俺たちは俺たちでやりたいことをやるし、まだまだあきらめてたまるかって。それでいて、若い世代、そういう人間を発掘するのもありなんじゃないかなと思います」

▼タイチ「新章突入ということで」

▼TAKA「そうそう、そういうこと」

▼タイチ「全国の皆さん、ぜひ来てほしい」

▼TAKA「俺らに言ってくれればタカタイチツアーであなたの街に行くかもしれません」

▼タイチ「俺らもまだまだいけるな。また俺らでやりたいことやろうぜ」

▼TAKA「やりたいことやりつつ、新人発掘して、いろいろプロレス界を明るくしていきたいなと思います」

▼タイチ「今日は連休明けにも関わらずたくさんのご来場、PPVのご視聴ありがとうございました」