【全日本】史上初の兄弟対決三冠戦実現 ジュンがレイにリベンジでV4、鈴木が名乗り 2025/6/1

『スーパーパワーシリーズ2025』仙台サンプラザホール(2025年6月1日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○斉藤ジュンvs斉藤レイ×

 ジュンが史上初の兄弟対決による三冠戦で弟・レイとの激闘を制し、4度目の防衛に成功。鈴木秀樹の挑戦表明を受諾した。

 レイが5・18大田区大会における決勝戦で宮原を破り、チャンピオン・カーニバル初優勝。試合後、三冠王者の兄・ジュンに挑戦を表明し、この日、史上初の兄弟対決による三冠戦が二人の地元・宮城で実現することになった。両者は昨年5月に同じ仙台におけるカーニバル公式戦以来1年ぶりの再戦。前回敗れているジュンにとっては雪辱戦となった。

 二人が出演する『TAXIめしリターンズ』を放送している『OH!バンデス』の司会を務める歌手のさとう宗幸さんが「君が代」を斉唱し、兄弟対決三冠戦に花を添えた。

 序盤は合わせ鏡のような攻防を展開。レイがショルダータックル合戦に競り勝つと、ジュンはフロントハイキックで場外に蹴落とし、ファンから借りたレイの応援タオルで首を絞め上げる。レイもボディアタックでジュンを場外に転落させ、ジュンの応援タオルによるチョーク攻撃でお返し。逆水平を連発し、鉄柱を背負わせてのボディアタックを叩き込んだ。

 リングに戻ってもレイがダブルチョップ、踏みつけ攻撃、ヒップドロップで攻勢。早くもBBQボムの構えに入ったが、余力十分のジュンは決めさせない。串刺しフロントハイキックを連発して巻き返す。レイも串刺し延髄ラリアットで反撃。雪崩式ブレーンバスターで叩き落としたが、意地で立ち上がったジュンはラリアットを叩き込んだ。

 15分が経過し、両者は意地のエルボー合戦に突入。レイが逆水平、ジュンがチョップに切り替えて打ち合いを続ける。レイがダブルチョップ、ジュンがフロントハイキックのラリーに発展。ジュンがエルボー連打を浴びせれば、レイは追尾式ボディアタック、ブレーンバスター、ジャンピングボディプレスの波状攻撃に出る。ジュンもランニングニーで反撃し、レイが頭突きをぶち込んでもスピアーで突進。レイもフライングボディアタックを放ち、張り手、ラリアットとたたみかけた。

 勝機をつかんだレイはBBQボムで仕上げにかかったが、ジュンはギリギリでキックアウト。ならばとレイはアイスバインを狙ったが、フロントハイキックで阻止したジュンがDying Lightをぶち込む。レイがアイスバインで徹底抗戦しても、ジュンは2発目のDying Lightをぶち込んで3カウントを奪った。

 ジュンが1年ぶりの再戦でレイに雪辱。斉藤ブラザーズ対決の三冠戦を制し、V4を果たした。試合後、リングを降りていたレイを「レイ、ちょっと待て。お前に言いたいことがある。リングに戻ってくるんだ」と呼び止めたジュンは「俺はお前に誘われてプロレスラーになった。それが今こうして、ここ地元・宮城で最高の舞台で戦うことができて最高の気分だぜ。レイ、プロレス誘ってくれてありがとう」と感謝。レイと握手を交わした。

 そこへやってきたのが鈴木秀樹。ジュンが「鈴木秀樹、この会場、この空気、よく出てこれたな」とあきれ気味に言うと、鈴木も「俺もそう思う。でもこれは世界中でもたぶん俺しかいない」とキッパリ。「裏で見てて驚いた。凄い試合だったよ。それともう1個驚いた。俺は斉藤レイが勝つと思った。つい最近ぶちのめされたからね」と続けた鈴木は「負けたばっかりで出てくるのもおかしいと思っただろ? それをやるのが俺なんだよ。もっとおかしいこと言ってやるよ。お前の持ってる三冠ベルトに挑戦はしない。お前の三冠ベルトを獲りにきたんだよ。今、答え聞かせろ」と宣言し、返答を迫った。

 ジュンが「鈴木秀樹、俺はチャンピオン・カーニバルでお前に叩きのめされてる」と切り出すと、鈴木は「そんなことどうでもいいんだよ。俺とやるかやらないのか言えよ!」とピシャリ。「イエスと言え。言わないと帰らないぞ」と脅迫すると、ジュンは「お前にやられたままじゃ斉藤ジュンもカッコ悪いからな。お前の挑戦、喜んで受けてやるよ。鈴木秀樹、DOOM」と受諾したうえで通告した。

 鈴木が去ると、ジュンは「もう一つお前らに言いたいことがある。プロレスラーという生き物は命がけで戦っている。いろんな思いを背負って、このリングで戦っている。今この場にいなくても、命がけで戦っているプロレスラーがいる。誰も欠けることなく全日本プロレスは命をかけて戦うから、これからもよろしく頼むぜ」と集まったファンに呼び掛けた。

 「じゃあ甘いものの時間といこう。お前も一緒に乾杯しようぜ」。そう宣言したジュンはレイとともにわらび餅ドリンクで乾杯。「メッチャクチャおいしい。トロットロのわらび餅がいちごミルクと相まって疲れた体になだれ込んでくるぜ」と満足したジュンはレイと二人でサイン会を行うことを宣言すると、最後に「よりみんなで一体感を出したい」との希望で「3、2、1、DOOM!」で仙台大会を締めた。

 この日、2023年以来2年ぶりの地元凱旋となる10・13角田大会の開催も決定。念願だった兄弟対決の三冠戦を実現させたジュンは故郷に錦を飾るためにも、まずは強敵・鈴木を突破する。