9/3【新日本】今年4度目の対決へ 後藤「G1の借り返してIWGP」、中邑「新しい自分で戦う」 9・27神戸IC王座戦調印式(写真あり)
IWGPインターコンチネンタル選手権試合「後藤洋央紀vs中邑真輔」(9・27神戸)の調印式が3日、都内・新日本事務所が行われ、両者が調印書にサイン。王者・後藤がG1で敗れた借りを返し、IWGPヘビー級王座獲りに乗り出す意向を示せば、挑戦者は「自分の中でいろんなものをそぎ落としたかなという意味では新しい自分でタイトルマッチを戦いたい」と新生・中邑として5ヶ月ぶり5度目の戴冠を成し遂げる構えをみせた。
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両者は5・3博多、7・5大阪城とインターコンチ王座をかけて2度対決。いずれも後藤が勝利し、両者の間に一応の決着がついたかに思われたが、8・4仙台大会でのG1公式戦では中邑が雪辱。後藤が指名する形で今年4度目となる両者の一騎打ちが決まった。
インターコンチ王者としてG1に出場しながら結果は予選敗退。「チャンピオンとしてふがいない結果に終わってしまった」と悔しさが残る後藤にとって、中でも痛恨だったのは中邑戦での敗北。最近になってやっと吹っ切れたという荒武者は「過去を引きずってもしょうがないので、次で決着つけて次のステージに進みたい」と力強く言い切った。
後藤の言う「次のステージ」はIWGPヘビー級王座挑戦にほかならない。G1公式戦でIWGP王者のオカダ・カズチカを撃破し、それを手繰り寄せたはずが、中邑へのリベンジという課題を残してしまった。「自分の中で納得いく形でIWGPに挑戦したいし、そういうことですよ。そういう発言権、言う資格はあると思ってるんで」と神戸決戦の先を見据えた後藤は中邑に借りを返し、悲願である至宝ベルト獲りに乗り出すつもり。もちろんインターコンチをないがしろにするつもりもなく、「中邑がこのベルトの色をしっかりつけた、塗り替えたのは認める。今度は俺がその上から塗り返す」と荒武者色に染めていくことを改めて誓った。
一方、中邑は5・3博多大会で後藤に敗れ、第10代王者から陥落以来5ヶ月ぶり5度目の戴冠を狙う。G1中は左ヒジ負傷によって途中欠場を余儀なくされ、戦列に復帰後も苦闘の連続となったが、Bブロック1位通過で決勝進出を果たした。棚橋弘至に敗れ、準優勝に終わったものの、「ヒジの負傷を忘れるぐらい自分の中では全て吐き出した」との手応えはあった。
過酷なG1の中でつかんだものは中邑にとって大きかった。インターコンチ王者・後藤、IWGP王者・オカダとシングル2大王者を撃破し、「空想上は自分がチャンピオンかなと」と高笑いしたように、次につながる布石を打つことができた。そして王者からの指名でインターコンチ返り咲きのチャンスを得た。気になる左ヒジの具合も「試合に支障はないと思ってます」と不安なしを強調。「自分の中でいろんなものをそぎ落としたかなという意味では新しい自分でタイトルマッチを戦いたい」と宣言した。
「G1が終わって新しい自分を構築するためにどうしたらいいのか考えてる最中」という中邑は今、“新生・中邑真輔"の胎動を感じているようだ。それを具現化した上で5度目の戴冠を果たせば、自ずとインターコンチのベルトにも新たな息吹を吹き込めるはず。中邑は「まだどのように振り回すか、その方法によってまだまだ自分の思い通りにできるんじゃないかなというのはあります」と白いベルトにまた新たな色をつけていく構えをみせた。
どちらが勝利するにせよ、神戸決戦を終えた先に、新たな風景がインターコンチ王者によって描かれていくことになるのは間違いなさそうだ。