【天龍プロジェクト】初参戦・海野が天龍への「恩返し」誓って宣言「龍魂を見せる」 11・4後楽園会見 2025/10/3
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11・4後楽園大会へ向けた会見が3日、都内で行われ、初参戦となる新日本・海野翔太が天龍源一郎への「恩返し」として「龍魂を見せる」と誓った。 11・4後楽園大会は天龍プロジェクト15周年、天龍引退10周年、天龍75歳の3つを記念した興行。天龍プロジェクトとしては“最後の後楽園"の区切りとなり、天プロレギュラー勢のほか、天龍にゆかりのある他団体、フリー勢も多数参戦する。 すでに全カードが出そろっていたが、この日、試合順が決定。メインイベントは「鷹木信悟&拳剛vs岩本煌史&海野」の天プロ&新日本混成タッグ対決となった。「僕のプロレスラー人生の目標の一つだった、必ず参戦するというのは決めていたこと」という海野にとって念願の初参戦が実現する。海野の父・レッドシューズ海野レフェリーはかつて全日本、SWS、WARと天龍と行動をともにしてきた。「欲を言えば(天龍と)同じリングに上がりたい」との夢は叶わなかったものの、天龍のリングにようやく上がることができ、「私情を挟むのであれば父親と母親が一番お世話になってる部分がたくさんありますので、海野家の代表として恩返しできれば」と誓っている。 「一番はもちろん狙っていきたいですし、一番目立ちたいというのがあるんですけど、それ以上にプロレスを通して天龍さんの記憶に残っていただければ」というのが海野にとっての目標の一つ。拳剛とは初対戦で、パートナーの岩本とは2019年2月19日、ジャイアント馬場没20年追善興行・両国大会における3WAYタッグマッチ(SANADA&BUSHIvs海野&吉田綾斗vsジェイク・リー&岩本)で対戦したことがある。「天龍プロジェクト、ホントに新参者もいいとこなので、そこはしっかり二人から見て学びたい部分があります」と二人を通じて天龍プロジェクトの真髄を味わうつもり。「仲良しこよしでやる大会でもないと思いますし、楽しみたい部分はたくさんありますけど、試合をする以上はしっかり龍魂がこもった戦いをお見せできれば」と誓った。 会見に同席した天龍は「翔太君がウチの団体、俺が苦労してやってきた団体のメインで最後に出てくれて締めてくれるっていうのは一番感慨深い」と発言。「今度の後楽園ホールは天プロとしての集大成ということで、いろんな選手に参加していただいて、面白いカードを組めたという自負があります」としたうえで、「天プロ独特の、本来のアントニオ猪木さん、力道山関が作ったようなプロレスを発していただいて、ファンの皆さんに刺激を与えていただければ。後楽園でこれだけのラインナップを並べて、これだけの選手を出してる天プロの心意気も汲み取って『頑張れ、お前ら』って言うだけですよ」と期待を込めていた。 ☆11/4(火)東京・後楽園ホール『天龍源一郎 引退10周年記念興行〜革命飛翔〜』17:30開場、18:30開始 ◇第1試合◇ 吉田和正 河野真幸 (1/15) 永尾颯樹 佐藤耕平 ◇第2試合◇ ▼ミックスド6人タッグマッチ 岩崎孝樹 笹村あやめ 松本浩代 (1/20) 政岡純 雪妃真矢 DASH・チサコ ◇第3試合◇ 本田アユム SUSHI 入江茂弘 “brother"YASSHI (1/20) 渡瀬瑞基 神谷英慶 レイパロマ 新井健一郎 ◇第4試合◇ ▼3WAYマッチ(1/15) 仁木琢郎 vs 児玉裕輔 vs 谷嵜なおき ◇第5試合◇ ▼スペシャルシングルマッチ ザック・セイバーJr. (1/30) 矢野啓太 ◇第6試合◇ 進祐哉 関本大介 鈴木みのる (1/30) 佐藤光留 諏訪魔 越中詩郎 ◇第7試合◇ ▼スペシャルタッグマッチ 海野翔太 岩本煌史 (1/30) 拳剛 鷹木信悟 【会見の模様】 ▼天龍「(引退から)もう10年も経ちまして、日々いろいろ考えることがあって過ごしてはいるんですが、目標というものがなかなか見つからなくて、どうしたものかと思ってるところに10年という節目で、いろんなところで興行を打っていただいたり、新木場ではありますが、定期的に打っていく天プロの姿勢に自分も加担することができて、それなりに毎日を一生懸命、過ごせることで幸せだなという環境があります。そして、こういう記者会見になりますと、今まで見てた皆さんとともに、そうかプロレス界も変わってきたんだなって感覚で、また新たな刺激を与えてもらっているこんにちです。今度の後楽園ホールは天プロとしての集大成ということで、いろんな選手に参加していただいて、面白いカードを組めたという自負がありますので、こぞって参加して後楽園ホールで楽しいひと時のプロレスをみんなで魅せたうえで、皆さん満足していただければ、興行主としても喜ばしいと思いますので、皆さん、よろしくお願いします。