7/16【新日本】内藤が制御不能で本領発揮、ロスインゴ軍でのG1話題独占を宣言 G1 CLIMAX開幕直前会見に20選手勢ぞろい
“真夏の祭典"G1 CLIMAXに向けた開幕直前会見が16日、都内明治記念館で開かれ、出場20選手が意気込みのほどを語った。なかでもロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(ロスインゴ軍)の内藤哲也が各方面をぶった斬り、戦前の話題を他選手に譲った憂さを晴らしつつ“話題独占"を宣言した。
開幕を2日後に控えて20選手が勢ぞろい。棚橋弘至が連覇を狙い、オカダ・カズチカが自身初の“IWGP&G1同時制覇"を目指す。ノア勢も参戦し、初出場選手も多いフレッシュな顔ぶれのなかで、最多出場記録を持つ天山広吉の“出場権譲渡問題"などが戦前の話題をさらった。
だが、直前会見でもっとも目立ったのは内藤だった。いつものようにゆっくりと壇上に歩みを進め、G1のトロフィーにキャップをかけた内藤は、「今回のG1 CLIMAX。僕はBブロックですが、ここまでほぼすべての話題をAブロックの選手に持っていかれてしまったかな…という印象があります」と切り出すと、“憂さ"を晴らすかのように各方面のぶった斬りを開始。
「たとえば、この2ヵ月間。本当に治療に専念していたのか。ただサボりたかっただけなのか。どっちか分かりませんが、あさっての札幌大会から復帰する選手(棚橋)がいたり。先週、体調不良という意味の分からない理由で急きょシンガポール大会を欠場した選手(真壁)がいたり。プロレスリング・ノアを背負ってこのG1 CLIMAXに出場するのか。それともCHAOSの一員として出場するのか。ちょっと立ち位置が分からない選手(丸藤)がいたり。そして! 仲間に同情され、出場権を譲り受けた選手(天山)がいたり…」と毒ガスを噴射しまくったうえで、「ホント、Aブロックに話題をすべて独占されてしまったかな…と思いますが、あさっての札幌大会以降、AブロックでもBブロックでもなく、我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが話題を独占することでしょう。新日本プロレスを応援してくださる皆さま。我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの世界を、この夏、存分に味わってください」と宣言した。
さらに内藤は、質疑応答の段で記者然と手を挙げ、同ブロックに入った初出場のノア・中嶋勝彦への質問を開始。「今回、リーグ戦以外の日はほぼCHAOSの選手と組んで試合をすることが多いようですが、CHAOSの選手と組むことについて、あなたは納得してるんですか? 実はこのままCHAOSには入れたらうれしいなあ…とか思ってるんじゃないですか?」と投げかけた。
中嶋は「なぜCHAOSとタッグを組むのか。それはノアをご覧になっていれば分かると思うんですが、まさかこんな場で、そんな初歩的な質問をされるとは…あきれちゃうくらいですね。その答えはきっと、(内藤と対決する)福岡で分かりますよ。それより今、知りたいですか? 今すぐにでも聞きたいですか?」と返答。内藤もニヤつきながら「うん。すぐにでも聞きたいねえ〜。ここはトランキーロじゃいられないよ。すぐに教えてください」と誘い水をひっかけ、中嶋に「今、内藤選手から今すぐ聞きたいって言ってもらったんで、教えたいな〜って思いはあるんですけど…でも内藤さん。トランキーロ……あっっせんなよ」と言わせてみせた。
6月の大阪城大会でオカダに敗れてIWGP王座から陥落した内藤だが、今年上半期の新日本をけん引。ロスインゴ以前は「新日本プロレスの主役は俺」と必死に言い続けていた内藤だが、制御不能の自由さで直前会見の“主役"を張った形となった。
会見における各選手のコメントは以下の通り。
【会見の模様】
▼棚橋弘至「このG1 CLIMAXから復帰します。復帰するシリーズですが、“復帰するための練習"ではなく、“優勝するための練習"をしてきました。驚くほど良い仕上がりなので、大いに期待してください。G1 CLIMAX、二連覇します!」
