【全日本】王道T開幕 宮原が真霜の足攻めしのいで初戦突破 野村との2回戦へ「時は進んでいるんだ」 2025/8/24

『第12回 王道トーナメント』後楽園ホール(2025年8月24日)
1回戦 ○宮原健斗vs真霜拳號×

 宮原が真霜の執ような足攻めを耐え抜いて、逆転勝利を果たし、王道トーナメント1回戦を突破。2回戦で実現する野村直矢との再会対決に向けて、「すでに時は過ぎてるんだ。時は進んでいるんだ」と投げかけた。

 今年で12回目の開催となる王道トーナメントの開幕戦メインに、2022年以来、3度目の優勝を狙う宮原が登場。2018年の初優勝時に決勝を争った真霜と1回戦で対決した。宮原は青柳とのコンビで世界タッグ王座を保持していたものの、8・3大田区大会で鈴木&真霜組にベルトを奪われており、リベンジするチャンスを迎えた。

 場外での頭突き連発でペースを握ったかに見えた宮原だったが、先にリングに戻った真霜はロープを挟んだ状態でドラゴンスクリューを決めて、右足攻めを開始。場外に転げ落ちた宮原をヒザから鉄柱に叩きつけると、絞め技や蹴り技などあらゆる手段を駆使して一点集中攻撃に打って出た。足を引きずりながらも反撃を仕掛けた宮原だったが、真霜はエプロンめがけてニークラッシャーを強行。非情な攻撃を受けた宮原のうめき声が後楽園に響き渡る。

 それでも反撃のチャンスを待った宮原は、ランニングローキックを意地になって正面から受け止める。さらにドラゴンスクリューを食らって苦もんしても、真霜のタックルにカウンターのヒザ蹴りを合わせ、ジャンピングハイキックを食らっても倒れず、ブレーンバスターでぶん投げて、なんとかダブルダウンに持ち込んだ。場内は「健斗」コールに包まれる。

 先に動いた宮原はブラックアウトをぶち込んだものの、2発目は真霜がヒザへのレッグラリアットで迎撃。またも右ヒザを一方的に狙い撃ちにする。粘る宮原はシャットダウンスープレックスで一発逆転を狙うが、振り払った真霜はブラックアウトを完璧に読んでヒザ十字固めに捕獲。長時間絞めに絞めた。土俵際まで追い込まれた宮原だったが、「健斗」コールを受けると、執念でロープに逃れる。宮原がヒザ攻めで屈しないとみるや、真霜は垂直落下式ブレーンバスターの構えに。

 踏ん張った宮原はスタンディングブラックアウトで反攻。倒れない真霜も投げ捨てジャーマン、真剣で攻め立てたものの、宮原はハイキックをかいくぐり、シャットダウンスープレックスの構えに。ロープに逃れようとする真霜をリング中央に引きずり込み、抱え上げた場面で真霜にヒザを蹴られても離さなかった宮原が死力を振り絞ってシャットダウンスープレックスホールドを決めて、3カウントを奪った。

 終始攻め込まれた宮原だったが、ワンチャンスをものにして大逆転勝利。王道トーナメント2回戦進出を決めた。

 「健斗」コールを浴びると、マイクを持った宮原は「1勝目ゲットだぜ!」と雄叫び。「さあ、王道トーナメント2025、初っぱなから真霜拳號を破り、最高のスタートダッシュだ。そこでだ。後楽園ホールの皆さんは誰が優勝することを望みますか? 正直な声を聞かせてくれ」と投げかける。様々な声が飛ぶが、最終的に「健斗」コールに包まれると、最高男は「満場一致で宮原健斗です」と断言。「ひとつだけ皆様に教えておこう。皆様が誰を望もうが望まないが、俺には関係ありません。あなた方には好き勝手言う権利があります。ただ、皆様ご存知の通り、おそらく俺が優勝しちゃうことでしょう」と強気に言い放った。

 9・6宇都宮大会で行われる2回戦では、野村と対戦することに。宮原は「あのかつて宮原健斗とNEXTREAMを共にした野村直矢か」とこぼすと、「その頃の時代を懐かしむのもよし。今から新しい戦いを楽しむのもよし。ただよ、1つだけ世の中の皆様に教えといてやるよ。すでに時は過ぎてるんだ。時は進んでるんだ」と強調してみせた。