一番のポイントは新日本プロレスの選手が天プロの10周年、天龍源一郎引退10周年ということで特別参加していただくことだと思います。特にザック・セイバーと矢野啓太はよく似た感じですけど、初顔合わせであって、どういう展開になるかというのは俺自身も見てみたいし、実際実現できたことに喜びを感じています。メインイベントは激しい戦いになるのはわかってますけど、天プロ独特の、本来のアントニオ猪木さん、力道山関が作ったようなプロレスを発していただいて、ファンの皆さんに刺激を与えていただければいいと思ってます。戦い慣れてる人たちがうまくこなして、新しい天プロを、これからの天プロを見せる出発点になればいいと思ってますので、ぜひ期待してください」 ▼ザックのコメント「天龍さんは日本プロレス界だけでなく、グローバルなプロレス界のアイコンに違いないです。私もたくさん影響を受けた偉大なレスラーです。そして同じオールジャパンの系譜を継いだ小川良成さん。彼も私のプロレスキャリアに多大なる影響を与えた選手の一人です。私のプロレスの源流、ルーツはオールジャパンに通じるかもしれない。天龍さんとは同じリングで同じ時を過ごしたことはないですが、今回この大会に招待いただけたこと、非常に光栄に思います。尊敬する2選手、そしてオールジャパンのファイトスタイルを意識しながら全力で戦いたいと思います。対戦相手の矢野啓太選手。彼のバトラーツ時代の戦いも知ってるし、英国式プロレスに影響を受けたとも聞いている。彼との対戦は非常に楽しみだね。英国のキャッチレスリングと日本の和の精神がいかに融合できるか。その最高のアートを観客の皆さんにお見せしたいと思います」 ▼矢野「11月4日、ザック・セイバーJr.選手、新日本プロレスさんから出場されるということで。そして自身とシングルマッチ、本当にまずは天龍プロジェクトさん、並びに新日本プロレスさん、ありがとうございます。世代もザック・セイバーJr.選手と変わらないですし、彼は本当に僕が純粋に見てて面白いレスリングするなっていうのは感じてまして。時間に劣化されない、くすまないプロフェッショナルレスラー。それがザック・セイバーJr.選手だと思ってますので、聖地・後楽園ホールでシングルマッチができるなんて、本当に続けてきてよかったなと。あきらめなくて続けてきて本当によかったと思います。あとは世界を驚かせるだけなんでね。見ていていただければと思います。先ほどバトラーツ時代の戦いも知ってると。正直ちょっと驚きましたね。逆に僕も彼がメキシコで試合してる映像とか見てたりとかして。面白いですよね。一生懸命やりますんで、よろしくお願いします」 ▼海野「天龍プロジェクト初参戦させていただきます。僕のプロレスラー人生の目標の一つ。必ず参戦するというのは決めていたことなので。欲を言えば(天龍と)同じリングに上がりたいっていうのがありましたけど、叶わない部分があるので。私情は出てきますけど、いろんなものを恩返ししなければいけない部分がありますので、そういう思いをもって当日リングに上がりたいと思います。対戦相手だったり、仲間だったり、初めて肌を合わす方が多いので、当日リングで楽しみたいと思います」 ▼岩本「今回、天龍さんのメモリアル、記念のアニバーサリーが3つあるということで。自分にとっても11月4日というのは自分がプロレスデビューした日なので、この11月4日というのはとても大事な日。その大事な日に後楽園ホールで、しかもメインイベントで試合ができるという喜びが凄くあります。今、IJシングル王者として天龍プロジェクトの先頭に立っていますので、10月25日に大阪で防衛戦もありますので、そこもキッチリと防衛して、IJシングル王者のまま11月4日を迎えたいと思います」 ▼拳剛「今回メインイベントをこの4選手が任されたわけですけど、各々、龍魂が宿ってるというならば、その龍魂を4人でぶつけ合う。ただ、それだけ。ホントの龍魂がなんなのかというのを見せつけたいし、味わいたい。そういう気持ちでいます。当日、楽しみにしています。よろしくお願いします」 ▼鷹木「新日本プロレス、元気ハツラツ、鷹木信悟です。最初にオファーをいただいた時にメチャクチャ、テンション上がりましたね。新日本のスケジュールがどうであれ必ず出たいと。天龍プロジェクトさんはトリプルイヤーですか。自分にとってもトリプルイヤー的なのがあるかなと。実は天龍さん、覚えていらっしゃるかわからないですけど、2005年、20年前に大阪で一度タッグマッチで試合したことがあって。2015年、天龍さん引退試合を両国でやられました。実はその時もオファーをいただいていたという話を後から聞いたんですけど、自分自身がDRAGONGATEの興行があったので出ることができず、すごく悔しい思いをしたのをよく覚えてるんですけど。