▼真壁刀義「特にここに来て『なんか言え』って言われても話すことないんですけど、実際、ここにいるレスラーの中で一番有名なのは俺だと思うんですね。一般に道歩いてて。それは間違いねえと思います。ただ『世間一般には有名かもしんねーけど、プロレスではどうなんだよ?』って言われたら、正直考えるところはあるよな。そういう意味では、相当いら立ちが募ってんだよ。正直さ、自分で手繰り寄せるもんだろ? そういうもんは。俺はそういうの、持ってんだよ。一つひとつ考えて、手繰り寄せて、引き寄せて…もう一度俺自身、胸張りてえからよ。そういう意気込みでやります」
▼天山広吉「今、この場に自分がいるのは小島聡のおかげです。当初の予定では、このG1 CLIMAX。出場者の中に入っていませんでした。自分自身、すごくショックで受け入れることができませんでしたけど、どうしても出たい!と訴え続けたなかで、コジが自分のために出場権を譲ってくれました。賛否両論は承知してますが、決まった以上は自分自身、コジの思いも胸に、しっかりとこのG1 CLIMAX…最後のG1 CLIMAXと決めて、全身全霊を込めてやっていきたいと思います」
▼オカダ・カズチカ「IWGPヘビー級チャンピオンとして優勝します……というのは言い飽きたんですけど、僕はしっかりこのIWGPヘビーのベルトをこのG1で見せたい。病み上がりの前回覇者、宙にぶら下がってるだけのベルトを獲ったインターコンチネンタルチャンピオン、オッサンばっかりと戦ってるNEVERチャンピオン…そういうのとしっかり違いを見せて、優勝します」
▼後藤洋央紀「過去の栄光、過去の実績を捨てる覚悟でCHAOSに入ってる。このG1、CHAOS・後藤として新たな実績を作りたい」
▼石井智宏「去年後半、今年半年間、負けっぱなしなんで、もう一度気を引き締め直して臨みたいと思います」
▼バッドラック・ファレ「世界のブラザーズたちよ、トゥー・スゥイート! BULLET CLUBはすべてを凌駕してる。そのBULLET CLUBの“ジ・アンダーボス"がG1を獲る」
▼タマ・トンガ「6年だ。このカンパニーに来て6年だ。まず、G1に出る機会を与えてくれてありがとう。もう新時代だ。俺の時代が来たんだ。G1に出るまで6年かかった。6…長い時間だ。これから俺の時間が来るんだ。このG1は俺の時間。そしてG1は俺のものだ」
▼SANADA「G1 CLIMAX、初出場します。AブロックはSANADA、Bブロックは内藤、EVIL。決勝はロスインゴでやりましょう」
▼丸藤正道「4年ぶりにこの舞台に立てること、快くここに送り出してくれるノアに対して感謝します。自分はこのG1を思いっきり楽しんで、この素晴らしいメンツのなかで最高の試合をして、最高の結果を残したいと思います。皆さんには申し訳ないけども、この夏を制するのは俺です」
▼柴田勝頼「柴田です。一生懸命、頑張ります。今、ひとつ言えることがあるとしたら…ここにいる選手は、いろんな思いや感情があると思います。“うれしい"だったり“楽しみ"だったり。そういう感情はあるとは思いますが、今の自分にある感情というか…状況というのは、『今、俺はプロレスに取り憑かれています』。以上」
▼永田裕志「18年連続18度目の優勝を決めました。当然のごとく選ばれたと思っています。48歳の世間ではオッサンですが、こんなオッサンどこにいる!?っていうのを思いっきり世間に見せつけたいと思います。今年上半期、DOMINIONでは窓際から復活した。次はこのG1、優勝して、東京ドームで復活したいと思います」
▼本間朋晃「今年で3年連続3回目の出場。この名誉ある大会に出られることを幸せに思います。今回はメインが3回あるということで。柴田戦、内藤戦、エルガン戦。しっかりとここで勝利を獲って、優勝で“こけしイズハッピー"をやりたいと思います。そして今、僕はすこぶる体調が良いです。色も黒いですし。ただ、ひとつ皆さんが思ってるかもしれません。『あれ? 本間…ハゲたんじゃね?』と。そう思ってる連中がいるかもしれないんですけど、違うんです。これはG1 CLIMAXのことを考え過ぎて抜け毛がひどくなったんです。だからG1 CLIMAXが終わる頃には良い結果を残して、フッサフサ! 最高の最終日を迎えられると思います」
