【全日本】ジュンが鈴木粉砕で三冠熱闘V5 スミス、青柳が同時表明も本田割り込み 2025/6/18

『スーパーパワーシリーズ2025』後楽園ホール(2025年6月18日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○斉藤ジュンvs鈴木秀樹×

 ジュンが鈴木を真っ向から粉砕して三冠王座5度目の防衛に成功した。試合後、デイビーボーイ・スミスJr.と青柳優馬が挑戦表明し、2人による次期挑戦者決定戦が浮上したものの、本田竜輝がスイーツを奪い取って宣戦布告。ジュンはまず本田を迎え撃つことになった。

 三冠王者のジュンは6・1仙台大会で弟のレイを破り、4度目の防衛に成功。試合後、チャンピオン・カーニバル公式戦でジュンに勝利していた鈴木が「お前の三冠ベルトを獲りにきた」と宣戦布告し、後楽園大会のメインイベントでタイトルマッチが実現した。

 互いにじっくりと出方をうかがうが、ジュンはショルダータックルで鈴木を吹き飛ばして先制。重厚感溢れる攻撃を重ねて、序盤戦をリードした。だが、鈴木はスキを突いてのぶら下がり式首4の字固めで主導権を奪うと、ネックブリーカードロップを皮切りに首に集中攻撃を仕掛ける。

 屈しないジュンも連続串刺しフロントハイキックや滞空式ブレーンバスターで拍手を巻き起こすと、打撃戦もパワーを活かして再び攻勢。追尾式バックエルボーからバックドロップにつなげた。鈴木もチキンウイングフェースロックで拷問すると、ツームストンパイルドライバーで再び首を狙い撃ちにし、STFで絞めに絞めた。ジュンがロープに逃れると、ダブルアームスープレックスの体勢に。ジュンの抵抗を受けてもエクスプロイダーで引っこ抜いた。

 しかし、即座に立ち上がったジュンはチョークスラムでやり返して、両者大の字に持ち込む。コーナーに上がったジュンに掴みかかった鈴木は、頭突きで突き落とされてもナックルパンチで足止めし、雪崩式ダブルアームスープレックスを敢行。ここでも即座に立ち上がったジュンはスピアーをぶち込んで、またも両者大の字に。

 ジュンは胸板に重たいハンマーパンチを連発。打撃戦を優勢に進める。鈴木が腹部へのエルボーで巻き返しても、ジュンはのど輪を掴んでコーナーに押し込み、突っ張りや頭突きで応戦。串刺し攻撃を狙って突っ込んだ。これを避けた鈴木はハンマーロックで自由を奪った状態で腹部にエルボーを連打、連打、また連打。バックドロップで投げ飛ばしたものの、ジュンもビンタからラリアットを振り抜いて譲らない。

 対角線のコーナーで立ち上がると、ジュンが突進するが、踏み込んだ鈴木がドロップキックを一閃。後頭部にエルボーを振り下ろし、胸板を連続して蹴り上げると、スリーパーに長時間捕獲する。ジュンが屈しないとみるや、ダブルアームスープレックスの体勢に。これをリバースしたジュンは体勢を崩しながらDying Lightを放つと、ジャックハマーを挟んで、再度Dying Lightをズバリ。鈴木から逆転勝利を挙げた。

 ジュンが鈴木を下して三冠王座V5に成功。マイクを持つと、「三冠ベルトを防衛したぜ!」と勝利の雄叫びを上げた。「鈴木秀樹、強かったな。意識が飛んだと思ったぜ。前にあんたに俺じゃメインを務めるのが相応しくないと言われて、あれからいろいろ考えたが、俺の力はまだまだこんなはずじゃないはずだ。俺は鈴木秀樹、あんたに別に認めてもらいたいわけじゃない」と鈴木に対して語りつつ、「だが、これだけは言える。誰が来てもこのベルトは俺が守ってやるよ。俺が全日本プロレスの三冠チャンピオン・斉藤ジュンだ」と力強く宣言してみせた。