そして10年経って、こうして試合に出れるのはホント願ったりかなったりという感じですね。自分自身がデビューしたところはDRAGONGATEですけど、当時、別に先輩レスラーとかも世代が近かったので、特に師匠とか、そういったものはなかったので。アマチュアの頃は、プロ入りする前はアニマル浜口さんのところでずっと修行してたので、師匠は浜口さんですけど、プロレス界入った時に…ちょうど実は今日10月3日がデビュー記念日なんですけど、デビュー21年なんですけど、この21年間の中で最も鷹木信悟というプロレスラーが作られる中で影響されたレスラーは天龍さんなので。そういう意味で自分も勝手ながら龍魂を背負って、勝手にグッズなんかも出したりしてますけど、そういったものを11月4日に見せることができたらいいなと思ってます。新日本プロレス所属ですけど、実はファン時代、最も夢中になってみていたっていうのが全日本プロレスの四天王プロレスだったんですよ。三沢さんだったり、小橋さんだったり、川田さん、田上さんの試合を見て熱くなっていたんですけど、自分自身、歴史が好きだから、そこをさかのぼってみると、もともとの四天王プロレスの源流というのは鶴田さん、天龍さんの鶴龍対決だったり、天龍さんあってのプロレスなんだなって思いますね。令和になって2025年。これから未来に向けて古き良きというか、残すべきものは残していかないといけないと思ってるので。あとは天龍さんがレボリューション、天龍革命と言われてたのも『このままでいいのか? 全日本プロレス』。そういうところから始まったと思ってるんですけど。自分自身も今年、来年というのはプロレス界にとっても分岐点になる年になるんじゃないかなと思います。スター選手が海外に行ってしまったり、新日本プロレスでは棚橋社長が引退されますし、プロレス界にとって起爆剤となるような試合を11月4日、後楽園でみせたいと思ってます。『革命飛翔』(大会名)と書かれてますけど、『龍魂爆発』みたいな、そういったものを見せたいなと思います。拳剛選手、岩本選手、海野もいますけど、全員が敵のような感じでね。俺が俺がという試合を見せたいと思います。当日よろしくお願いします」 ――今の新日本を担う二人と組み、肌を合わせるが? ▼岩本「隣にいる海野選手は2020年だったかな。馬場さんの追善興行で3WAYタッグで対戦してて、鷹木さんは2018年、自分が全日本に所属してた時のチャンピオン・カーニバルに出てて。3WAYタッグだったので海野選手はほんのちょっと触れ合うだけで、鷹木選手とはごあいさつ程度しかなかったので。今回、海野選手と組むというのは、活躍とかも見てるんで心強い部分もあるんですけど、やっぱりそこは負けないぞと。自分チャンピオンでもあるんで、そういうプライドもありますし。鷹木選手に対しても、当時はまったく触れ合えてなかったので、ここで岩本煌史はどんなもんかっていうのをぜひとも体感してもらいたいと思います。天龍プロジェクトのチャンピオンとしてのプライドをしっかりぶつけようと思います」 ▼拳剛「正直言いますと鷹木さんも海野選手も、自分と岩本選手がもってない影響力のでかさっていうのはすごくあるんで、その影響力は力を貸してもらいたいという気持ちなんですけど。今回、引退して10年の大会で後楽園でやるんですけど、5年前も後楽園ホール大会で私はメインイベントに出ました。その時は正直言って自分のいいところも何も残せず、ただただやられて終わってしまったという苦い思い出がありまして。振り返れば5年前は自信がなかったんだと思います。それから5年も経ってますし、今、自分のプロレスに自信があるので。5年前なら鷹木さんの横にいて恐れ多いですっていう気持ちがあったかもしれないですけど、今は鷹木さんのパートナーとしてふさわしいと思うし、逆に鷹木さんは僕のパートナーとしてふさわしいと思います。海野選手はお会いするのは実は2度目なんですよ。たぶん海野選手は覚えてないと思います。それが僕の現状。試合はしたことないんですけど、その現状も受け入れて、海野選手の中に印象残してもしょうがないと思うんですけど、忘れられないレスラーになるかなっていう感じですかね。凄く活躍も見てますし、いろんなことに挑戦してるなっていう意味では興味持ってます。ただ、負けるつもりはないです」 ――レギュラーの二人と組み、戦うが、天龍プロジェクトにどんなイメージがある? ▼海野「天龍プロジェクト、ホントに新参者もいいとこなので、そこはしっかり二人から見て学びたい部分がありますし。個人としてはもちろん…(拳剛が)先ほど覚えてないかもとおっしゃってたんですけど、活躍というのは目を通してるので、そんなことはないよと。