【スターダム】10周年なつぽい&安納が快勝 くりぃむ有田さん提案で緊急対決も実現 2025/5/31

『なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。〜うちらの足跡〜』大田区総合体育館(2025年5月31日)
○なつぽい&安納サオリvs橋本千紘&岩田美香×

 なつぽい&安納が10周年記念興行のメインで仙女・橋本&岩田に快勝。くりぃむしちゅー有田哲平さんの提案で急きょ両者の一騎打ちも実現し、二人は何度も観客たちに感謝の言葉を送った。

 なつぽいと安納は2015年5月31日、Beginning(アクトレスガールズ)でデビュー。10周年記念日となったこの日、『なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。〜うちらの足跡〜』と題した記念大会を迎えた。二人が自らオファーに出向いてゆかりある顔ぶれが集結した中、二人は橋本&岩田の仙女タッグとメインで対戦した。

 橋本&岩田も2015年デビューで今年10周年。なつぽいと橋本は2023年のセンダイガールズ7・16後楽園大会で一騎打ちを行い、橋本が勝利。安納と岩田は昨年、センダイガールズワールド王座、ワンダー・オブ・スターダム王座を巡って抗争を繰り広げている。

 安納が先発で飛び出し、岩田との因縁対決で幕開け。岩田がヒザ蹴り連打、サッカーボールキック、スピンキックと蹴りまくる。なつぽいはフライングボディアタックで橋本に飛びついたが、キャッチされるとサマーソルトドロップを被弾。ロープを背負った状態でラリアットを叩き込まれてしまう。岩田もミドルキックを叩き込まれ、橋本のドラゴンスリーパーに苦もん。スピアーでねじ伏せられた。

 その後も岩田が蹴りの雨を降らせたが、なつぽいは側転で翻弄してから低空ドロップキックを見舞って打開。タッチを受けた安納がフロントハイキックで続いたが、橋本がぶちかましで鎮圧する。それでも二人を鉢合わせにした安納はミサイルキックでまとめてなぎ倒した。

 岩田が反撃すると、橋本が串刺しラリアット、ブレーンバスターで巻き返す。コブラツイストで絞め上げ、俵返しでぶん投げると、安納が雪崩式フランケンを仕掛けても、パワーボムの構え。なつぽい援護射撃して安納の雪崩式フランケンが成功し、ウラカンラナで丸め込み、低空フロントキックを見舞った。

 なつぽいも低空ドロップキックで橋本の側頭部を射抜き、右腕を蹴り上げる。橋本は追尾式ラリアットで反撃。アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げたが、なつぽいは腕ひしぎ逆十字で切り返す。三角絞めに移行すると、橋本はパワーボムで叩きつけて脱出した。

 すかさず橋本がジャーマンでぶん投げ、岩田はミドルキックを連打していく。岩田のトラースキック、橋本のラリアットが立て続けに決まったが、なつぽい&安納もダブル串刺しドロップキックで応戦。延髄斬りとトラースキックのサンドイッチ攻撃を狙ったが、空を切ると、橋本がスピアーで二人まとめてなぎ倒した。

 それでもなつぽいは岩田に立ち向かい、スピンキックを打ち合う。安納がミサイルキックで援護射撃すると、橋本が飛び込んでも、なつぽいとの合体技で返り討ち。岩田にはなつぽいのトラースキックと安納の延髄斬りを同時に決め、安納がジャーマン、なつぽいがフェアリアルギフトとたたみかけた。

 橋本がフォールアウェイスラムでなつぽいをぶん投げると、安納はジャーマンで巨体を引っこ抜いてみせる。ならばと岩田が安納にジャンピングニーを突き刺した。安納と橋本、なつぽいと岩田が同時にエルボー合戦を展開。橋本が両腕ラリアットでまとめてねじ伏せると、岩田が顔面蹴りでなつぽいに追い討ち。ランニングニー、ダイビングレッグラリアットとたたみかけたが、最後はなつぽいがフェアリアルマジック(多回転式マヒストラル)で丸め込んで3カウントを奪った。

 なつぽいの勝利で試合は終わったものの、試合後も4人はにらみ合ってライバル心をぶつけ合う。なつぽいは「うちら全員10周年、確実に今の女子プロレスを引っ張っていくのはこの4人でしょ」と力強く宣言。安納は「おい、岩田。お前とはな、これからも戦っていくぞ。橋本、お前はこれから戦っていく」と宣戦布告した。

 橋本と岩田も抗争継続をアプールしつつ、リングをあとにすると、なつぽい&安納の10周年の記念セレモニーに。スターダムの岡田太郎社長ら関係者のほか、大会特別サポーターである有田さん、福田充徳さんからも花束が贈呈された。

 福田さんは「本当に凄い迫力の試合で感動しました。素晴らしい大会だったと思います」と称賛し、お笑い界屈指のプロレスマニアである有田さんは「2人の友情、2人の絆を見させてもらいましたが、ますます次は2人の一騎打ちを見たいなと思います。ぜひ見せてください」と要望。さらに、「次、いつぐらい? 極めて近い将来でいいですか?」と具体的な時期まで決めようと迫る。観客も有田さんの「見たい」というアピールを大きな手拍子で後押しする。

 根負けした2人は決意し、急きょ両者の一騎打ちが5分1本勝負で実現することになった。開始と同時に安納がフロントハイキックで突進。ジャーマンで投げると、ミサイルキックを連発していく。負けじとなつぽいはコーナーに上がった安納を首投げでエプロンに叩きつけ、コーナー最上段からのプランチャを発射した。

 リングに戻ると両者は意地のエルボー合戦で火花。ともに連打も浴びせる。安納がジャーマンで投げれば、なつぽいもすぐさま立ち上がってジャーマンで応戦。なつぽいがフライングボディアタックで飛びつけば、安納はハイブリッジのジャーマンスープレックスホールドでやり返す。なつぽいがジャーマンで応戦すると、安納がポテリングを仕掛けたところでタイムアップとなった。

 疲労困ぱいのなつぽいは「有田さん、なんてことしてくてるんだ」とぼやくばかりだったが、「でも、やっぱりサオリは最強のライバルだよ」と実感。安納も「うちらさ、やっぱアホよな。どんだけお互いに負けたくないねん。さすが最高の相方」と返して健闘を称え合う。そして2人は「次は東京ドームのメインイベントで会おう」と壮大な誓いを立てた。

 2人は揃ってリングを去っていくが、10周年興行はこれで終わらない。今大会にも出場した相羽あいながライブを行うと、再び主役のなつぽいと安納が姿を現す。なつぽいはこれまで一度も試合を見に来てくれなかった幼馴染みが今大会を生観戦してくれたことを明かし、「今日、勇気を出して一歩踏み出してくれた人がたぶんたくさんいると思う。本当に本当にありがとうございます」と涙ながらに感謝のメッセージを送った。

 安納も「この10年、ひとりでなんか戦っていません。家族、友達がいるから私がいます。応援してくださっている皆さんがいるから私がいます。相方がいるから私がいます」と感謝の言葉を送ると、2人で「みんなにてんきゅー!」と雄叫び。ここから「てんきゅー」を熱唱して大歓声を巻き起こした。

 2人はゴンドラに乗って会場中を周りながら歌い上げると、間奏部分では「これからもうちらにずっとついてきてください」と呼びかける。何度も感謝の言葉を送ると、最後は「みんな、てんきゅー!」の言葉で大会はフィナーレとなった。