 そこにスミスが現れて、ジュンへの挑戦を表明するが、青柳も割って入り、「俺とそのベルトを懸けて戦ってくれよ」とアピールし、どちらも引き下がらずに視殺戦を繰り広げる。王者のジュンは「俺はこんなに強い2人がいっぺんに来てくれてメチャクチャ嬉しいぜ」と歓迎したうえで、「じゃあ、わかった。2人で戦って、勝ったほうとこのベルトを懸けて戦うというのはどうだ? チャンピオンがこう言うんだ。誰にも文句を言わせない」と挑戦者決定戦を提案。観客も拍手で後押しし、2人の対戦が決定的となった。

 「誰が来ても返り討ちにしてやる。DOOM」と通告したジュンは、恒例の“甘いものの時間"に。ジュンは「お前らそれが見たくて来たんだろ?」と言い張り、セコンドにフィナンシェを持ってくるよう指示した。

 しかし、フィナンシェを持って来たのは本田だった。今大会でELPIDAが解散となり、本田は次なる動きを模索していた。ジュンは「それは俺のだ」と詰め寄るも、本田は手渡すフリをしてから一気に食べてしまう。そして、「おい、斉藤ジュン、今年もこの季節がやってきたな」とニヤリ。本田は昨年の夏場にジュンからスイーツを盗み取り、世界タッグ戦線で抗争を繰り広げていた。

 ジュンは「本田竜輝、お前はスイーツ泥棒を卒業したんじゃなかったのか?」と指摘するが、本田は「なに言ってんだ。人間とは弱い生き物なんだ。その中でも本田竜輝は弱くてもろい。同じことを何度も何度も繰り返してしまう…」とつぶやくと、「そんなことはさておいて、おい、斉藤ジュン。お前が三冠を獲って、防衛していくたびに、俺は悔しくて悔しくて仕方ないんだ。青柳、スミス、関係ねえんだ。その先に三冠挑戦させろ」と要求した。

 ジュンにとってスイーツの恨みは何よりも優先される。「本田竜輝、望み通りにしてやろう。こうなったら、青柳優馬もスミスも関係ない。まずはお前から叩き潰してやる。本田竜輝、DOOM」と受諾。割り込んだ本田の挑戦が先に浮上する形となった。

 本田は「俺はお前のこと本気で潰すぞ」と通告すると、さっそくフィナンシェを強奪し、観客に配りながら去っていく。これにはジュンもぼう然。「あいつはひどいヤツだ。あんなひどいプロレスラー俺は見たことない。こうなったら、俺があいつを叩き潰してやるから、お前らそれを楽しみにしてろ」と報復を予告し、「じゃあ、俺もう食べる甘いものがないし、早く買いに行きたいから、全員立ってくれ」と呼びかけると、「3、2、1、DOOM!」の雄叫びで大会を締めくくった。

【ジュンの話】「三冠ベルト、鈴木秀樹から防衛したぜ。いやあ、タフな相手だった。意識が何度も飛びかけた。リング上でも言ったが、前にあんたから『俺がメインじゃ務まらない』と言っていたが、その借りを返すわけじゃないが、しっかりと全日本プロレスの三冠チャンピオン・斉藤ジュンをお前に見せてやったぜ。鈴木秀樹、またあんたとやりたいな。そしたら、終わったばかりでいったい何なんだ? 青柳優馬もデイビーボーイ・スミスJr.も、あんな強いヤツらが来てくれるのは嬉しいんだが、2人いっぺんだと? しかも本田竜輝。お前、またも俺が楽しみにわざわざ用意していて取っておいた甘いものを食べやがったな。デイビーボーイ・スミスJr.と青柳優馬はあとだ。まずは本田竜輝、お前を叩き潰してやる。覚悟しろよ。DOOM」

【本田の話】「ELPIDAを抜けてさっそく行動させてもらったぜ。おい、斉藤ジュン。お前が活躍している姿、俺は悔しくて悔しくてたまんねえんだよ。まあ、スイーツも泥棒したことだし、次は三冠のベルトを俺が正々堂々お前から獲ってやるよ。おい、斉藤ジュン。お前、ホントに潰すぞ」