ただ、仲良しこよしでやる大会でもないと思いますし、楽しみたい部分はたくさんありますけど、試合をする以上はしっかり龍魂がこもった戦いをお見せできればと。そこは一つ興味がわいてますね」 ▼鷹木「イメージ的には後楽園だろうが、新木場だろうが場所を問わずバチバチやってる印象がありますね。それはレスラーとして当然のことだと思うんですけど。岩本選手がIJのベルト、これもしかしてあれですか? 力道山先生が絡んでるベルトでしたっけ? これは違うやつですか。見た目が歴史があるので。僕も今週日曜日、タイトルマッチで負けたばかりで、本当はチャンピオンとして天龍プロジェクトの試合に出たかった。海野とはよく新日本でも戦ってるんで。逆にこの天龍プロジェクトを知るにはチャンピオンと戦うのを楽しみにしてますよ」 ――ザック戦へ向けてプランは出来上がっている? ▼矢野「プランは出来上がってまして、抽象的な表現になりますし、あんまりこういう言い方は僕は避けたいと思ってるんですけど、神に誓った戦い。お互い神に誓い合おう。そういった本当に極上のレスリングを持っていくつもりで。人生は素晴らしいってみんなで言いましょう」 ――スタイル的には? ▼矢野「いつも通りですよ。いつも通りですし、先ほどザック・セイバーJr.選手がメキシコでやってる映像を見たというのもあったりして、こちとらもルチャもできれば、オールドスクールのアメリカンも。バチバチジャパニーズはあんまりしないかもしれないですし、わかんないですね。そのへんは臨機応変に。佐藤光留選手とやり合ったように頭突き合戦が始まるかもしれないし。そのへんも含めて神様の許しを得て戦いたいと思います」 ――天龍プロジェクトらしさとは? ▼矢野「そうですね。天龍プロジェクトさんのスタイルという定義が皆さん違うと思うんで。いつの日か湖に夕日が沈むのを眺めながら一緒にビール飲めればいいんじゃないかなと。今んとこはそれでいいかなと。その時は拳剛選手、岩本選手、海野選手、鷹木選手、来てよ。招待します」 ▼岩本「僕の思う天龍プロジェクトのプロレスっていうのは、簡単に言えば、『なんで?が起こらないプロレス』だと思ってます。単純にそれだけです」 ▼拳剛「ちょっと矢野さんの回答に似てしまうのかもしれないですけど、天龍プロジェクトスタイルなんてものはないと思うんですよ。各々が自分のスタイルを主張して発揮しまくって、それが混ざり合ってるから天龍プロジェクトスタイルと言われてるのかなと。天龍プロジェクトスタイルを意識して戦ったことは僕は一回もないですし、拳剛スタイルが天龍プロジェクトスタイルって言われてるのかなと。そういう気持ちですね。だから天龍プロジェクトスタイルっていうのはないと思います。天龍プロジェクトっていう団体にかける思いは、たぶん間違いなくこの中で一番強いんじゃないかなと。天龍さんが引退するる前から僕はずっと参戦してますし、5年前の引退5年大会でも、やられましたけどね。メインイベントを任されてますので。天龍プロジェクトの責任は僕が一番背負ってるっていう認識でいますね」 ――恩返しとは天龍さんに対して? ▼海野「そうですね。紋奈さん(嶋田紋奈代表)もそうですけど、天龍さんという一つの海野家にとっては本当に私情の話にはなりますけど、僕が物心つく前からお世話になっているので、プロレスを通して恩返しできればなという機会はうかがってたんですけど、なかなかタイミングも合わずに叶うことがなかったので。せっかくこういう10周年、スリーメモリアルイヤー。そういう機会で恩返しができればなという気持ちがありますね」 ――天龍さんの思い出で印象的なことは? ▼海野「自分はもう記憶ない時からいろいろしてもらってますけど、私情を挟むのであれば父親と母親が一番お世話になってる部分がたくさんありますので、(海野家)代表として恩返しできればなと思いますね」 ――当日は一番を狙っていくぐらい? ▼海野「一番はもちろん狙っていきたいですし、一番目立ちたいというのがあるんですけど、それ以上にプロレスを通して天龍さんの記憶に残っていただければなと思います」 ――ここにいる3人以外の天龍プロジェクトレギュラーの中で多くの人に見てもらいたい選手はいる? ▼天龍「俺はね、最初から思っていた天龍プロジェクトはヨソのそこらへんのなんちゃってプロレスやってるインディーのレスラーとは違うよっていう心意気だけは持ってやってくれと。試合後のインタビューかなんかでしゃべってるのを見聞きして、皆さんが皆さんなりの天龍プロジェクトのイメージで試合を組み立てていってくれて、こんにちに至ってるのが一番うれしいですね。それと後楽園最後って言ってますけど。ザック・セイバー選手と矢野啓太の一番を組めるというのは、俺はビル・ロビンソンvsホースト・ホフマンをほうふつさせる試合を組めたのかなって自信もって提供します。