▼マイケル・エルガン「まさに、ちょうど1年前。俺はこの場に来た。誰も俺のことをよく知らなかった。でも1年後。今はそんなことはない。1年間ですべてが変わった。俺の力を証明してきた。誰もが長いG1の歴史のなかでなし得なかったこと。今年のG1 CLIMAXでマイケル・エルガンが新しい歴史を作る。初めて外国人選手としてG1を制してみせる」
▼矢野通「ここに来る道すがらも『嫌だな〜嫌だな〜怖いな〜怖いな〜』なんて思って来たんですけど…でも!! 頑張ります!! なぜなら!! お金が!! 欲しい!!!!」
▼YOSHI-HASHI「海外から帰ってきて、このG1 CLIMAXというのはずっと意識してました。出るまでに結構時間かかったっすけど、俺がこのG1 CLIMAXに出る意味。必ず爪痕を残して、最高の結果を見せます」
▼ケニー・オメガ「この俺がG1に初出場するんだぞ? 凄いことさ。でも、お前らは人気者の写真ばっかり撮ってる。まぁそれがキミらの仕事だから仕方ない。だからこのG1で俺が証明してやる。俺が人気者どもをブチのめして、誰よりも価値があるってことを。それが俺の仕事。せんきゅー、グッバイ&グンナイ」
▼内藤哲也「(※トロフィーに帽子をひっかけてから)今回のG1 CLIMAX。僕はBブロックですが、ここまでほぼすべての話題をAブロックの選手に持っていかれてしまったかな…という印象があります。たとえば、この2ヵ月間。本当に治療に専念していたのか。ただサボりたかっただけなのか。どっちか分かりませんが、あさっての札幌大会から復帰する選手がいたり。先週、体調不良という意味の分からない理由で急きょシンガポール大会を欠場した選手がいたり。プロレスリング・ノアを背負ってこのG1 CLIMAXに出場するのか。それともCHAOSの一員として出場するのか。ちょっと立ち位置が分からない選手がいたり。そして! 仲間に同情され、出場権を譲り受けた選手がいたり…。ホント、Aブロックに話題をすべて独占されてしまったかな…と思いますが、あさっての札幌大会以降、AブロックでもBブロックでもなく、我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが話題を独占することでしょう。新日本プロレスを応援してくださる皆さま。我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの世界を、この夏、存分に味わってください。EVIL、BUSHI、SANADA…内藤…ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」
▼EVIL「G1 CLIMAX…ウェルカム・トゥ・ダークネスワールド。このリングを支配しているのはキング・オブ・ダークネスであることを、このG1で刻む。ディス・イズ・イービル! エーブリシング・イズ・イービル。すべては……EVILだ」
▼中嶋勝彦「今回初出場させていただきます、プロレスリング・ノアの中嶋勝彦です。まずG1という大きな舞台に参戦させていただけることを光栄に思ってます。でも、“ただの参戦"だと思わないでください。そして、こんなに素晴らしい選手がいるなかで、なぜこのタイミングで俺が選ばれたのか。それはG1が終わった時、分かることでしょう。俺は……止まらねえ!!」
――オカダ選手、同ブロックでマークする選手と開幕戦で当たる丸藤について?
▼オカダ「丸藤さんとは初めてなんですけど、Aブロックのメンバーのなかで丸藤さんだけですから。楽しみたいなと。それだけですね。Aブロックで注目してる選手は、やっぱりCHAOSの選手。今回に限っては後藤さんとの試合は楽しみですね」
――同じく丸藤選手は?
▼丸藤「しょっぱなから素晴らしい選手が出てきてくれたなと。オカダ選手。僕も存分に楽しみながら、ノアの戦い、丸藤正道の戦いに引きずり込んでやろうと思ってます。注目する選手は…全選手とシングルでやれるのが楽しみでしょうがないんで、僕と対戦する皆さんも、僕との戦いを楽しんでください」
――オメガ選手は内藤、柴田との初シングルに向けて?
