【ストロングスタイル】「新間さんの声が聞こえたよ」 藤波が追悼興行で勝利捧ぐ 2025/6/12

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.34 THE 20th ANNIVERSARY-“過激な仕掛人"新間寿追悼興行-』後楽園ホール(2025年6月12日)
○藤波辰爾&スーパー・タイガーvs村上和成&ブラック・タイガー×

 藤波が新間さんの追悼興行でB・タイガーをドラゴンスリーパー葬。「あんなファイトやってたら新間さん怒るな。『カンピオン、なにやってんだ!?』って新間さんの声が聞こえたよ、途中で」と試合を振り返った。

 藤波は1978年1月、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでWWWFジュニア王座を奪取。大きなインパクトを残して、一躍トップ選手へと駆け上がったが、その舞台を作ったのが当時新日本プロレスの営業本部長だった新間さんだった。新間さんの告別式では「藤波辰爾は新間さんの作品です」と弔辞を読んでいたが、そんな藤波が追悼興行に参戦。S・タイガーと組んで、村上&B・タイガーと対戦した。

 藤波は先発を買って出て、いきなり村上と対峙。村上は荒々しくコーナーに押し込むも、珍しくクリーンブレイクする。だが、藤波はボディブローからビンタを一撃。奇襲を受けた村上は場外に転落して間を取った。

 その後、S・タイガーが村上&B・タイガーの猛攻を受けて長時間捕まってしまったものの、なんとか反撃すると、再び藤波が登場。B・タイガーの串刺しラリアットを回避すると、村上の蹴り足を掴んでドラゴンスクリューで返り討ちにする。そして、B・タイガーにスリーパーを狙った。

 粘るB・タイガーは急所蹴りから首固めでスキを突くと、再び村上が加勢。藤波を羽交い締めにする。だが、B・タイガーのラリアットを藤波が避けると、村上に痛恨の誤爆。怒った村上がB・タイガーを殴り飛ばして仲間割れを引き起こすと、S・タイガーがソバットをB・タイガーにねじ込み、さらに村上を場外に分断して好フォロー。すかさず藤波がドラゴンスリーパーに捕らえてB・タイガーからギブアップを奪った。

 キッチリと勝利した藤波だったが、「今日はタイガーひとりでよかったね。あんなファイトやってたら新間さん怒るな。『カンピオン、なにやってんだ!?』って新間さんの声が聞こえたよ、途中で。ちょっと焦ったな」と反省の弁。それでも「セレモニーでいろんな功績を見て、自分がここにいれるのも新間さんの行動とプロレスを愛する気持ちでひとりのレスラーが生まれたっていう。僕だけじゃなくて、佐山タイガーもそうだし、猪木VSアリ戦もそうだし」と新間さんへの感謝を語り、「だからなおさら今日は悔しい。もうちょっと燃えるものがほしかった」と悔しがった。

 なにはともあれ、新間さんの追悼興行で勝利を捧げた藤波。これからも新間さんの思いを受け継ぎ、現役レスラーとして戦っていく。


【試合後の藤波&S・タイガー】

▼S・タイガー「藤波さん、ありがとうございました」

▼藤波「ありがとうございました。今日はタイガーひとりでよかったね。あんなファイトやってたら新間さん怒るな。『カンピオン、なにやってんだ!?』って新間さんの声が聞こえたよ、途中で。ちょっと焦ったな、最後は。タイガーが本気出すまでもなかったな」

▼S・タイガー「いや、藤波先輩が背中を見せていただいて。まだまだ俺はやるよっていう風に。もっともっと頑張らないという風に。ストロングスタイルを続けて、しっかり発揮できるように頑張っていきたいと思います」

――新間さんの追悼大会だったが、改めて新間さんへの思いは?

▼藤波「新間さんの追悼大会ということで、僕も意識したし。もうちょっと俺をいじめてくれると、もっとなんか自分の燃えるものが湧いてきたんだろうけどね。タイガーもタイガーもイライラとしたと思う。まあでも、セレモニーでいろんな新間さんの功績を見て、自分がここにいれるのも新間さんの行動とプロレスを愛する気持ちでひとりのレスラーが生まれたっていう。僕だけじゃなくて、佐山タイガーもそうだし、猪木vsアリ戦もそうだし。だからなおさら今日は悔しい。もうちょっと燃えるものがほしかったな。2人でイライラしました」

▼S・タイガー「まだまだ藤波先輩の燃える闘魂というものを。熱さが伝わったんで」