プロレスファンに、あなたが今まで見てたプロレスと天プロのプロレスがこんなに色濃く違うんだよってことが印象に残って後楽園を後にしてくれればいい。それだけですよ。後楽園でこれだけのラインナップを並べて、これだけの選手を出してる天プロの心意気も汲み取って『頑張れ、お前ら』って言うだけですよ」 ――後楽園に新日本の選手が参戦して注目されている中で世に広めるチャンスと言えるが? ▼天龍「先ほどチラっと翔太君が話したけどね。翔太君がウチの団体、俺が苦労してやってきた団体のメインで最後に出てくれて締めてくれるっていうのは一番感慨深いですよ。それ以外に何もない。こんなことは物語として言うけど、天国で見てるウチの女房が一番ビックリしてますよ。というところですよ。父親に終活のエールを送れると思いますよ。最後に寅さんのテーマ曲が流れて、道を歩いていくところに翔太の顔がボッと出て終わりですよ」 ▼海野「しっかり期待に応えられるように。奥様にいたっては僕がデビューする前、天龍さんの引退試合の両国でお会いしてますし、『来年から新日本プロレス入団させていただきます』という話もしてるんで。そこから振り返ってみると、この10年というのはあっという間だったなと。自分がやってきたことは間違ってなかったというのもありますし、しっかり皆さんの期待に応えられるように当日、リングで龍魂を見せたいと思います」
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11・4後楽園大会へ向けた会見が3日、都内で行われ、初参戦となる新日本・海野翔太が天龍源一郎への「恩返し」として「龍魂を見せる」と誓った。
11・4後楽園大会は天龍プロジェクト15周年、天龍引退10周年、天龍75歳の3つを記念した興行。天龍プロジェクトとしては“最後の後楽園"の区切りとなり、天プロレギュラー勢のほか、天龍にゆかりのある他団体、フリー勢も多数参戦する。
すでに全カードが出そろっていたが、この日、試合順が決定。メインイベントは「鷹木信悟&拳剛vs岩本煌史&海野」の天プロ&新日本混成タッグ対決となった。「僕のプロレスラー人生の目標の一つだった、必ず参戦するというのは決めていたこと」という海野にとって念願の初参戦が実現する。海野の父・レッドシューズ海野レフェリーはかつて全日本、SWS、WARと天龍と行動をともにしてきた。「欲を言えば(天龍と)同じリングに上がりたい」との夢は叶わなかったものの、天龍のリングにようやく上がることができ、「私情を挟むのであれば父親と母親が一番お世話になってる部分がたくさんありますので、海野家の代表として恩返しできれば」と誓っている。
「一番はもちろん狙っていきたいですし、一番目立ちたいというのがあるんですけど、それ以上にプロレスを通して天龍さんの記憶に残っていただければ」というのが海野にとっての目標の一つ。拳剛とは初対戦で、パートナーの岩本とは2019年2月19日、ジャイアント馬場没20年追善興行・両国大会における3WAYタッグマッチ(SANADA&BUSHIvs海野&吉田綾斗vsジェイク・リー&岩本)で対戦したことがある。「天龍プロジェクト、ホントに新参者もいいとこなので、そこはしっかり二人から見て学びたい部分があります」と二人を通じて天龍プロジェクトの真髄を味わうつもり。「仲良しこよしでやる大会でもないと思いますし、楽しみたい部分はたくさんありますけど、試合をする以上はしっかり龍魂がこもった戦いをお見せできれば」と誓った。
会見に同席した天龍は「翔太君がウチの団体、俺が苦労してやってきた団体のメインで最後に出てくれて締めてくれるっていうのは一番感慨深い」と発言。「今度の後楽園ホールは天プロとしての集大成ということで、いろんな選手に参加していただいて、面白いカードを組めたという自負があります」としたうえで、「天プロ独特の、本来のアントニオ猪木さん、力道山関が作ったようなプロレスを発していただいて、ファンの皆さんに刺激を与えていただければ。後楽園でこれだけのラインナップを並べて、これだけの選手を出してる天プロの心意気も汲み取って『頑張れ、お前ら』って言うだけですよ」と期待を込めていた。
☆11/4(火)東京・後楽園ホール『天龍源一郎 引退10周年記念興行〜革命飛翔〜』17:30開場、18:30開始
◇第1試合◇
吉田和正
河野真幸
(1/15)
永尾颯樹
佐藤耕平
◇第2試合◇
▼ミックスド6人タッグマッチ
岩崎孝樹
笹村あやめ
松本浩代
(1/20)
政岡純
雪妃真矢
DASH・チサコ
◇第3試合◇
本田アユム
SUSHI
入江茂弘
“brother"YASSHI
(1/20)
渡瀬瑞基
神谷英慶
レイパロマ
新井健一郎
◇第4試合◇
▼3WAYマッチ(1/15)
仁木琢郎
vs
児玉裕輔
vs
谷嵜なおき
◇第5試合◇
▼スペシャルシングルマッチ
ザック・セイバーJr.