▼オメガ「両方とも夢のカードだね〜(笑) シバタとはスリーパーマッチになるね。ナイトーはワーオ。今、日本で最も人気あるユニットを率いてる。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン。これはチャンスだ。BULLET CLUBのほうが強いってことを示すチャンスだ」
――柴田選手、マークする選手などは?
▼柴田「申し訳ないんですけど、誰かをマークとか、そういうレベルじゃなくて…。楽しみとか、うれしいとか、そういうのを通り越してる心境というか。メシを食う、寝る、プロレスをする。そういうくらいの感覚になってきてて。…あと、いつから会見は“笑ってはいけない記者会見"みたいになってるんですかね(苦笑) 緊張感があるのか無いのか分からない…。特にサングラスの人(EVIL)なんて、軍事評論家にしか見えないし……(苦笑) まぁ、そういうのもひっくるめて頑張りたいと思います」
――内藤選手、同じBブロックで意識する選手は?
▼内藤「Bブロックに関しては浜松大会で行われる、EVILvs内藤。この勝者がBブロック代表になるのは間違いないと思います。AブロックはSANADA、もしくは大阪城ホールで俺に勝ったオカダ。どちらかが優勝決定戦に来るでしょう。あとの試合はやる必要ないっすよ。まさに“消化試合"だと思います。……(※マイクを叩いて記者のように手を挙げる) ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤です。中嶋勝彦選手に質問があります! 今回、リーグ戦以外の日はほぼCHAOSの選手と組んで試合をすることが多いようですが、CHAOSの選手と組むことについて、あなたは納得してるんですか? 実はこのままCHAOSには入れたらうれしいなあ…とか思ってるんじゃないですか? いや、もうすでにCHAOSの一員なんですか? 答えづらかったらノーコメントで構いませんが、もし考えがあるならお答えいただきたいと思います」
▼中嶋「内藤選手。内藤選手はノアのプロレスはご覧になってないんじゃないでしょうか。なぜCHAOSとタッグを組むのか。それはノアをご覧になっていれば分かると思うんですが、まさかこんな場で、そんな初歩的な質問をされるとは…あきれちゃうくらいですね。その答えはきっと、福岡で分かりますよ。それより今、知りたいですか? 今すぐにでも聞きたいですか?」
▼内藤「うん。すぐにでも聞きたいねえ〜。ここはトランキーロじゃいられないよ。すぐに教えてください」
▼中嶋「今、内藤選手から今すぐ聞きたいって言ってもらったんで、教えたいな〜って思いはあるんですけど…でも内藤さん。トランキーロ……あっっせんなよ」
――柴田選手、オカダから『オッサンばかりと戦ってる』と言われたが?
▼柴田「オッサンばっかりと戦ってきましたけど…『オッサンをナメんなよ。ゆとり』ってところですかね、ハイ」
――今の柴田発言に永田選手も同意する?
▼永田「DOMINIONでのNEVER戦はIWGP選手権を食ったと思ってますから。ただのオッサンじゃないと、先ほど壇上から申し上げた通りです」
――天山選手、『同情されて出場枠を譲り受けた選手』と内藤から挑発されたが?
▼天山「まぁ何も言われないよりは。特に気にしてないんですけど、今回は“テンコジのG1"だという思いなんで、余計なことを口出しすんなって感じですね」
――棚橋選手、両国ではオカダ戦もあるが?
▼棚橋「全治2カ月と言われまして、『棚橋は間に合うのか』とみられていたと思うんですけど、間に合いました。間に合うどころか調子を上げてきました。出るために練習していたわけではなく、優勝を見据えて練習を進めてきたので。良く“欠場で体を休めてもどってくる"みたいなこと、オーバーホールみたいなことを言いますけど、まったく新しい棚橋の体を手に入れて戻ってきた。今ホント“新車"です。なので大いに期待してもらっていいですし、両国初日のオカダ戦。今年1月の東京ドームで言い訳できないほど完全に負けました。ただ、今向こうはチャンピオンで、いろいろリスクもあると思うんで。逆に俺はノーリスクなんで、今までとは違った戦いを見せたいと思います」