 さらに、「野村直矢との物語が9月6日宇都宮でこの先どうなるのか。こんなカッコいいこと言っているけど、俺が負けたらすべて終わりだ。ということは、9・6宇都宮、みんな応援する準備はできてるのかよ。野村直矢と宮原健斗、どっちを応援するんだよ?」と観客に呼びかけて、再び「健斗」コールを巻き起こす。「おい、プロレスファン、9・6宇都宮、しっかり目を見開いて見届けてくれ。そして、9月15日、王道トーナメント優勝決定戦の舞台に進むのは、この俺、スーパースター、宮原健斗だ」と観客に改めて予告した宮原は、「王道トーナメント最高」と恒例の最高締めを披露した。

 バックステージでも改めて野村戦に言及。「思い入れがあるのかないのかと言われれば、思い入れがあるレスラーだ。彼はこの全日本プロレスで厳しい練習に耐えてデビューを勝ち取り、そのあとから全日本プロレスからいなくなった」と野村への思いを口にしながらも、「そんなことは俺には関係ねえんだ。誰が辞めようが、野村直矢が辞めて何を今してようが、俺には今関係ない。なぜなら、この業界は一匹狼だからな」と過去は意に介さず。

 それでも「ただ、お前の中には全日本プロレスの継承されたものが残っているはずだ。だからこそ青柳優馬を倒せたんだろう。その時代を知るファンも今やどれぐらいいるのか知らないが、プロレスはドラマだ。せっかくあるドラマを無駄にはしたくねえからな」と続けると、「野村直矢に宇都宮で俺はちっとも優しさを見せるつもりはない。思い出に浸るつもりもない。9・6でお前との物語がどうなるのか。てめえと向き合った時の目を楽しみにしてるよ」と野村にメッセージを送った。

【宮原の話】「よっしゃあ。1勝目スタートだ。8年前、優勝決定戦で当たった真霜拳號。変わらずパワフルだ。何も変わらず、かなりの華やかさをまとった、強さをまとったレスラーだ。また会えるのを楽しみにしてるよ。王道トーナメント1回戦突破だ。さあ、次は野村直矢か。ファンの人が言ってたもんな。『どこの野村さんです?』と聞いたら、直矢らしい。俺が知ってる野村直矢さんだよ。彼とはNEXTREAMでやっていた時期があり、思い入れがあるのかないのかと言われれば、思い入れがあるレスラーだ。彼はこの全日本プロレスで厳しい練習に耐えてデビューを勝ち取り、そのあとから全日本プロレスからいなくなったと。そんなことは俺には関係ねえんだ。誰が辞めようが、野村直矢が辞めて何を今してようが、俺には今関係ない。なぜなら、この業界は一匹狼だからな。全日本プロレスという枠組にいても、俺は常にそういう気持ちで戦ってるからな。野村直矢、お前が全日本プロレス所属だろうが、フリーだろうが、何だろうが関係ねえ。ただ、お前の中には全日本プロレスの継承されたものが残っているはずだ。だからこそ青柳優馬を倒せたんだろう。その時代を知るファンも今やどれぐらいいるのか知らないが、プロレスはドラマだ。せっかくあるドラマを無駄にはしたくねえからな、野村直矢。9月6日の宇都宮で、すべてリング上で向かい合えたらわかるだろう。てめえが過ごしたこの期間をな。俺はこの業界の最前線を走り続けている男だ。ただ、王道トーナメントは負けたら終わりだ。野村直矢に宇都宮で俺はちっとも優しさを見せるつもりはない。思い出に浸るつもりもない。9・6でお前との物語がどうなるのか。てめえと向き合った時の目を楽しみにしてるよ。9・6宇都宮、野村直矢、勝負だ」

【真霜の話】「クソ! クソが! 宮原健斗よ、やっぱてめえの武器は、その無尽蔵のエネルギーとタフさかもしんねえな。今日はよ、カッコ悪いのは承知で言わせてもらうよ。俺、昼に試合やってきてんだわ。その影響がなかったと言ったらウソになるからよ。宮原健斗、もう1回やろうぜ。俺はよ、てめえには負けっぱなしだ。全然勝てねえな。こんな相手初めてだよ。おい、まだ、まだまだまだ…(宮原のマイクアピールが聞こえてくると)やっぱあいつマイクもキッチリしやがってよ。そのスタミナどこから来てんのか。そのうち俺が攻略してやるからよ。安心するんじゃねえぞ。またてめえの前に立ってやる」