(1/30)
矢野啓太
◇第6試合◇
進祐哉
関本大介
鈴木みのる
(1/30)
佐藤光留
諏訪魔
越中詩郎
◇第7試合◇
▼スペシャルタッグマッチ
海野翔太
岩本煌史
(1/30)
拳剛
鷹木信悟
【会見の模様】
▼天龍「(引退から)もう10年も経ちまして、日々いろいろ考えることがあって過ごしてはいるんですが、目標というものがなかなか見つからなくて、どうしたものかと思ってるところに10年という節目で、いろんなところで興行を打っていただいたり、新木場ではありますが、定期的に打っていく天プロの姿勢に自分も加担することができて、それなりに毎日を一生懸命、過ごせることで幸せだなという環境があります。そして、こういう記者会見になりますと、今まで見てた皆さんとともに、そうかプロレス界も変わってきたんだなって感覚で、また新たな刺激を与えてもらっているこんにちです。今度の後楽園ホールは天プロとしての集大成ということで、いろんな選手に参加していただいて、面白いカードを組めたという自負がありますので、こぞって参加して後楽園ホールで楽しいひと時のプロレスをみんなで魅せたうえで、皆さん満足していただければ、興行主としても喜ばしいと思いますので、皆さん、よろしくお願いします。一番のポイントは新日本プロレスの選手が天プロの10周年、天龍源一郎引退10周年ということで特別参加していただくことだと思います。特にザック・セイバーと矢野啓太はよく似た感じですけど、初顔合わせであって、どういう展開になるかというのは俺自身も見てみたいし、実際実現できたことに喜びを感じています。メインイベントは激しい戦いになるのはわかってますけど、天プロ独特の、本来のアントニオ猪木さん、力道山関が作ったようなプロレスを発していただいて、ファンの皆さんに刺激を与えていただければいいと思ってます。戦い慣れてる人たちがうまくこなして、新しい天プロを、これからの天プロを見せる出発点になればいいと思ってますので、ぜひ期待してください」
▼ザックのコメント「天龍さんは日本プロレス界だけでなく、グローバルなプロレス界のアイコンに違いないです。私もたくさん影響を受けた偉大なレスラーです。そして同じオールジャパンの系譜を継いだ小川良成さん。彼も私のプロレスキャリアに多大なる影響を与えた選手の一人です。私のプロレスの源流、ルーツはオールジャパンに通じるかもしれない。天龍さんとは同じリングで同じ時を過ごしたことはないですが、今回この大会に招待いただけたこと、非常に光栄に思います。尊敬する2選手、そしてオールジャパンのファイトスタイルを意識しながら全力で戦いたいと思います。対戦相手の矢野啓太選手。彼のバトラーツ時代の戦いも知ってるし、英国式プロレスに影響を受けたとも聞いている。彼との対戦は非常に楽しみだね。英国のキャッチレスリングと日本の和の精神がいかに融合できるか。その最高のアートを観客の皆さんにお見せしたいと思います」
▼矢野「11月4日、ザック・セイバーJr.選手、新日本プロレスさんから出場されるということで。そして自身とシングルマッチ、本当にまずは天龍プロジェクトさん、並びに新日本プロレスさん、ありがとうございます。世代もザック・セイバーJr.選手と変わらないですし、彼は本当に僕が純粋に見てて面白いレスリングするなっていうのは感じてまして。時間に劣化されない、くすまないプロフェッショナルレスラー。それがザック・セイバーJr.選手だと思ってますので、聖地・後楽園ホールでシングルマッチができるなんて、本当に続けてきてよかったなと。あきらめなくて続けてきて本当によかったと思います。あとは世界を驚かせるだけなんでね。見ていていただければと思います。先ほどバトラーツ時代の戦いも知ってると。正直ちょっと驚きましたね。逆に僕も彼がメキシコで試合してる映像とか見てたりとかして。面白いですよね。一生懸命やりますんで、よろしくお願いします」
▼海野「天龍プロジェクト初参戦させていただきます。僕のプロレスラー人生の目標の一つ。必ず参戦するというのは決めていたことなので。欲を言えば(天龍と)同じリングに上がりたいっていうのがありましたけど、叶わない部分があるので。私情は出てきますけど、いろんなものを恩返ししなければいけない部分がありますので、そういう思いをもって当日リングに上がりたいと思います。対戦相手だったり、仲間だったり、初めて肌を合わす方が多いので、当日リングで楽しみたいと思います」
▼岩本「今回、天龍さんのメモリアル、記念のアニバーサリーが3つあるということで。自分にとっても11月4日というのは自分がプロレスデビューした日なので、この11月4日というのはとても大事な日。その大事な日に後楽園ホールで、しかもメインイベントで試合ができるという喜びが凄くあります。今、IJシングル王者として天龍プロジェクトの先頭に立っていますので、10月25日に大阪で防衛戦もありますので、そこもキッチリと防衛して、IJシングル王者のまま11月4日を迎えたいと思います」
▼拳剛「今回メインイベントをこの4選手が任されたわけですけど、各々、龍魂が宿ってるというならば、その龍魂を4人でぶつけ合う。ただ、それだけ。ホントの龍魂がなんなのかというのを見せつけたいし、味わいたい。そういう気持ちでいます。当日、楽しみにしています。よろしくお願いします」
