【新日本】アキラがヒロム熱戦突破で値千金の2勝目 UNITED EMPIREにヒロムを勧誘 2025/5/15

『セキチュー Presents BEST OF THE SUPER Jr.32』東京・後楽園ホール(2025年5月15日)
Aブロック公式戦 ○フランシスコ・アキラvs高橋ヒロム×

 アキラがヒロムを熱戦の末に突破して、値千金のスーパージュニア2勝目。試合後、アキラは無所属のヒロムをUNITED EMPIREに勧誘した。

 1勝1敗で並ぶアキラとヒロムが後楽園2連戦・2日目のメインで対決した。両者は3年前のスーパージュニア公式戦で激突して、ヒロムが勝利。昨年の公式戦でも対戦を予定していたが、アキラがヒザを負傷したため、ヒロムの不戦勝に終わっていた。

 アキラがプランチャで先制に成功。ヒロムを観客席に投げつけると、パイプイスに座らせ、リングサイドを一周してそこに突っ込んだ。だが、ヒロムはカウンターのフロントスープレックスで逆襲。負けじと観客席に放り投げて報復すると、ヒロムが主導権を握り、逆水平を連発する。さらに、腰にもダメージを重ねた。

 しかし、ヒロムがサンセットパワーボムを狙って突進してきた瞬間、アキラはロープを飛び越えての飛びつきダイヤモンドカッターで反撃に成功。「アキラ」コールの中で、ノータッチトペコンヒーロを敢行すると、うつぶせのヒロムにライオンサルトを投下する。

 対するヒロムはファルコンアローで活路を開き、雪崩式TIME BOMB1.5から再び攻勢。トラースキックでアキラを腰砕けにすると、TIME BOMBを仕掛ける。不時着したアキラはリバースフランケンを繰り出すと、ジャーマンで投げられても止まらず、ラリアットの相打ちでも押し勝つ。ファイヤープレックス、スピードファイヤーと得意技を連発し、ファイヤーボールの構えに。ヒロムは間一髪で回避したものの、止まらないアキラはダブルニーを連発してたたみかけた。

 それでもヒロムは再度ファイヤーボールを回避し、掟破りの逆ファイヤーボールを一閃。絶叫とともにダイナマイトプランジャーを繰り出した。さらに、TIME BOMBを狙うもアキラは丸め込んで抵抗。名も無きヒロムロールも先読みしてブリッジして押さえ込む。キックアウトされてもカサドーラを仕掛けるが、こらえたヒロムは後方にジャーマンで投げ捨てて鎮圧した。

 ヒロムはコーナーめがけてのデスバレーボム、ティルトスラム、ラリアットと猛攻。アキラはなおも肩を上げたものの、ヒロムはTIME BOMBIIの構えに。勝負あったかと思われたが、ギリギリで背後に不時着したアキラは、ヒロムのヒザ裏を踏んでヒザをつかせて、片腕を固めた状態から前転し、首を同時に決める複合関節技に捕獲。師匠TAJIRIから教わったという新兵器のグラウンド・タランチュラで逆転のギブアップを奪った。

 アキラが値千金のヒロム超えを果たして2勝目。後楽園大会のメインを激勝で制した。試合後、マイクを持ったアキラは日本語で「ヒロムさん、ちょっと待ってください。ヒロムさん、今、無所属なんだって。UNITED EMPIREもメンバー減ってるし、ちょっと考えてみたらどう?」と勧誘。ヒロムは応じずにリングをあとに。

 アキラは「疲れた。けど、楽しかったね。プロレス最高!」となおも日本語で続けると、英語に切り換えて「俺は過去を振り返らない。未来しか見ないと言った。去ったメンバーのことはもう考えない。今ここにいるメンバーのことを考える。カラム、ジェイコブ、オーカーン、テンプラリオ、アーロン、俺、そしてUNITED EMPIREのことを」とアピール。「俺は世界で最強のジュニアヘビー級レスラーになるためにここにいる! そして、今夜、俺は最強の対戦相手に勝った」と感情を吐露した。

 再び日本語に戻すと、「今日来てくれたみんな本当にありがとうございました! 俺のことから目を離すな。日本の夢を叶えるために、愛しているからな! グラッチェ、チャオ!」と叫んで、後楽園2連戦・2日目を締めくくった。

 バックステージでは「新日本での初のメインの試合はお前が相手だった。3年前のセンダイ。お前が勝ったよ。でも、3年後の今夜……俺の勝利を信じない人もいた……でも、俺は全身全霊でお前に挑んだ。俺はすべてをかけて闘い、勝つことができた」と3年前の公式戦を振り返りつつ、今日の勝利を噛みしめたアキラ。「俺はファイヤーボールを受ける準備はできていなかった。でも、お前はTAJIRIから教わった新技“グラウンド・タランチュラ"の準備はできていなかった」と新兵器について言及し、「俺には窒息してタップアウトさせる新しい武器ができた」と手応えを示した。

 次戦は5・17代々木大会の金丸戦。アキラは「次はカネマルサンだ。今夜イチゴダイフクを食べて寝て、少し休むよ。観客のみんなありがとう」と感謝の言葉を観客に送ると、日本語で「プロレス、本当に最高だよ」と締めくくった。

 一方、ヒロムは前夜の藤田戦に続き、新世代に2連敗。「35歳、これからが旬だと思ってた。どうやらいよいよ追い詰められたらな」とこぼすばかり。次戦の代々木大会ではまたも新世代のダイヤと対戦する。