▼鷹木「新日本プロレス、元気ハツラツ、鷹木信悟です。最初にオファーをいただいた時にメチャクチャ、テンション上がりましたね。新日本のスケジュールがどうであれ必ず出たいと。天龍プロジェクトさんはトリプルイヤーですか。自分にとってもトリプルイヤー的なのがあるかなと。実は天龍さん、覚えていらっしゃるかわからないですけど、2005年、20年前に大阪で一度タッグマッチで試合したことがあって。2015年、天龍さん引退試合を両国でやられました。実はその時もオファーをいただいていたという話を後から聞いたんですけど、自分自身がDRAGONGATEの興行があったので出ることができず、すごく悔しい思いをしたのをよく覚えてるんですけど。そして10年経って、こうして試合に出れるのはホント願ったりかなったりという感じですね。自分自身がデビューしたところはDRAGONGATEですけど、当時、別に先輩レスラーとかも世代が近かったので、特に師匠とか、そういったものはなかったので。アマチュアの頃は、プロ入りする前はアニマル浜口さんのところでずっと修行してたので、師匠は浜口さんですけど、プロレス界入った時に…ちょうど実は今日10月3日がデビュー記念日なんですけど、デビュー21年なんですけど、この21年間の中で最も鷹木信悟というプロレスラーが作られる中で影響されたレスラーは天龍さんなので。そういう意味で自分も勝手ながら龍魂を背負って、勝手にグッズなんかも出したりしてますけど、そういったものを11月4日に見せることができたらいいなと思ってます。新日本プロレス所属ですけど、実はファン時代、最も夢中になってみていたっていうのが全日本プロレスの四天王プロレスだったんですよ。三沢さんだったり、小橋さんだったり、川田さん、田上さんの試合を見て熱くなっていたんですけど、自分自身、歴史が好きだから、そこをさかのぼってみると、もともとの四天王プロレスの源流というのは鶴田さん、天龍さんの鶴龍対決だったり、天龍さんあってのプロレスなんだなって思いますね。令和になって2025年。これから未来に向けて古き良きというか、残すべきものは残していかないといけないと思ってるので。あとは天龍さんがレボリューション、天龍革命と言われてたのも『このままでいいのか? 全日本プロレス』。そういうところから始まったと思ってるんですけど。自分自身も今年、来年というのはプロレス界にとっても分岐点になる年になるんじゃないかなと思います。スター選手が海外に行ってしまったり、新日本プロレスでは棚橋社長が引退されますし、プロレス界にとって起爆剤となるような試合を11月4日、後楽園でみせたいと思ってます。『革命飛翔』(大会名)と書かれてますけど、『龍魂爆発』みたいな、そういったものを見せたいなと思います。拳剛選手、岩本選手、海野もいますけど、全員が敵のような感じでね。俺が俺がという試合を見せたいと思います。当日よろしくお願いします」
――今の新日本を担う二人と組み、肌を合わせるが?
▼岩本「隣にいる海野選手は2020年だったかな。馬場さんの追善興行で3WAYタッグで対戦してて、鷹木さんは2018年、自分が全日本に所属してた時のチャンピオン・カーニバルに出てて。3WAYタッグだったので海野選手はほんのちょっと触れ合うだけで、鷹木選手とはごあいさつ程度しかなかったので。今回、海野選手と組むというのは、活躍とかも見てるんで心強い部分もあるんですけど、やっぱりそこは負けないぞと。自分チャンピオンでもあるんで、そういうプライドもありますし。鷹木選手に対しても、当時はまったく触れ合えてなかったので、ここで岩本煌史はどんなもんかっていうのをぜひとも体感してもらいたいと思います。天龍プロジェクトのチャンピオンとしてのプライドをしっかりぶつけようと思います」
▼拳剛「正直言いますと鷹木さんも海野選手も、自分と岩本選手がもってない影響力のでかさっていうのはすごくあるんで、その影響力は力を貸してもらいたいという気持ちなんですけど。今回、引退して10年の大会で後楽園でやるんですけど、5年前も後楽園ホール大会で私はメインイベントに出ました。その時は正直言って自分のいいところも何も残せず、ただただやられて終わってしまったという苦い思い出がありまして。振り返れば5年前は自信がなかったんだと思います。それから5年も経ってますし、今、自分のプロレスに自信があるので。5年前なら鷹木さんの横にいて恐れ多いですっていう気持ちがあったかもしれないですけど、今は鷹木さんのパートナーとしてふさわしいと思うし、逆に鷹木さんは僕のパートナーとしてふさわしいと思います。海野選手はお会いするのは実は2度目なんですよ。たぶん海野選手は覚えてないと思います。それが僕の現状。試合はしたことないんですけど、その現状も受け入れて、海野選手の中に印象残してもしょうがないと思うんですけど、忘れられないレスラーになるかなっていう感じですかね。凄く活躍も見てますし、いろんなことに挑戦してるなっていう意味では興味持ってます。ただ、負けるつもりはないです」
――レギュラーの二人と組み、戦うが、天龍プロジェクトにどんなイメージがある?
▼海野「天龍プロジェクト、ホントに新参者もいいとこなので、そこはしっかり二人から見て学びたい部分がありますし。個人としてはもちろん…(拳剛が)先ほど覚えてないかもとおっしゃってたんですけど、活躍というのは目を通してるので、そんなことはないよと。ただ、仲良しこよしでやる大会でもないと思いますし、楽しみたい部分はたくさんありますけど、試合をする以上はしっかり龍魂がこもった戦いをお見せできればと。そこは一つ興味がわいてますね」
▼鷹木「イメージ的には後楽園だろうが、新木場だろうが場所を問わずバチバチやってる印象がありますね。それはレスラーとして当然のことだと思うんですけど。岩本選手がIJのベルト、これもしかしてあれですか? 力道山先生が絡んでるベルトでしたっけ? これは違うやつですか。見た目が歴史があるので。僕も今週日曜日、タイトルマッチで負けたばかりで、本当はチャンピオンとして天龍プロジェクトの試合に出たかった。海野とはよく新日本でも戦ってるんで。逆にこの天龍プロジェクトを知るにはチャンピオンと戦うのを楽しみにしてますよ」
――ザック戦へ向けてプランは出来上がっている?
▼矢野「プランは出来上がってまして、抽象的な表現になりますし、あんまりこういう言い方は僕は避けたいと思ってるんですけど、神に誓った戦い。お互い神に誓い合おう。そういった本当に極上のレスリングを持っていくつもりで。人生は素晴らしいってみんなで言いましょう」
――スタイル的には?
▼矢野「いつも通りですよ。いつも通りですし、先ほどザック・セイバーJr.選手がメキシコでやってる映像を見たというのもあったりして、こちとらもルチャもできれば、オールドスクールのアメリカンも。バチバチジャパニーズはあんまりしないかもしれないですし、わかんないですね。そのへんは臨機応変に。佐藤光留選手とやり合ったように頭突き合戦が始まるかもしれないし。そのへんも含めて神様の許しを得て戦いたいと思います」
――天龍プロジェクトらしさとは?
▼矢野「そうですね。天龍プロジェクトさんのスタイルという定義が皆さん違うと思うんで。いつの日か湖に夕日が沈むのを眺めながら一緒にビール飲めればいいんじゃないかなと。今んとこはそれでいいかなと。その時は拳剛選手、岩本選手、海野選手、鷹木選手、来てよ。招待します」
▼岩本「僕の思う天龍プロジェクトのプロレスっていうのは、簡単に言えば、『なんで?が起こらないプロレス』だと思ってます。単純にそれだけです」
▼拳剛「ちょっと矢野さんの回答に似てしまうのかもしれないですけど、天龍プロジェクトスタイルなんてものはないと思うんですよ。各々が自分のスタイルを主張して発揮しまくって、それが混ざり合ってるから天龍プロジェクトスタイルと言われてるのかなと。天龍プロジェクトスタイルを意識して戦ったことは僕は一回もないですし、拳剛スタイルが天龍プロジェクトスタイルって言われてるのかなと。そういう気持ちですね。だから天龍プロジェクトスタイルっていうのはないと思います。天龍プロジェクトっていう団体にかける思いは、たぶん間違いなくこの中で一番強いんじゃないかなと。天龍さんが引退するる前から僕はずっと参戦してますし、5年前の引退5年大会でも、やられましたけどね。メインイベントを任されてますので。天龍プロジェクトの責任は僕が一番背負ってるっていう認識でいますね」
――恩返しとは天龍さんに対して?
▼海野「そうですね。紋奈さん(嶋田紋奈代表)もそうですけど、天龍さんという一つの海野家にとっては本当に私情の話にはなりますけど、僕が物心つく前からお世話になっているので、プロレスを通して恩返しできればなという機会はうかがってたんですけど、なかなかタイミングも合わずに叶うことがなかったので。せっかくこういう10周年、スリーメモリアルイヤー。そういう機会で恩返しができればなという気持ちがありますね」
――天龍さんの思い出で印象的なことは?
▼海野「自分はもう記憶ない時からいろいろしてもらってますけど、私情を挟むのであれば父親と母親が一番お世話になってる部分がたくさんありますので、(海野家)代表として恩返しできればなと思いますね」
――当日は一番を狙っていくぐらい?
▼海野「一番はもちろん狙っていきたいですし、一番目立ちたいというのがあるんですけど、それ以上にプロレスを通して天龍さんの記憶に残っていただければなと思います」
――ここにいる3人以外の天龍プロジェクトレギュラーの中で多くの人に見てもらいたい選手はいる?
▼天龍「俺はね、最初から思っていた天龍プロジェクトはヨソのそこらへんのなんちゃってプロレスやってるインディーのレスラーとは違うよっていう心意気だけは持ってやってくれと。試合後のインタビューかなんかでしゃべってるのを見聞きして、皆さんが皆さんなりの天龍プロジェクトのイメージで試合を組み立てていってくれて、こんにちに至ってるのが一番うれしいですね。それと後楽園最後って言ってますけど。ザック・セイバー選手と矢野啓太の一番を組めるというのは、俺はビル・ロビンソンvsホースト・ホフマンをほうふつさせる試合を組めたのかなって自信もって提供します。プロレスファンに、あなたが今まで見てたプロレスと天プロのプロレスがこんなに色濃く違うんだよってことが印象に残って後楽園を後にしてくれればいい。それだけですよ。後楽園でこれだけのラインナップを並べて、これだけの選手を出してる天プロの心意気も汲み取って『頑張れ、お前ら』って言うだけですよ」
――後楽園に新日本の選手が参戦して注目されている中で世に広めるチャンスと言えるが?
▼天龍「先ほどチラっと翔太君が話したけどね。翔太君がウチの団体、俺が苦労してやってきた団体のメインで最後に出てくれて締めてくれるっていうのは一番感慨深いですよ。それ以外に何もない。こんなことは物語として言うけど、天国で見てるウチの女房が一番ビックリしてますよ。というところですよ。父親に終活のエールを送れると思いますよ。最後に寅さんのテーマ曲が流れて、道を歩いていくところに翔太の顔がボッと出て終わりですよ」
▼海野「しっかり期待に応えられるように。奥様にいたっては僕がデビューする前、天龍さんの引退試合の両国でお会いしてますし、『来年から新日本プロレス入団させていただきます』という話もしてるんで。そこから振り返ってみると、この10年というのはあっという間だったなと。自分がやってきたことは間違ってなかったというのもありますし、しっかり皆さんの期待に応えられるように当日、リングで龍魂を見せたいと思います」
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